しなやかで動きがキマる
ソフトライドなスポーツが可能
キネティックイエローにイナズマラインという、個性的なルックスで参加したウィッツ。目立っていたのは外観だけではなかった。新型専用の2インチアップコイルに、ビルシュタインダンパーを新型専用にリメイク。ダンパーに関しては、既製品でのセットアップを行っているショップがほとんどなのに対し、ウィッツは今回の取材会に間に合わせてきたのだ。代表の江頭氏といえば、ジムニー用のビルシュタインダンパーのセットアップに関して、JB23からその味付けが絶妙と定評があり、今回の車両もかなり期待しつつ試乗開始だ。
ブルーとイエローのサスペンションカラーは、このクルマがただ者ではないことの証だ。
ファーストメンバーの対策もバッチリ。ダウンブラケットと強化メンバーが装着済み。
まず、オンロード。江頭氏が行うセットアップの基本は、積極的に動かして衝撃を吸収するというもの。新型ジムニーでもこの手法がバッチリとハマり、乗り心地は良好。穏やかなステアリング特性はドライバーを選ばない。段差を越えた瞬間、一瞬柔らかすぎるのでは? と思うのだが、すべての衝撃が収束し元のフラット状態に戻っている。この動きは素晴らしい。実は、スポーツ走行できるのか? という疑問から、濡れたアスファルトで全開走行を行いドリフトを試みたのだが、抜群のコントロール性で走りが決まる。
もう、長さだけでダンパーを選ぶ時代は終わった。減衰力と特性が車のレベルを作るのだ。
ブレーキホースはロングタイプのメッシュホースで対策済み。ブレーキタッチも良好でストローク時も安心。
次にオフロード。しなやかなサスペンションは、路面状況が分かりやすく、タイヤが地面から離れる瞬間がつかみやすい。姿勢の制御がバッチリ効いていて、挙動が落ち着いているため、ドライバーの安心感が凄い。わざと多めにアクセルを踏んで、ジャダーを出そうとしても、路面とタイヤグリップの駆け引きのみで、車体は暴れない。このサスペンションは、ステージを問わず運転が上手くなった気にさせてくれる。短期間でここまでの仕上がりは驚愕だ。