
どこか癒し系のキュートな佇まい、標準モデルで200万円を切る価格設定など、トゥインゴを語る上でのキーワードはいくらでもあるが、その最大の魅力は“運転するのが楽しくなること”に尽きる。昨年のマイナーチェンジで、軽快な身のこなしに磨きをかけてきたトゥインゴを都内で走らせた。
俊敏な機動力はそのままに乗り心地を大幅に改善!
小さいことっていいことだ。軽いことって素晴らしい。小回り効くって最高! ルノー・トゥインゴを運転すると、そんな言葉が心の中から次々に溢れ出して来る。
そんなトゥインゴは昨年マイナーチェンジを受けて、外観の化粧直しとともに装備を充実。具体的にはルノーのアイコンとなるCシェイプのLEDヘッドライト&ウインカーを備え、前後バンパーを刷新。7インチのタッチスクリーンはスマホ対応となり、音声入力も可能となった。
そして日本仕様は6速ATを搭載する0.9L直列3気筒ターボモデルのみに一本化。今回試乗したのは、そのバリエーション展開として新登場した、キャンバストップ装着モデルである。
マイナーチェンジしてからのトゥインゴは、その見た目以上に走りが洗練された。エンジン出力は額面2psアップの92psとなったが、これについて正式なアナウンスはない。可能性としてはGT譲りのサイドエアインテークが標準化され、吸気温度を下げた効果かもしれないが、実質的には動力性能に影響を与えるものではない。
では、新型トゥインゴで何が変わったかといえば、それはずばり乗り心地だ。スポーティと言えば聞こえはいいが、段差を乗り越えた際にビシッ! というやや強めだった入力が、絶妙に和らげられていたのである。
モータースポーツ仕込みの技術がトゥインゴに活かされている
取り立ててダンパーの減衰力やスプリングレートに変更が加えられた印象はない。しかし、確実に路面からの入力は短時間で減衰されている。もしかしたらブッシュコンプライアンスが見直されたのかもしれない。
そして速度を上げるほどに、ステアリングのしっとり感が高まって行く。聞けば新型フロントバンパーのエアインテークはタイヤハウスへとつながっており、タイヤがかき乱す空気を整流する効果があるとのことだが、そんなモータースポーツ仕込みの技術がトゥインゴのようなスモールカーに活かされていて、なおかつ体感できることには驚いた。
そんな新型トゥインゴの電動キャンバストップを開け放って走ると、これが実に心地良い。フロントにエンジンを搭載しないことで得られる、すっきりとしたハンドリング。電動パワステは男手にも軽すぎず、しかし女性でも快適に取り回せる絶妙な重さが与えられている。
アイドリングストップからのリスタートは若干苦手だが、それを理解して早めにアクセルを踏み始めれば、リアエンジンのトラクションがスッと車体を押し進めてくれる。そしてそのままアクセルを踏み続けると、3気筒ターボが可愛いうなりを上げて、小さなボディは伸びやかに加速する。
街中最高! ボクは極度な方向音痴だけれど、トゥインゴに乗っていると道を間違うことさえもが楽しくなってくる。小さなボディと機敏なフットワークで素早いクルマの流れをくぐり抜け、4.3mのターニングサークルできびすを返す。こんな楽しさは、実用一辺倒な日本の軽自動車や小型車ではなかなか味わえない。さらにはフロントエンジンのライバルたち、フィアット500やフォルクスワーゲンup! にも負けない個性といえる。トゥインゴと一緒に都内を駆け抜けて、もう少し道に迷ってみようかしらと思うボクだった。
【Specification 】RENAULT TWINGO EDC Canvas top
■全長×全幅×全高=3645×1650×1545mm
■ホイールベース=2490mm
■車両重量=1040kg
■エンジン種類/排気量=直3DOHC12V+ターボ/897cc
■最高出力=92ps(68kW)/5500rpm
■最大トルク=135Nm(13.8kg-m)/2500rpm
■トランスミッション=6速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:ド・デオン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ドラム
■タイヤサイズ=165/65R15
■車両本体価格(税込)=2,106,000円
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ルノー・ジャポン 0120-676-365