パワフルかつ上質なトップグレードを追加
ホンダのグローバル戦略モデルのひとつである、コンパクトSUVにVTECターボ搭載モデルが追加。そのクラスを超えた走りや充実の機能装備といった、レベルアップぶりを公道試乗で確かめてみた。
日常使いに優れ、居住性もスタイリングも悪くないSUVは、国内のみならず世界的にも伸長を続けるカテゴリーだが、市場の成熟が進むにつれ、走行性能やハンドリング、安全装備といったプラスαが求められてきているようだ。
ホンダの世界戦略モデルであるコンパクトSUVのヴェゼルもその例に漏れないようで、スポーティなRSグレードの追加や5年目のビッグマイナーチェンジで鮮度を保ちつつ、新たにヴェゼル・ツーリングを追加してきた。
搭載パワートレインは、最高出力172psと最大トルク220Nmを発揮する、1.5L直4直噴VTECターボとCVTの組み合わせ。つまり、現行シビック・セダンと同型かつ同スペックだから、その走りのよさはタイヤのひと転がりから感じられる。
まず無段変速機にありがちだった、もっさりした発進で加速に違和感が伴うことがなく、豊かなトルクでリニアに車速をのせていく。キビキビしたハンドリングやクルマの動きに忠実なサスペンション、居住空間の高い静粛性は、これまで海外向け専用だったという強化ボディの賜物に違いない。
シーンを高速道路に移しても、その好印象は強まるばかり。SUVならではの視点の高さは、ロングツーリングの疲労感を和らげてくれるだろうし、もちろん先進安全運転支援システムの「ホンダセンシング」は標準装備となる。
燃費は軽快な走りとトレードオフとなるが、17.6km/L(JC08)ならSUVとしては悪くない。ハイブリッド車よりも燃料タンク容量を10Lアップしているところもきめ細かい配慮だろう。
当然、内外装も含めた装備の充実ぶりに応じて、それなりに車両価格に反映されているが、クラスを超えた「イイモノ」感は確か。目の肥えたベテランユーザーなら食指が動くこと間違いなしだ。