メルセデス・ベンツ

【徹底研究】600〜700万円台で考えるメルセデス選び!

アナタならどれにする? すべてのボディタイプが選べる

下は328万円のA180から、上は3539万円のメルセデスAMG S65カブリオレまで、幅広いモデルを揃えるメルセデスのラインアップ。中でも一番のボリュームゾーンでもあり、セダン、ワゴン、クーペ、オープン、SUV、さらにAMGモデルまで……すべてのボディタイプが選べるのが、この600~700万円台という価格帯だ。ここでは、各ボディタイプの代表選手を集め、そのキャラクターを徹底検証。さて、アナタならどれにする?

王道のセダンと大人のクーペ

平成のはじめの頃はSクラスにミディアムクラス、190Eといった大中小のセダン、ミディアムクラスのワゴンとクーペ、カブリオレのSL、SUVのGクラスというラインアップだったが、令和を迎えるこの30年あまりで数え切れないほどに車種が増えた。大中小のセダンが基幹車種として君臨しているのは変わりないが、FF系コンパクトカーだけでも5車種、SUVが7車種、クーペ/カブリオレが7車種、本格的なスポーツカーやミニバンなどもある。いつのまにかフルラインナップへと変貌を遂げて、選択が悩ましいほどだ。ここでは600〜700万円台で探せる6モデルをピックアップ。いったいどれを選べば幸せなカーライフを送れるのだろうか?

SEDAN
E200 AVANTGARDE

【SPECIFICATION】■全長×全幅×全高=4930×1850×1455mm■ホイールベース=2940mm■車両重量=1740kg■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1497cc■最高出力=184ps(135kw)/5800-6100rpm■最大トルク=280Nm(28.6kg-m)/3000-4000rpm■トランスミッション=9速AT■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ(F:R)=225/55R17:225/55R17■車両本体価格(税込)=7,210,000円

まず王道のセダンは、センター・オブ・メルセデスと言われるEクラスが選択できる。700万円台に収まるのは、3月の一部改良でBSG搭載の新エンジンを搭載したE200とディーゼルのE220dだが、今回は前者だ。従来のE200は2Lターボで184ps、300Nmだったが、新エンジンは1.5Lにダウンサイジング。トルクは280Nmへと微減したがパワーは184psを確保した。BSGのモーターが最大160Nmのアシストも行うので、パフォーマンスは2Lと同等以上だ。実際に走らせてみても従来のE200より活発なくらいでダウンサイジングされたのが信じられないほど。Eクラスのボディに対して余裕があるわけではないので、もう少し中間加速がもう少し鋭ければ……と思わないではないが、必要十分のレベルは超えている。アイドリングストップからの再始動が極めてスムーズだ。

先頃のマイナーチェンジで、E200セダン(ワゴンも)のエンジンは、BSG搭載モデルに変更。オプション満載のCクラスセダンなら、ワンクラス上のEクラスを選べるのだ。

最近のメルセデスのセダンらしく、乗り心地は快適だけれどコーナーではグッと踏んばって意外なほどスポーティでもある。古き佳きメルセデスのような重厚感はあまりなく、どちらかといえば軽快な乗り味なのだ。E200はそれなりに広々とした使いでのあるセダンであり、快適だけれどけっこうスポーティでもあるといったところ。乗用車の基本がここにある。

 

セダンとクーペ、同じEクラスでも乗り込んだときから気分がガラリと変わる。

COUPE
E200 COUPE SPORT

同じEクラスでもクーペになると乗り込んだときからして気分がガラリとかわる。シート座面と床の高低差が少なくなり、スポーツカーのように足を前に投げ出すスタイルになるからだ。それだけで断然スポーティでドライビングを存分に楽しもうという気分になる。

【SPECIFICATION】■全長×全幅×全高=4855×1860×1430mm■ホイールベース=2875mm■車両重量=1740kg■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1991cc■最高出力=184ps(135kw)/5500rpm■最大トルク=300Nm(30.6kg-m)/1200-4000rpm■トランスミッション=9速AT■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ(F:R)=245/40R19:275/35R19■車両本体価格(税込)=7,840,000円

