ETC2.0の活用で渋滞対策などを検討。流入車両の動きも分析
高速道路の通常のETCゲートに比べ、スマートインターチェンジのETC路側機(ゲート側の通信機)はシンプルな構造に見えるが、さらに簡便な「可搬式路側機」が初めて神奈川県の鎌倉市に設置され、ETC2.0によるクルマの動きの分析が始まっている。
鎌倉のメインストリートである若宮大路の海に近い地点(鎌倉市由比が浜2丁目)に設置された可搬式のETC路側機により、通行するクルマの動向をチェック。鎌倉市内に流入するETC搭載車両の数に加え、地域内におけるクルマの流れ(位置、速度、急ブレーキ、経路などのプローブ情報)などを収集することになる。すでに3月30日には稼働が始まっており、春休みや桜の時期の渋滞データが集まったと思われる。目の前のGWでもさらにデータが集まることが期待されている。
鎌倉の中心部は渋滞の名所であり、特に休日は季節を問わず混んでいる。今回、この地域が選ばれたのもそういった事情からで、クルマの流入を規制するエリアプライシングなど、渋滞対策を考える上でのデータを収集し、交通規制や信号の制御、道路空間の再編などに役立てていくことになる。可搬式路側機は道路標識の支柱などに簡単に設置できるので、この鎌倉での実験が効果的となれば各地で行なわれる可能性もあり、すでに同じ鎌倉の北鎌倉駅付近にも追加設置を予定している。ETC車載器に登録された個人情報が使われてしまうのが気になるところだが、こうしたETCの新たな活用法が渋滞解消にどの程度役立ったのか、その経過も忘れずに報告して欲しい。