100ドロの醍醐味と言えば、一期一会を大切に本能の赴くまま、乗りたいクルマを購入する! に限りますが、今回は永遠の定番モデル、シトロエン2CV。一度乗ったらもう病みつき!?
シトロエン2CVとは?

シトロエン2CVは、1948年に誕生しフランス本国では1987年まで、ポルトガルでは1990年まで生産されている。40年以上にわたって生産され、シトロエンの歴史で最も販売されたモデルだ。4ドアのスタンダードモデルの他、後部を荷室としたフルゴネットや、リアにも2気筒エンジンを搭載した4WDのサハラ、ビーチカーのメアリなど様々なバリエーションが誕生している。
一度は乗りたい! を実現するチャンス

雨に歌いたくなる解放感:Cピラーにウインドーが設置された6ライトで、フロント、リアのウインドーも大きいため、車内は実に明るい。チャールストンでは取材車の黄×黒のほか、マールーン×黒などが用意されていた。
飛び出したヘッドライトや、極端に細いタイヤなどは現在の目で見ると明らかに異質であり、加えて深くロールするアシや、独特のシフト操作など、2CVならではのポイントを満載している。こんな個性的なクルマを好きモノが見逃すはずはなく、生産終了から20年以上経過した現在でも多くの愛好家を持つ。これだけを書くと、一部の熱狂的なマニアに支持されているように思えるが、2CVは“悪路でも籠に積んだ卵が割れない快適な乗り心地を実現し、女性でも楽に運転できるような簡潔な構造、操作性でなければならない”といった開発コンセプト持った大衆車であり、旧車趣味を始めるには最高の相棒なのだ。


前後ともに高い居住性:シートのデザインは、一見ホールド性が低そうだが、クッションが効いており体がシートに埋まるようになるためフィット感は抜群だ。後席もシート長、足元スペースともに十分なスペースが確保される。
走行性能については、602ccの2気筒エンジンを搭載し最高出力は29psというスペックから想像できる通り、決して速くない。しかしそんな先入観を持ってドライブしてみると、意外な程速い、と少し変な感覚に襲われる。実際はというと、高速道路の走行も難なくこなしてくれ、100km/h巡航も問題ない。そこまでスピードが乗るまでには多少時間がかかる、というのはチャームポイントとして受け入れたい。


機能美とはこういうこと:1本スポークのステアリング前方に備わるインパネで、スピード、燃料、走行距離、アンメーターがシンプルに表示される。シフト操作は独特だが、一度慣れてしまえば扱いやすい。ドアの開閉は、ウインドー下の開口部に指を入れてレバーで操作する。傾斜しているため高さがあるものは積みづらいが、奥行きがあるため収納スペースは意外と広い。
2CVはムダを削ぎ落とした結果、機能美のお手本となり多くの人に愛された
終始雨が降る中での撮影となったが、グラスエリアが広いためフロントシートはもちろん、後部座席でも2CVチャールストンはCピラーにウインドーが埋め込まれているためとても明るかった。晴れの日にソフトトップをあければ、解放感はさらに増すだろう。黄×黒のボディ色は雨に濡れてしっとりとした雰囲気も合うが、太陽が照りつければ、鮮やかな黄色がより華やかになるはずだ。


塗装や機関も問題なし:メッキパーツのコンディションは良く、剥がれている箇所などはない。エンジンは602ccでトランスミッションは4速M/Tとなる。最高出力は29psと物足りなさを感じるかもしれないが、高速巡航も不満なくこなす。ホイールはボディ同色にペイントされており、タイヤはミシュランを履く。グラスエリアが広く、またソフトトップのため、オープン状態の解放感は2CVの大きな魅力だ。
全長3930mmで全幅1480mmとコンパクトなサイズだが、室内スペースはしっかり取られている点も見逃せない。シートサイズは前席、後席ともに十分で、腰かけると体にフィットするように包みこんでくれる。この座り心地と、たっぷりとしたストロークを持ったアシとの組み合わせは、一度は体感したい。
大衆車であったため、多くの個体が安価に販売され、タマ数も豊富だったがそれはいまや昔話。永遠の定番モデルだが、乗ることの出来るチャンスは永遠ではない。「いつでも乗れるから、もうちょっと先でも……」なんて高を括っていると、後悔することになりそうだ。
1994 CITROEN 2CV CHARLESTON
価格●1,000,000円
レア度 ★★
シンプル度 ★★★★★
ドロ沼度 ★★

深いロールや独特のシフト操作。シンプルさを個性としてしまう魅力など、2CVは多くの人が一度は乗りたいクルマに上げる。「いつでも乗れるから……」なんて思っていると良好なコンディションのクルマは減少中なので、後悔したくない人は今すぐ飛び込むべし!

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