2.5時間以内に結果がわかる新型コロナウイルス感染症の迅速検査システム
ボッシュはこのほど、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の迅速検査システムを開発したことを発表した。WHO(世界保健機関)の要件を満たしているこのシステムは、わずか2時間半以内に検査結果がわかるほか、10種類の呼吸器病原体の同時診断が可能だ。
このシステムはボッシュの子会社である「ボッシュ・ヘルスケア・ソリューションズ」と、北アイルランドの医療技術企業「ランドックス・ラボラトリーズ」との協働の成果で、わずか6週間で開発。現在の検査では患者に検査結果が通知されるまでに1〜2日を要しているが、このシステムなら所要時間を大幅に短縮できる。
ボッシュの迅速検査は、あらゆる医療機関で使用できる世界初の完全自動分子診断検査のひとつ。さらに新型コロナウイルス感染症に限らず、インフルエンザA型およびB型を含む他の9種類の呼吸器病原体についても、ひとつの検体から同時に検査することが可能だ。
「ボッシュの検査の特徴は、鑑別診断を提供することです。これにより、医師がさらなる検査に要する時間が節約できます。しかも信頼できる診断結果がすぐに提供されるので、医師は適切な治療をより素早く開始することが可能です」
と、ボッシュ・ヘルスケア・ソリューションズのマーク・マイヤー社長は語る。新たに開発した検査システムは4月からドイツで利用可能になり、その後、欧州の他の市場やその他の地域にも提供される予定だ。
さまざまな臨床試験の結果、ボッシュの検査は95%以上の精度で結果を提供。検体は、患者の鼻または喉から綿棒を使って採取し、検査に必要なすべての試薬がすでに収められているカートリッジをボッシュのVivalytic装置に挿入して分析。この分析装置は非常に使いやすい設計で、特別な訓練を受けていない医療スタッフでも確実に検査を実施することができ、24時間のうちに最大10種類の検査を実施することが可能だ。すなわち、100台の装置で1日あたり最大1000回の検査を行うことができるようになる。新型コロナウイルス感染症の拡大が勢いを増すなかで、提供できる検査施設はすでに限界を迎えつつある。ボッシュはこの検査システムにより、対応可能な検査件数の拡大に貢献していく。