ホイール

伝統を活かして未来を描く、RMP流のスポーツホイール「MID RMP 025F セミグロスメタリック/RMPレーシングR25」【ホイールカタログ2019秋】

日本のアフターホイール業界を支えてきたマルカサービスが己の理想像を追求しようと発進させた「RMP」に注目したい。リ・マスターピースという意味を持つRMP一連の製品群で、今、人気沸騰中の2×5本スポーク採用モデルを取り上げる。

RMPの勢いを象徴する2×5本スポークの布陣

あらゆる老舗ブランドがひしめき合う中で、この新興勢力は一歩ずつ人々の心を捉え始めているようだ。MID(マルカ・インテリジェント・デザイン)の勢いが今、猛烈に加速している。

伝統的な2×5本スポークをブラッシュアップした表情が随所に見て取れる。

母体となるマルカサービスは、ホイールを中心とするアフターパーツを40年以上にわたって日本に供給してきた老舗サプライヤーだ。アフターホイールを例に挙げると、国内に投入される年間1000万本近い製品のうち、その10%はマルカサービスによるものという。日本人の足を影で支えてきた存在といっていい。

スポーク間の股部分は3段階の面構成を持ち、そこからスポークはリムフランジいっぱいまで伸びやかに拡がる。「RMP」の鋳出ロゴも個性的だ。

そんなマルカサービスが、より日本市場にマッチさせた製品を自らで創り出す。こうした狙いを持って生まれたのがMIDである。製品開発の過程において国内外のあらゆるマイスターと手を組み、また最先端の生産技術を駆使してオリジナルホイールを生み出す。そうした中で、時間軸を超越して親しまれるような定番デザインを、MID流のセンスと技術を加えながら現代的にブラッシュアップしたカテゴリーがRMP(リ・マスターピース)だ。「傑作を再構築する」という意味合いを持つ。

今回は、RMPの中の注目株として025Fを取り上げる。ホイール界の王道にして普遍的デザインである2×5本スポークを、MID流に解釈したもの。一見で骨太い印象を植えつけながら、スポークサイドの削ぎ落としや、センターからリムフランジいっぱいにかけてラウンドしながら繋がっていくスポークなど、その造形は凝っている。先日、追加された新色のセミグロスガンメタ+リムエッジDC+ロゴマシニングカラーでは、角度を変えて見るたびディテールが奥ゆかしく訴えかけ、よりスポーティな印象を際立たせる。

025Fと同じ2×5本スポークを持ちながら、R25はよりレーシングな意匠を持つ。

その上でリムフランジに施されたダイヤモンドカットが実寸以上の大径感と、ひっそりとラグジュアリー性を訴える。1.5mmほどの文字が刻まれた「RMP」の鋳出ロゴも美しい仕上げだ。2×5本の安定感を保ちながら、実に新鮮な表情へと導いた。この025Fは17〜20インチの範囲で用意され、輸入車用をみると17、18インチが対応する。
さらにRMPが提案する世界を、よりスポーツに特化させたカテゴリーが今年3月に登場している。その名もRMP RACINGだ。このカテゴリーにも2×5本スポークを採用するR25というモデルがある。5つのボルトホールに対して、最適なスポーク配置を追い求めたがゆえの2×5本スポークが、無骨なブラックやガンメタポリッシュといった抑え気味の色調の中に潜む。その中で差し色のように入る赤色が、いかにもレーシング風情を感じさせる。

応力分散の観点から理想を描いたスポーク配置に、黒基調のシンプルな仕上げ。そこに入るわずかな赤色がスポーティムードを後押しする。

R25は15-18インチ設定で、その多くは国産車を想定したものだが、18インチは輸入車を見越したサイズが用意される。輸入車用ボルトやロングアダプター、ハブリングなどのオプションパーツも抜かりない。スポーツカーをより硬派に彩るのなら、絶好の銘柄だと思う。なお、7本スポークを持つR07も用意される。R07は15〜18インチ設定で、ホイールは鋳造製法を採用する。
RMPの製品展開は、矢継ぎ早に拡大中だ。伝統的なデザインは、王道がひしめき合う上に、あらゆるブランドが乱立するがゆえの難しさがある。その高い山へとあえて挑み、結果を残した。そのどれもが、リ・マスターピースの名に恥じないものばかりである。

ル・ボラン2019年12月号より転載
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