
スタイリングはキープコンセプト
ジャガーが長年守り続けてきた”あのカタチ”を捨て、新しいデザインを世に問うたのが初代XF。その後XJのフルモデルチェンジ、弟分であるXEのデビューを経て、最近ようやく「ジャガーといえばこのカタチ」と、新世代ジャガー像がマーケットに受け入れられてきたように思う。そんな中、ミドルサルーンのXFが8年ぶりにフルモデルチェンジ。このたびデリバリーがはじまった。
XFのライバルといえばメルセデスEクラスやBMW5シリーズ、レクサスGSといった高級ビジネスサルーンで、このクラスはヨーロッパの分類で「Eセグメント」と呼ばれている。そして日本では先に挙げた3モデルが圧倒的なシェアを占めており、アウディA6やマセラティ・ギブリなどは一部のファンやアーリーアダプターが所有するにとどまっているというのが現状だろう。XFもそんな中の1台といえるが、新型は果たしてそんな状況を打破する実力を備えているのだろうか。注目はズバリそこである。
さて、まずは初対面の印象から。一見したところあまり変わった感じのしない新型だが、これは新しいジャガーデザインをさらに広く浸透させたい狙いもあるのだろう。でもよく見ればサイドウインドーがリアドアの後ろにもうひとつ付いた「6ライト」スタイルになっていたり、リアコンビランプにスポーツカーのFタイプにも通じる直線と半円を組み合わせたLEDのラインがあしらわれたりと、確かに新しさを感じさせる部分もある。
ライバルを凌駕する最新のインフォテインメントを搭載
だが、本当の革新は中身にあるといっていい。新型はXEから採用がはじまった「D7a」アーキテクチャーをベースに作られており、ボディの75%が軽量なアルミ製に。このおかげで先代に比べ最大190kgの軽量化を達成するとともに、ねじり剛性を28%向上。ボディサイズは先代モデルに比べ全長-10㎜、全幅+5mm、全高-5mmと、ほとんど変わっていないにも関わらずだ。
エンジンはガソリンが2.0リッター直列4気筒ターボ(240ps/340Nm)と3.0リッターV型6気筒スーパーチャージャー(340ps & 380ps/450Nm)の2種。ディーゼルはジャガー&ランドローバー社が新工場を建設するまでしてゼロから作り上げた、最新の2.0リッター直列4気筒ターボディーゼル、通称「インジニウム」を用意する(180ps/430Nm)。組み合わせるトランスミッションは全車ZF製の8速ATで、グレードは4気筒系にはラグジュアリーな「ピュア」と「プレステージ」が、6気筒系にはラグジュアリーな「ポートフォリオ」に加え、スポーティな「R-スポーツ」と「S」がラインナップされる。
そしてライバルを大きくリードしているのが、最新のインフォテインメントシステム「インコントロールタッチ・プロ」を全車に標準装備してきたことだろう。これは10.2インチのタッチスクリーンをセンターコンソールに、メーターパネルを12.3インチの大型ディスプレイに置き換えることで、走行/エンタメ情報を2カ所の大画面を使ってよりフレキシブルに表示、操作性や視認性を大幅に高めるものだ。これに合わせてナビがようやくDVD(!)からSSDにアップデートされたが、そのマップはいまやドライバーの目の前、メーターパネルいっぱいに表示することもできる。2段飛び、いや3段飛びくらいに進化したというわけだ。
- Report : Naohide ICHIHARA (Editor in Chief) Photo:JAGUAR LAND ROVER JAPAN
- XF 20d PURE
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- XF 25t PRESTIGE
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- Report : Naohide ICHIHARA (Editor in Chief) Photo:JAGUAR LAND ROVER JAPAN
- XF S
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- XF 20d PRESTIGE
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