適度にスパイスの効いた、FRセダンを手懐ける。その瞬間こそ、505を所有する喜びだ
乗り心地はソフトでロールも深いが、リズムに乗って走らせることが楽しく、意外なほどハイスピードでコーナーを駆け抜ける。この瞬間こそ、プジョー謹製のダンパーセッティングやシートクッションを堪能できる至福の時だ。わかりやすい強烈な刺激ではなく、普段の乗り心地を犠牲にすることなく、バランスよくドライビングプレジャーを高めている点に好感が持てる。ホイールベースは504と同じだが、前席の形状変更。また604譲りのセミトレーリングアームを採用することで居住スペース、乗り心地とも向上している。つまり505はファミリーカーとしても大いに活躍してくれるのだ。
隣の芝生、ではないが際立つ個性があるわけではないので、他に心動かされる瞬間があるかもしれない。しかし、じっくり付き合うことで発見できる美点を、505は多数備えている。プジョー最後のFRセダンとなった505の魅力を、改めて確認する貴重なチャンスだ。
1990 PEUGEOT 505 GTi
車両購入価格:580,000円
プジョー度 ★★★★
実用度 ★★★★
ドロ沼度 ★★★
GTiと言えば”ホットバージョン”の代名詞だが、この時代はスポーティといった程度。刹那的な速さに溺れるよりも、永く付き合ってクルマの動き方やクセを覚え、スムーズに操る喜びに浸りたい。V6ではなく直4という点は、メンテナンスを考えると歓迎できる。
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