高速道路の実燃費は20km/Lオーバー
そしてこのディーゼルは尿素水を使って排ガスのNOxを後処理するアドブルーシステムを搭載しており、ガソリンモデルに比べ60kgほど車重が増しているのだが、ハンドリングへの影響は最小限だった。ほかのジャガー同様やはり「曲がりたがり」なキャラクターで、ステアリングのクイックさ、切り込んでいったときの旋回姿勢の美しさ、アクセルの踏み込みに応じてラインを自由自在に調整できる懐の深さは健在だった。巡航時の静粛性も優秀で、100km/h時のエンジン回転は1450rpmほど。エアロダイナミクスも練りに練られているようで、風切り音の類は皆無だからほとんど無音のクルージングを愉しむことができた。
惜しいのはアイドリングストップなど、エンジンの始動/停止の際に振動がやや大きいこと、坂道や加速時など、高負荷がかかった際にディーゼルらしいサウンドを響かせることだが、この燃費を見ればそんな弱点には目をつぶることができるかもしれない。今回およそ500km試乗して得た燃費は、高速で20km/L前後、空いた郊外路で15km/L前後、混んだ市街地で10km/L前後。これらは一切エコランを意識せず、しかも時にフル加速を試すなど、さまざまなテストを行なった上での燃費なので、普通に走るぶんにはもっといい数値を叩き出すことができるはずだ。
ガソリンモデルとの価格差は20万円だが、これはエコカー減税でほぼ相殺できる(2016年3月現在)。期待通りのジャガー(=ガソリン)と、新しいジャガー(=ディーゼル)。実に悩ましい究極の選択。どちらにするかは、ぜひ試乗して大いに悩んでいただきたい。
ジャガーXE 20d PURE
東京標準現金価格 ¥4,970,000
全長/全幅/全高 4680/1850/1415㎜
ホイールベース 2835㎜
車両重量 1660㎏
エンジン型式/種類 204DT/直4DOHC16V+ターボ
総排気量 1999㏄
最高出力 180ps(132kW)/4000rpm
最大トルク 430Nm/1750~2500rpm
トランスミッション 8速AT
燃費(JC08) 17.1㎞/L
サスペンション形式 前:Wウイッシュボーン/コイル
後:インテグラルリンク/コイル
ブレーキ ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前:205/55ZR17 後:205/55ZR17
問い合わせ先 ジャガー・ランドローバー・ジャパン http://www.jaguar.co.jp
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