現在はレプリカが「三菱オートギャラリー」に展示
三菱自動車のクルマづくりの起源である「三菱A型」が、日本の自動車の歴史に優れた足跡を残した名車として日本自動車殿堂の「歴史遺産車」に選定された。
三菱A型は、1917年夏に試作が開始され1918年11月に完成。1921年までに計22台が生産された。まとまった数量を見込みで生産・販売された三菱A型は、日本初の量産乗用車という扱いになり、日本の自動車工業史上意義深いクルマとして評価されている。
当時は自動車製造の専用工具、工作機が未整備の状態であったがハンマーや鏨(たがね)を使用した手作りにより第一号車が完成。ボディは木製で黒うるし塗りが施され、室内には高級な英国製の毛織物が使用されていた。当時は手本となる図面などなく、ガソリン機関や車体・室内の知識も生産経験もない技術者たちが幾多の困難を打破。国産自動車の生産が可能なことを実証した。
その設計は、当時の三菱造船(現・三菱重工業)神戸造船所が担当。現在の三菱自動車工業は、三菱重工業から1970年に分離独立している。現在、「三菱オートギャラリー」(愛知県岡崎市)には当時の資料を参考にして1972年に復元された「三菱A型レプリカ」が展示されている。
三菱オートギャラリーURL
https://www.mitsubishi-motors.com/jp/company/facilities/autogallery