2015年にセンサーや安全技術を得意とする米TRWオートモーティブ社を統合し、グローバルなメガサプライヤーの仲間入りを果たしたZF(ゼットエフ)AGの日本法人となるZFジャパンが、国内の大手自動車メーカー向け試乗会「Vision Zero Days Japan」を初開催。静岡県の富士スピードウェイおよび東名高速道路において、自動料金決済システム「Car eWallet」を組み込んだ電気自動車(EV)のプロトタイプや先端運転支援システム(ADAS)搭載のデモカーを使って同社の最新技術および製品を披露した。
開発パートナーであるIBM社のブロックチェーン技術を応用した「Car eWallet」は、車両のユーザー情報を安全に維持・管理し、有料道路や駐車場などさまざまな電子決済が可能に。さらにパブリック・クラウドサービス・プラットフォームを活用して、将来的にはカーシェアリング、給油や充電、配達サービスなどの料金支払いを行うネットワークの構築も進める。9月のフランクフルト・モーターショーで世界初公開されたこのプロトタイプ車両は、今回がドイツ国外での初披露目となる。
運転支援システムを搭載したデモカーは、ZF製カメラとレーダーの検知により、一般的な車間距離の保持や車線維持機能に加え高速道路上における分流(一部自動でのインターチェンジ流出)機能も搭載。ADASおよび自動運転機能に関しては、欧州と中国、アメリカおよび神奈川県横浜市の「ジャパン・テックセンター」が連携して開発を進めており、2018年より自動車メーカーの要望に応じたソリューションを提供していくとのことだ。