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氷上の電気レーシングカートの祭典で第1回自動車メディア対抗レースを開催

日本EVクラブが新たにはじめたSDGs ERK on AICE。持続可能なモビリティがテーマになっている現在、モータースポーツもそれが問われているが、ERK(電気カート)ならば騒音や排気ガスを出さないから都市部でも屋内でも開催可能であり、それを象徴するのがスケートリンクを走るということだ。ツルツルと滑るが、さほど速度を出さなくてもドライビングプレジャーを高めてくれる。さすがに普通のタイヤで走るのは無理なようでERKではピンを刺したスパイクタイヤが用意された。

「SDGs(持続可能な開発目標)に対応した新しい氷上電気駆動スポーツの提案」をテーマに掲げたこの新しい競技は、モータージャーナリストの舘内端氏(写真左)が代表理事を務める一般社団法人「日本EVクラブ」が主催。

練習走行では、タイヤのグリップがほどよく高く、大トルクを発生するモーターを右足でコントロールしてドリフトしながらも前へ前へと進んでいくので、想像以上に楽しめた。自分が乗らせてもらったERKは特別にハイパワーで速く、迫力満点だったのだ。これは楽しい! と思いながら、パシュート方式の競技に編集部ハギワラと挑む。

新横浜スケートセンターのフィギュア用リンクに右周りのオーバルコースを設定。

2チーム対抗で各チーム2台のERKを同時に走らせて、先に2台がゴールすれば勝ちというパシュート(団体追い抜き競技)のトーナメント戦だ。

初戦は手堅く勝ちにいけたが、練習のときよりもグリップが落ちているのを感じていた。2戦目ではさらにグリップダウンして、スピンしないようにするのがたいへん。あまりに楽しいので、タイヤを空転させすぎてピンが抜けていっているようなのだ。モータースポーツである以上、道具の使い方にも気をつけなければならない。何とかゴールまではたどり着いたが、ここで敗退となってしまった。

レーシングカートを電気モーターとインバーター、バッテリーに換装したゼロエミッションの「ERK(電気レーシングカート)」。スタッドレスタイヤにスパイクを打った氷上レース専用タイヤも装着。

とはいえ氷上でこれほどモータースポーツを熱く気軽に楽しめるのは驚きだ。パシュートだからチームワークも必要だし、氷の上では必ずしもハイパフォーマンスなカートが速いとは限らないから思わぬチャンスがあるのもいい。

モータージャーナリストと編集部員がタッグを組んだ自動車専門メディア8チームが参戦。

3周中にチーム内での前後交代と2台ゴールがマストとなる、速さと戦略が求められる知的ゲームだ。優勝はdriver誌の斎藤/大庭組。

日本EVクラブでは、全国のスケートリンクでこの競技を開催することを目指しているというから、興味のある人は目を光らせていて欲しい。

ホンダのふたり乗りフォーミュラーカーを電動化した「EV SIDE by SIDE」は、斎藤聡氏のドライブによるデモランを披露。メディア対抗の終了後には一般観覧者向けのERK試乗会や同乗走行も行われた。

日本EVクラブ http://www.jevc.gr.jp/

フォト:荒川正幸/M.Arakawa ルボラン2020年12月号より転載

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