ゴルフを凌駕するポロGTI
ポロは、ボディディメンション的に10年前のゴルフとほぼ同じ大きさになった。コンパクトカーとはいえ、Bセグメントの代表選手であるポロも6代目から全幅が1.7mを超え、5ナンバーから3ナンバーに移行。しかしクルマとしての進化を考えれば、もはやその物差しは不要かもしれない。
フォルクスワーゲンはMQBというプラットフォームをポロからパサートまで採用したことで、ゴルフとの差別化が難しくなったように見えるが、ポロは全長が短いぶん、ヨーイングの慣性モーメントを小さくできるため、つまりゴルフよりも軽くて安定性が高く、アジャイルな運動性能が与えられている。キャビンのサイズにこだわらないならポロはゴルフの弟分ではなく、ダイナミクスではMQB戦略のトップランナーといっていい。ポロの商品企画はGTIの投入でその位置づけを再定義しているように思える。
実際にポロGTIの印象は、一般道路、高速道路を含めて快適な乗り味を提供してくれ、サイズアップしたとはいえ、街乗りでの取り回しも良く、ファミリーカーとしての資質は十分に高い。残念なのはデュアルクラッチのDSGで、発進時の制御が少しもたつくことで、エンジンがあと500rpm伸びてくれれば申し分ないのだが。