トヨタ

【国内試乗】新型センチュリーの全席に乗ってみた!

意外と運転が楽しい

運転してみると、音関係も乗り心地もこちらの方が快適。後席はリアタイヤのほぼ上であること、耳から近い位置にドアの切れ目があることから、運転席の方が有利なのは当然かもしれません。

アクセルもブレーキも極端な動きをしないようなリニアなセッティングにしてあるので実に自然でいい。他のクルマも同じ思想でセッティングしてくれるといいと思うのですが。

ドライブモードがノーマル、エコ、スポーツS、スポーツS+の4つもあります。センチュリーなのにS+も? とも思いますが、せっかくなので切り替えてみましたが、他のクルマほどモード間の差はないように感じました。でも一応応答性も変わるし音も若干勇ましくなり、ちょっと運転する気になります。それにしてもどんなときにこのモードを使うのか? 何やら急いでいるらしい後席の住人に、”わかってますよ、ちゃんと急いでますから”アピールするため? あるいは主を降ろして一日の乗務を終え会社や車庫に回送するときに、ちょっとスポーティに走ってみてストレスを緩和するためとか? なんて想像していました。

 

運転席からも助手席のセッティングを変更できる。

ボディへの映り込みが美しい

三度の水研ぎと鏡面仕上げまでして平滑に徹底的にこだわった塗装面は、映り込みがとてもきれいです。クルマに近づくと、歪みのない自分の姿、背景が目に入ります。これはこだわりの塗装とボディラインゆえのこと。知らず知らずのうちに心に響いているに違いないでしょう。湖面に映る逆さ富士を愛する日本人の感性ならではの部分だと思います。

このアングルだとサイドボディの「几帳面」がよくわかる。几帳面とは、平安時代の屏障具にあしらわれた面処理の技法だそう。一本筋の通ったきりっとした佇まい。このクルマの主の哲学もそうであってほしい。

トランクルームにはハンガーも備わる。ウエスやタオルなど運転手用お掃除セットをかけておくため。

にっぽん代表として輸出してほしい

これぞ日本人による日本人のためだけのクルマという感じのセンチュリーですが、だからこそにっぽん代表として輸出もして欲しい。それも数量限定で。少なくともにっぽん代表のトップである大使には乗って欲しいと思います。こんなに心と思想があるクルマは他にありません。

センチュリーの心を理解する外国人もきっといるはず。欲しいと思う人も多いんじゃないでしょうか。

 

取材・写真・文:大田中秀一

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