キャデラックのパフォーマンスとクラフトマンシップの頂点に君臨する「CT5-Vブラックウィング」&「CT4-Vブラックウィング」
2月1日、ゼネラルモーターズはキャデラックの高性能セダン「VT5-V」と「VT4-V」に、サーキットトラックなどでのパフォーマンスをさらに追求したトップモデル「ブラックウィング」を設定したと発表した。米国では同日より予約受注がスタートし、車両価格は「CT5-Vブラックウィング」が8万4990ドル(約893万円)、「CT4-Vブラックウィング」が5万9990ドル(約630万円)からとなっている。
ブラックウィングは、レース活動で得たノウハウを活用し、キャデラックのパフォーマンスとクラフトマンシップの頂点に君臨するモデルに与えられた称号。これまでの市販モデルのなかで最もサーキットトラックにおけるパフォーマンスが追求されていると同時に、ラグジュアリーさや快適性の新たな基準を打ち立てているのが特徴だ。
ミドルサイズセダンの「CT5-Vブラックウィング」には、677ps/893Nmを発揮するスーパーチャージャー付きの6.2L V型8気筒エンジンを搭載。一方コンパクトセダンの「CT4-Vブラックウィング」には、478ps/603Nmを発する3.6L V型6気筒ターボエンジンを搭載。トランスミッションは専用セッティングが施された6速MTまたは10速ATを組み合わせる。
0-60マイル(約97km/h)加速タイムはCT5-Vブラックウィングが3.7秒、CT4-Vブラックウィングが3.8秒をマーク(いずれも10速AT車の値)。最高速はそれぞれ200マイル(約322km/h)以上、189マイル(約304km/h)以上におよぶ。
高水準のパフォーマンスを実現するべく、ハードウェアには多岐にわたって手が加えられている。CT5-Vブラックウィングでは、エンジンの過給器にコンパクトで高出力なイートン製スーパーチャージャーを採用したほか、エアインテークのエアフローをかつての「CTS-V」より46%改善。さらに、より強度を高めたシリンダーヘッドやチタン製インテークバルブなどのパーツが採用されている。
一方、CT4-Vブラックウィングではターボチャージャーのコンプレッサーをサーキットトラックでの走りに合わせて最適化を図るとともに、ピストンオイル調整装置によってオイルの温度制御を改善。冷却システムはマニフォールドに統合することで迅速なトルク応答に対応している。このほか、6速MT車にはさらにチタン製コネクティングロッドが採用された。
パワートレインの強化に伴って、ブレーキシステムも向上している。CT5-Vブラックウィングにはフロント398×36mm、リヤ373.5×28mmのディスクを、CT4-Vブラックウィングにはフロント380×34mm、リヤ340.5×28mmのディスクを採用。両車ともフロントにはブレンボ製6ピストンキャリパーを、リヤには4ピストンキャリパーを標準で組み合わせる。なお、CT5-Vブラックウィングではより軽量なカーボンセラミックブレーキパッケージをオプションで設定している。
タイヤはミシュランのパイロットスポーツ4Sを標準装着。タイヤサイズはCT5-Vブラックウィングがフロント275/35ZR19、リヤ305/30ZR19、CT4-Vブラックウィングがフロント255/35ZR18、リヤ275/35ZR18だ。
このほか、電子制御式のリミテッドスリップディファレンシャルや、第4世代版のマグネティックライドコントロールを採用したサスペンション、独自設計の中空スタビライザーバーを搭載するなどにより、サーキットトラックでのパフォーマンスを向上。ローンチコントロール機能やパフォーマンストラクションコントロールの設定は、カスタマイズ可能なデジタルメーターで操作可能だ。
内外装デザインの基本はベースモデルの「CT5-V」、「CT4-V」と同じだがオプションでカーボンファイバーエアロパッケージを設定。フロントスポイイラーやリヤウイング、リヤディフューザーといったパーツがカーボンとなり、エアロダイナミクス性能の向上に寄与する。