志賀草津道路の名物のひとつ、雪の回廊
国内には富士山スカイラインの新五合目(標高2400m)や乗鞍スカイラインの畳平(標高2702m・一般車両通行不可)など、渋峠より標高の高いところまで通じている道も何本かある。しかし、同じ道を戻ってくるピストン道を除けば、この渋峠よりも高所をゆくのは川上牧丘林道の大弛峠(長野/山梨県境・標高2360m)だけしかない。
そんな志賀草津道路の名物のひとつが雪の回廊だ。冬季閉鎖の解除直後、例年4月下旬から5月中旬頃までに出会える〝季節限定の絶景〟である。
道の両側にそそり立つ雪の壁はときに7-8mもの高さに達する。まさに回廊状態となるわけだが、風の吹き抜ける稜線上などは積雪量が意外と少ないので、周囲の眺めは決して悪くはない。ただ、この時期は麓が雨だと峠付近は雪になることが多いし、早朝や夕暮れ時は雪解け水が凍結していることもあるので、それなりの注意は必要だ。
この志賀草津道路は人気の観光ルートだけに、連休や夏休み、紅葉シーズンにはけっこう混雑する。しかし、観光バスがやって来る前、午前10時頃までは比較的空いているから、走りや眺めをたっぷり楽しみたい人には早朝の時間帯がお勧めだ。奥志賀スーパー林道や県道66号(笠ヶ岳)など、枝分かれするルートにも魅力的な道が多いので、日中、道路が混み始めてきたら、さっさと移動して空いている周辺ルートを楽しむというのが正解だ。