アルファロメオ・ジュリアのV6ツインターボを搭載
活況を呈するプレミアムスポーツカー市場だが、市場の拡大は車型バリエーションの拡充という流れを生む。王座に君臨するフェラーリといえども、生産規模は小さく戦略上増産も困難なため、新規競合車の増加に伴って自動的にシェアが下がる状況にある。そこでラインナップの拡大、とりわけ近年競合の増したエントリークラス(といっても廉価なわけじゃないが)への車型投入が企画されたわけだ。仮想敵は現在急成長中のマクラーレン570あたりやV8仕様のアウディR8あたりということになるだろう。
FCA内の他ブランドにも使われる2.9リッターのV6エンジンをベースにすることで性能とコストの高バランスを狙い、熟成された488GTB系のプラットフォームを採用してボディをやや小柄に造るという手法で、魅力的なフェラーリのエントリーモデルを仕立てようという目論見だ。実物のカタチはまだスクープされていないが、このレンダリング画像はまさにそういう前提条件で描かれたものだ。
「小さめな488」というイメージもあるが、複雑な空力ディテールよりも、どことなくオリジナルのディーノを思い起こさせるクラシカルな丸みを与えられているのは作画者のディーノ・オマージュなのだろうが、画一的空力デザイントレンドとは一線を画する魅力を醸し出していて、本当にこういうカタチでもいいなと思う。2018年モデルとしてデビューするといわれているので、実物のカタチはまだお預けなのだが、フェラーリの末っ子復活劇からは目が離せない。