E200クーペスポーツは新エンジンではなく2Lターボ。パフォーマンスは1.5Lターボ+BSGとさほどかわらないが、少し滑らかな感覚。ハイライトはやはりハンドリング。コーナーへ向けてステアリングを切り込んでいくとスッとミズスマシ的にノーズがインへ向いていくのが心地いい。それも自然な動きで無理がなく、ワインディングなどでは手足のようにクルマを操れる感覚がある。

流麗なルーフライン、サッシュレスウインドーとBピラーレスによる広い車窓、乗員が快適に過ごせる室内空間も魅力。E200クーペのエンジンは従来通り2Lを搭載。

ピュアスポーツやAMGのようにアドレナリンが瞬間沸騰するような熱さはないが、意のままになる操縦性をじっくり味わえる大人のスポーティクーペだ。

カブリオレかワゴンかライフスタイルに合うのは?

OPEN CAR
E200 CABLIOLET

簡単に言えばE200クーペスポーツからルーフを取り払ったのがE200カブリオレだが、これまた気分はまったく違う。初夏を思わせるような陽光のなか、オープンで走り出せばとてつもなく贅沢な気分になる。明るい色彩のマキアートベージュ/ヨットブルーのインテリアカラーが煌びやかで、優雅なカーブを描くダッシュボードも雰囲気がいい。クルマのコクピットは飛行機を意識したものが多いが、Eクラスカブリオレのそれはクルーザーのようだ。

【SPECIFICATION】■全長×全幅×全高=4830×1860×1430mm■ホイールベース=2875mm■車両重量=1830kg■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1991cc■最高出力=184ps(135kw)/5500rpm■最大トルク=300Nm(30.6kg-m)/1200-4000rpm■トランスミッション=9速AT■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ(F:R)=245/45R18:275/40R18■車両本体価格(税込)=7,500,000円

そんな気分だからあまり飛ばす気にはならず、ゆったりとクルージングしていると、E200クーペスポーツではやや物足りなさがあった2Lターボも十分以上に感じられるから不思議だ。4気筒ながら極めて滑らかなで静粛性も高く、カブリオレのために仕立てた特性に思えてくる。

スポーティでラグジャリーな雰囲気を持ちながら、大人4人がゆったりと過ごせるオープンモデル。約50km/hの走行中でも、約20秒でソフトトップを開閉できる。

乗り味にはいい意味での緩さがある。ボディ剛性は十二分に高く、路面に大きな凹凸があっても軋むなんてことはないが、少しフンワリとしつつも腰がある乗り心地はカブリオレにぴったり。今回はEクラスが3台登場したが、ボディスタイルでこれだけキャラクターがかわるのは驚きでもあった。

 

活動的なライフスタイルが似合うワゴン

STATIONWAGON
C220d STATIONWAGON AVANTGARDET

ステーションワゴンはコンパクトなC220dをチョイスしてみた。活動的なライフスタイルと低全高車の走りを合わせもつボディスタイルには、頼もしくて航続距離の長いディーゼルがよく似合う。最大トルク400Nmの威力はコンパクトなCクラスを日常域からキビキビと走らせる。最新世代のエンジンは力があるだけではなく、レスポンスにも優れるからドライバビリティがよくてじつに運転しやすい。

【SPECIFICATION】■全長×全幅×全高=4705×1810×1440mm■ホイールベース=2840mm■車両重量=1700kg■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1949cc■最高出力=194ps(143kw)/3800rpm■最大トルク=400Nm(40.8kg-m)/1600-2800rpm■トランスミッション=9速AT■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ(F:R)=225/50R17:225/50R17■車両本体価格(税込)=6,110,000円

Eクラスよりも小さいため、乗り心地は少し落ちるかと思いきやそんなことはない。高速域ではボディの動きに少し揺らぎがあってEクラスほどビシッとしていないのだが、それが不安定感を生み出したりせずに、絶妙な快適さに繋がっている。さすがはビッグマイナーチェンジで6500カ所も改良しただけのことはある。熟成感が高いシャシー性能を持っているのだ。

最大1480Lの大容量ラゲッジルームは床下収納も装備し、広いだけでなくフロアをフラットにすることで実用性も高いのがポイント。頑張ればEのワゴンにも手が届くかも!?

