国内試乗

全開にするとホイールスピンをするほどの加速を披露! 【国内試乗】日産リーフが、「eプラス」でさらに進化!

パフォーマンスアップしたリーフをサーキットで試乗!

電気自動車にとって最大のネックは航続距離の短さだ。このたび追加された日産リーフe+は、バッテリー容量の拡大で大幅なパワーアップと航続距離の向上を実現したモデル。そんな機動力と実用度が格段にアップした新型を袖ケ浦フォレストレースウェイで試した。

標準モデルよりも容量が22kWh多い62kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。これに伴ない車重は160から180kgほど増加している。

昨年の春にはリーフの国内累計販売台数がついに10万台を突破。グローバルでは30万台以上と世界でもっとも売れた電気自動車だ。そんなリーフに、新しいモデルが加わった。優れたエネルギー効率とさらなる高出力、高トルクを実現する新開発のe-パワートレインを採用し、パフォーマンスと航続距離を向上させた「リーフe+」だ。バッテリーは、バッテリーパックの密度を約25%向上させ、容量を55%アップ。JC08モードでの航続距離は従来モデルの400kmに対して570kmと40%も増えている。そしてモーターは最高出力が218ps、最大トルクが340Nmにアップしたことで、力強さを際立たせる。なんと80-120km/hの加速時間は13%減少しているという。

どの速度域からでも滑らかで力強い加速

実際、サーキットで試乗したみたところ、どの速度域からでも滑らかで力強い加速を実感できる。巡航からの再加速では、音や振動もなく、わずかなアクセル操作でスーッとクルマを前に押し出してくれる。コーナーの立ち上がりで全開にすると、簡単にホイールスピンを起こすほどトルクフルだ。

インテリアは従来モデルと同様。シートやドアトリム、ステアリングホイールなどに鮮やかなブルーのステッチが施されている。フロントシートはサイズも大きめで掛け心地も良好。試乗車のe+Gは本革仕様となる。

ちなみに、バッテリーは大型されているが搭載位置を工夫することで、室内スペースに違いはない。またリーフe+は、ねじれ剛性が従来モデルに比べて8%アップ。厚みが増したバッテリーに対応するため全高は5mm上がっている。ただし重心高は10mm下がり、車体ロール角は0.4G旋回時で5%減少しているという。

エクステリアはフロントバンパーの下にブルーの装飾パーツが備わる。それ以外は従来モデルと同一だ。

気になったのは燃費重視のタイヤのせいか、高速域のスタビリティがやや心許なかったこと。それを除けば加速のスムーズさと乗り心地、そして、静粛性は、高級車を凌ぐレベルにある。

試乗車のタイヤにはダンロップ・エナセーブEC300が装着されていた。

個人的にはボディ、サスペンション、タイヤをトータルでチューニングしたNISMO仕様の追加を期待したい。

 

【Specification】

■全長x全幅x全高=4480x1790x1545mm
■ホイールベース=2700mm
■トレッド=前1530、後1545mm
■車両重量=1680kg
■最小回転半径=5.4m
■乗車定員=5名
■モーター型式=EM57
■バッテリー種類=リチウムイオン
■バッテリー総電圧=350V
■バッテリー総電力量=62kWh
■最高出力=218ps(160kW)/4600-5800rpm
■最大トルク=340Nm(34.7kg-m)/500-4000rpm
■航続距離(WLTC/JC08)=458/570km
■最終減速比=8.193
■サスペンション形式=前ストラット/コイル、後トーションビーム/コイル
■ブレーキ=前後Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前215/50R17(6.5J)、後215/50R17(6.5J)
■車両本体価格(税込)=472万9320円

【問い合わせ】

日産自動車 0120-315-232 http://www.nissan.co.jp
リポート:下江優太/Y.Shimoe フォト:宮門秀行/H.Miyakado ル・ボラン2019年3月号より転載
LE VOLANT web編集部

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