国内試乗

【国内試乗】「BMW 320d xDrive ツーリング Mスポーツ」待望のツーリングが日本上陸!

優れた燃費も期待でき、ロングランは得意中の得意だ

ただ、ツーリングは同じエンジンを積むセダンよりも車重が50kg上乗せされる。車検証記載の軸重から計算すると、前後重量配分は47:53と完全なリアヘビーになってしまう。そのため、前後のロールバランスが損なわれそうだが心配はいらない。むしろリアがドッシリと落ち着き、それにより得た安定性の余裕を操縦性に振り分けているかのようだ。ステアリングを切り込むと、操作の通りに素直に向きが変わる。320dはxDriveを組み合わせるのでフルタイム4WDとなるが、コーナー進入時はフロントへの駆動力配分がゼロに等しいのでFR感覚の走りが実現されているわけだ。

重量増加により、加速性能が損なわれる心配もない。2Lの直列4気筒ディーゼルは低圧ターボと高圧ターボを備えているので、アクセルを踏み込んだ瞬間から力強さの余裕を感じる。そして、1500rpmを超えると最大トルクは400Nmに達するだけに力強さが一段と盛り上がり、3500rpmを超えるとコォーンという吸気音にグォーンという排気音が重なり迫力さえ感じる。

しかも、最高出力は320iが積む2Lの直列4気筒ガソリンターボを10ps超える190psを得ているため、高回転域まで伸びのある加速が持続する。アクセルを踏み続ければ、低いギアなら吹け上がりの勢いで5000rpmまで引っ張ることも可能だ。とはいうものの、3速以上はそこまでブン回す意味はない。4500rpmあたりからパワーが頭打ちになるので、中回転域までのトルクに活用した方がいいからだ。

それでも、ツーリングに頼もしい走りをもたらす。一定速度なら低回転域が維持され、優れた燃費も期待できる。それだけにロングランは得意中の得意であり、天候の変化に対する耐性も強いため、休暇が待ち遠しくなるはずだ。

オプションのアンチ・スリップ・レールズは走行中にラバーが2mm上昇し荷物を保持する。

フォト=郡 大二郎/D.Kori ルボラン2020年2月号より転載
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萩原秀輝

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