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【海外試乗】「アウディA3スポーツバック」第4世代のコンパクト・フオーリングスが発進

昨年フルモデルチェンジを果たしたフォルクスワーゲン・ゴルフからやや遅れて、実質的な兄弟車となるA3も全面刷新、4世代目へとバトンタッチされた。兄弟車とはいえ、その出自はプレミアムブランド。ゆえに期待されるのはさらにハイクオリティな作りと走り。果たして最新アウディはどう応えてみせたのか。

全方位的にプレミアム度をアップ

今から四半世紀前に初代が登場したアウディA3は、フォルクスワーゲン・ゴルフをベースとしつつも、プレミアムコンパクトというワンクラス上の打ち出しが功を奏し、可処分所得にゆとりのあるややリッチなカスタマーを中心にセールスを伸長。その後、中国や北米向けの3ボックスセダンなどを加え、累計販売台数で500万台を超えるヒット作となっている。

エクステリアでの大きな特徴は、大型化されたシングルフレームグリルと、サイドを前後に走るエッジの効いたキャラクターラインだ。

4世代目となる新型のボディサイズは、全長が4343mm、全幅が1816mm、全高が1449mmと、従来型に対してわずかに長く、幅広い。ホイールベースは2636mmと変わりはなく、通常で380L、後席を倒せば最大1200Lの荷室容量が確保されている。

ボディサイズは基本キープコンセプトとなるが、従来モデルに対してわずかに長く広い。一方、空力特性(Cd値 )は0.28に改善。

プログレッシブデザインと表現される新型A3のエクステリアは、従来型から随分と進化しているように見える。フロントエンドのシングルフレームグリルは一段と大きく下方へ広がり、ハニカムメッシュによりさらにスポーティな風情に。Sラインの特徴となるアルミカラーのエアインテークフレームも、アグレッシブな印象を見る者に与える。LEDヘッドライトはデジタル化の象徴で、カメラと連動して対向車を幻惑させることなく前方を効果的に照射するマトリックスLEDもオプションで用意される。ボディサイドも表情は豊かで、ショルダーのプレスラインはヘッドライトからテールランプまで伸び、従来にも増してスタイリッシュな印象を際立たせる。

35TFSIの1.5L 4気筒エンジンは、48Vマイルドハイブリッドを搭載するEA211evoで、最大で100km走行あたり0.4Lの燃料を節約できる。

試乗車はトップモデルのA3 35TFSI MHEVで、ギアボックスは7速のSトロニックを搭載。いまだに「35」という数字は聞き慣れないが、1.5L 4気筒の最高出力は150ps、最大トルクは250Nmで、注目はゴルフVIIIと同じベルト駆動スタータージェネレーター(BSG)を持つ48Vのマイルドハイブリッドシステムを搭載していること。すなわち、A3のエンジンは最新のゴルフと共通のEA211evoとなる。

12.3インチのバーチャルコクピットはオプション、ダッシュセンターの10.1インチタッチスクリーンは標準装備となる。

同じくゴルフと同じMQBに構築された新型A3のシャシーは、フロントがストラット、リアが4リンクとサスペンションも基本的に共通で、試乗車にはオプションの225/40R18サイズのタイヤが装着されていた。ドライブモードをコンフォートにして走り出した第一印象は、スポーツタイヤを考慮してもゴルフよりはやや硬めなセッティングだということ。それでも路面がフラットなハイウェイだけでなく、やや荒れた一般路や山間路でも、まるでアイロンでシーツのシワを伸ばすようにスムーズな走行フィールを提供してくれる。もちろん、ダイナミックを選択すれば一層スポーティなハンドリングを楽しむことも可能だ。

Sトロニックのセレクターはアルミ製のトグルスイッチタイプに。

アウディの得意技である、路面からのインフォメーションを正しく伝えてくれるステアリングシステムは新型A3でも健在だ。加えて48Vのマイルドハイブリッドは、アイドリングストップあるいはコースティング時からのエンジン再スタートがきわめてスムーズで、快適なドライバビリティを失うことなく燃費向上を可能にする。このように、新型A3は個性あふれるデザインと進化したダイナミック性能でプレミアム度をさらにアップ。今回試乗した35TFSIは来年春をめどに日本への導入が決まっているモデルで、ドイツでのベース価格(MT車)は2万8900ユーロ(約345万円)と発表されている。

シートはスポーティでホールド性の高い形状となるが、クッションは柔らかく快適。

後席の居住性に従来から大きな変化はない。

フォト=アウディAG/AUDI AG ルボラン2020年6月号より転載

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