正式発表は9月のフランクフルト・モーターショー2019
5月8日、フォルクスワーゲンは同社のEVブランド「ID」シリーズ初の市販モデルが「ID.3」に決定したことを発表するとともに、同日から欧州市場で事前予約の受け付けを開始した。ドイツ市場での販売価格は3万ユーロ(約369万円)以下からで、事前予約者向けとして設定された3万台限定のスペシャルエディション「1stエディション」は4万ユーロ(約492万円)以下からとなっている。
ID.3は今年9月12日から開催されるフランクフルト・モーターショー2019でワールドプレミアする予定の、フォルクスワーゲンの次世代EVブランド「ID.」初の市販車。車名の「3」とは、これまでのロングセラーモデルである「ビートル」と「ゴルフ」に続き、フォルクスワーゲンにとって重要な3番目のモデルという意味合いが込められているという。さらにこの「3」という数字は、今後、前後の数字が付くモデルが登場することを表しており、すでにコンセプトカーとして発表されている「ID.CROZZ」や「ID.VIZZION」などの市販版と合わせて、同社では2025年までに20種類以上のEVを年間100万台販売する計画だ。
フランクフルト・モーターショー2019での正式発表前のため、欧州での予約受注発表の場ではボディにカラフルなラッピングが施されての披露となった。5ドアハッチバックのコンパクトボディは、さしずめゴルフのID版といった趣である。
ID.3のスペックに関する詳細はフランクフルト・モーターショーでの発表を待つことになるが、搭載するバッテリーは複数から選択できる模様。搭載するバッテリーによって、航続距離はWLTPモードで330〜550kmを実現する。1stエディションには中サイズのバッテリーが搭載され、航続距離は同モードで420kmとなる。また、1stエディションには、音声制御ナビゲーションシステムやヘッドアップディスプレイ、大径ホイールといった上級装備が付加されるとのこと。
注文予約はドイル、ノルウェー、オランダ、フランス、イギリス、オーストリアを含む欧州29の市場でスタート。2019年末には生産が開始され、2020年の中頃にはカスタマーへの納車が始まる見通しとのこと。同社では、その後年間で平均10万台以上をカスタマーに届ける見込みだという。