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【試乗インプレ】仕事も遊びもこれ一台! ホンダ N-VAN

軽バンに新たな価値を生み出したホンダNバン。様々な職種の方から慕われる“働くクルマ”でありながら、趣味や遊びのシーンにももってこいのマルチビークルだ。2018年上半期も軽自動車販売台数トップを獲得したNボックス由来の軽バンだけに、その実力は侮れない。

商用車であり乗用車!? そのバランスが絶妙

1977年に登場した軽トラックT360を始祖とし、1979年にバンタイプが追加されたことで、 働くクルマとして長きに渡り愛されたアクティ。2018年7月をもって販売終了となったが、その後継モデルとして登場したのが、今回試乗の機会に恵まれたNバンだ。

プラットフォームは、2017年にフルモデルチェンジを果たし、同年の四輪車新車販売台数において3年連続第1位を獲得した2代目Nボックスと共有。FFレイアウトや軽量・高剛性フロアフレーム構造による低床設計などを活かしながら、軽バンに必要なフレーム補助をプラス。走行安定性や静粛性、乗り心地といった性能が大きく引き上げられ、乗用車並みの快適性がもたらされた。

助手席側はセンターピラーレス。荷物の積載が楽になるだけでなく、空間の自由度も広がり、様々な趣味や遊びをサポートしてくれる。

逆にパワートレインは商用ユースへと最適化され、必要十分な動力性能が確保されている。53㎰/64Nmを発揮するNAエンジンには、CVTと6速MTが組み合わされ、64㎰/104Nmを発揮するターボはCVTのみの設定となる。

NAエンジンにはCVTと6速MTの設定が用意され、ターボはCVTのみ。全モデルにホンダ センシングが標準装備される。

今回、同社が開発したVTEC(可変バルブタイミング・リフト構造)をNボックス同様に採用しなかった理由として、高回転域で高速道路を走るよりも、街中で停止や発信を繰り返す走行環境にアジャストしたからとのこと。もちろん、コスト面との兼ね合いもあっただろうが、その分、実用性の充実に寄与できたはずだ。

助手席、後席、荷室が段差なくフルフラットになるダイブダウン状態にすれば、最大スペース長は2635㎜となる(+スタイル以外)。

また、商用車の利便性と乗用車のファッション性をトレードオフせず、趣味性の高いクルマへと昇華された「+スタイル・ファン」「+スタイル・クール」グレードもラインナップされ、軽バンの新しい可能性も広げられている。

オプションの外部電源入力キット(36,720円)を選べば、キャンプ場などの外部電源設備から、車内にAC100Vを引き込むことができる。

仕事も遊びも全方位でユーザーを満足させるNバン。これこそ、軽バンの新機軸と言えるだろう。

 

リポート:佐藤 玄 G.Sato/フォト:篠原晃一 K.Shinohara/ル・ボラン2018年10月号より転載

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