小さいのに中身は高度だというのがC220dステーションワゴンを選ぶ喜びになる。ただし、後席は座面が短くフィット感も今ひとつと居住性はあまり良くないので、そこを重視するならやはりEクラスを選んだほうがいいだろう。

人気のSUVにするか熱い走りのAMGか?

SUV
GLC 220d 4MATIC COUPE SPORTS

Cクラス相当にしておけばSUVにだって手が届く。それも満足度の高いスペックのディーゼル4WD、GLC220d 4MATICのクーペバージョンだって700万円台だ。車両重量はCクラスステーションワゴンに比べれば170kg重たい1960kgだが、ディーゼルだったら余裕はたっぷり。SUVボディになると静粛性がより高くなってエンジンの存在を忘れてしまうほどだ。

SUVらしい存在感を残しながらスタイリッシュなフォルムを実現するGLCクーペ。この価格帯なら通常の四角いフォルムのGLCやパワフルなディーゼルモデルも選択可能だ。

シャシーは背の高さを意識させない操縦安定性と快適な乗り心地がバランスしていて、これぞ現代の乗用車のメインストリームと言いたくなるほどレベルが高い。コンベンショナルなサスペンションで実現しているのも見事だ。クーペは後席があまり広くはないものの、ヘッドルームは心配するほど狭くはない。後席重視ならやはりEクラス相当にすべきだが、それなりには使える。また、ラゲッジルームはGLCよりも容量は減るものの、ボディ後端が伸びていることで奥行きはあるから案外と使い勝手がいいだろう。2人乗りでロングドライブに出かけるには最強の全天候型ロングツアラー・クーペといったところだ。

 

プレミアムカーでも熱く走りたい人にはAMG

AMG
CLA45 4MATIC

予算的にはAMGもギリギリ選択肢に入ってくる。現行ではメルセデスAMG CLA45 4MATIC一択。コンパクトな4ドアクーペに381ps、475Nmの飛び切り生きのいい2Lターボを搭載した過激なモデルだ。

【SPECIFICATION】■全長×全幅×全高=4670×1780×1430mm■ホイールベース=2700mm■車両重量=1610kg■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1991cc■最高出力=381ps(280kw)/6000rpm■最大トルク=475Nm(48.4kg-m)/2250-5000rpm■トランスミッション=7速DCT■サスペンション(F:R)=ストラット:4リンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ(F:R)=235/40R18:235/40R18■車両本体価格(税込)=7,980,000円■取材協力=ヤナセ市川支店(メルセデス・ベンツ市川)TEL047-378-7111

この世代のコンパクトメルセデスはアクセルペダルが妙に軽々しいのが気になるが、構わず踏み込んでいけば弾けるように加速。6000rpmオーバーまで一気に回り、バブッとレーシングカーのようなサウンドとともに電光石火のシフトアップをしながら突進していく。トンネルの中で全開加速を試すと、アーケード型レースゲームのような非現実感があって夢心地になる。

381ps/475Nmを発揮する2L 直4ターボエンジンに7速DCTを組み合わせ、4輪を駆動するAMGモデル。電子制御ダンパーなどの出来も秀逸。

サスペンションは硬いものの、初期に比べると入力の尖り感が収まっていて乗り心地は意外と悪くない。「4ドアだからいいでしょ」と家族を騙して(!?)購入しても大きな文句は出ないだろう。落ち着きのある伝統的なメルセデス・サルーンとは異質だが、これだけのパフォーマンスを小さなボディで破綻なくまとめあげ、高級感も合わせ持つのはさすが。プレミアムカーでも熱く走りたい人には持ってこいのモデルだ。

 

同じ600〜700万円台のメルセデスでも、改めて乗り比べてみるとこんなにも乗り味や気分が変わるものかと驚いた。多様性の広がり感が半端ないのが現代のメルセデスなのだ。個人的な好みで言えば、この上なく贅沢な気分にさせてくれたE200カブリオレに惹かれている。自分もフル4シーターオープンの優雅さが心に染みる年齢になってきたということだろう。

 

 

 

リポート:石井昌道/M.Ishii フォト:郡 大二郎/D.Kori ル・ボラン6月号より転載
石井 昌道

AUTHOR

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業不特定多数の業者からの大量電話をなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事
注目の記事

RANKING