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ついに量産スタート! 新型NSXはこうして作られる

まずは北米仕様車を4月下旬から

 アメリカン・ホンダモーターは3月17日、新型アキュラNSX北米仕様車の量産を4月下旬から開始し、順次デリバリーを開始すると発表した。

 新型NSXのグローバル生産拠点は米オハイオ州メアリズビルに設立された「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)」。PMCは、ホンダにとってオハイオ州で3番目の4輪車生産工場であると同時に、新型NSXを開発したホンダR&Dアメリカズのオハイオセンターからほど近い場所に立地している。

 PMCには新型NSXのようなスーパースポーツモデルの少量生産に最適な設備が整っており、約100名のスタッフが各工程で先進のロボット技術と協調しながら、最高レベルの品質と卓越したクラフトマンシップを実現する。

 工程のいくつかをクローズアップしてみよう。

 アルミや超高張力鋼板など複数の素材を組み合わせた新型NSX用スペースフレームは、業界初の試みとなる100%ロボット化されたミグ溶接(不活性ガスを使用した金属消耗電極を採用したアーク溶接)によって作られる。8台のロボットが860カ所に正確なミグ溶接を施すことで、高い精度を出す。

 一方でエンジニアは、14時間をかけてパワートレイン、サスペンション、電装パーツ、インテリア部品、ボディパネルを組み付ける。主要なボルトの取り付けはエキスパートによる手締めを基本に、その後ワイヤレス通信が可能なデジタルトルクレンチで締め付けることにより、締め付けトルクを精密に管理。ボルト1本ごとにトルク実績が記録され、組み立て工程の高い品質を維持する。

 3.5リッターV6ツインターボエンジンは、オハイオ州のホンダ・アンナエンジン工場において、エキスパートの手によって1基あたり6時間以上をかけて組み立てられる。

 ボディアウターパネルの塗装では、プライマーと塗料が11層に塗り重ねられた上に仕上げ処理を施して美しい仕上がり実現するという、世界トップレベルの手法が用いられる。

 出荷前には動的性能の徹底的な確認が行なわれる。ホイールアライメントの調整作業に45分かけるほか、タイヤの荷重計測や最低地上高の確認、4輪すべてのブレーキパフォーマンスの精密な測定など、あらゆる観点で実施。ちなみにホンダはPMCにおける生産技術に関して12の特許を米国で申請しているが、約半数がこのプロセスに関連するものだという。

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