2017年に登場したミツビシのエクリプス クロスがビッグマイナーチェンジ。フロントフェイスとリア回りのデザインが大幅に変更された。また、待望のPHEVモデル追加もニュースだ。
ディーゼルの代わりにPHEVモデルが登場
今回のマイナーチェンジでは前後のオーバーハングが伸ばされて全長を140mm延長。リアの上下2分割ウインドーが廃され、リアビューはややコンサバになった印象だ。そしてPHEV（プラグインハイブリッド）の追加によりクリーンディーゼル車はラインナップから消滅。エクリプスクロスのデビューから約1年後に追加されたディーゼル車はわずか1年半で姿を消してしまったことになる。
2分割リアウインドーが廃されてリアビューの印象は一変。
電動システムとリチウムイオンバッテリーの搭載により、車重1.5トン程度のガソリンターボ車に対し、試乗したPHEVは1980kgと400kg以上重くなっているが、実際に走らせてみるとさほど重量増は感じられない。2.4Lエンジンと前後輪に備わるツインモーターの低速トルクのおかげだろうが、加えて前後の重量配分は前54％、後46％と50対50に近づき、全長は伸びたものの全体のバランスはよくなっている。
充電給電口にはCHAdeMO対応の急速充電と200V/100V普通充電が並ぶ。
その成果は首都高速のような中低速コーナーが続くシーンで実感できる。重量配分のよさに加え、駆動用バッテリーを床下に積んだことで重心も低くなったせいか、2トン級とは思えない身のこなしを見せる。強めにブレーキを踏んだときの沈み込みがフラットで姿勢変化は小さく、モーターのトルクを生かした立ち上がり加速は素早く、緩急自在の走りを楽しめる。
直線が続く平坦な高速道路を延々と走るより、コーナーが時折あらわれるような道のほうが得意といえそうで、燃費はやや悪化するかもしれないが、後輪のトルクを強めるターマックモードを選べばさらに回頭性がよくなり、コーナーを攻める楽しさも堪能できる。
試乗車はオプションの本革シートを装備。床下にバッテリーを搭載したPHEVでも後席の居住性は損なわれていない。
価格はガソリン車より100万円以上高くなるPHEVだが、将来を見据えた電動化パワートレインと四輪を緻密に制御するS-AWCの機能、加えて現時点で22万円とされるCEV補助金を考えれば、満足度は十分といっていいだろう。
全長を伸ばしたことでラゲッジルーム容量は従来の341Lから395L（ガソリン車は405L）へと拡大。
自然吸気の2.4L MIVECエンジンを搭載。ハイブリッド燃費は16.4km／L、モーターのみの航続距離は57.3km（ともにWLTCモード）となっている。
【Specification】MITSUBISHI ECLIPSE CROSS PHEV P／ミツビシ・エクリプスクロスPHEV P（4WD）
■車両本体価格（税込）＝4,477,000円
■全長×全幅×全高＝4545×1805×1685mm
■ホイールベース＝2670mm
■トレッド＝前1540、後1540mm
■車両重量＝1920kg
■エンジン型式／種類＝4B12／直4DOHC16V+モーター
■内径×行程＝88.0×97.0mm
■総排気量＝2359cc
■圧縮比＝12.0
■最高出力＝128ps（94kW）／4500rpm
■最大トルク＝199Nm（20.3kg-m）／4500rpm
■モーター型式＝S61／Y61
■モーター最高出力＝前82ps（60kW）／後95ps（70kW）
■モーター最大トルク＝前137Nm（14.0kg-m）／195Nm（19.9kg-m）
■燃料タンク容量＝43L（レギュラー）
■バッテリー種類＝リチウムイオン電池
■燃費＝（JC08）18.6／（WLTC）16.4km/L
■サスペンション形式＝前ストラット／コイル、後マルチリンク／コイル
■ブレーキ＝前Vディスク、後ディスク
■タイヤ（ホイール）＝前後225／55R18
お問い合わせ
三菱自動車工業 0120-324-860
フォト＝宮越孝政／T.Miyakoshi ルボラン2021年2月号より転載
