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これがKPGC110からの改造!?!?フジミ製プラモ「スカイライン2000GT-R」がワゴン1800スポーティGLへと華麗に転生!【モデルカーズ】

サーフィンライン閃く本格派ステーションワゴン

1957年、プリンスの高級セダンとして生まれたスカイライン。当時はトヨペット・クラウンに対抗するような、運転手付きで乗るタイプの高級車であったが、1963年の2代目からは車格をひとつ落とし、ファミリー向けのセダンとなった。この2代目において、レース活動に向けた2000GTというモデルも登場、以後長いことスカイラインは4気筒のファミリー向けモデルと、6気筒のGT系モデルの二段構えでその系譜を継いでいくことになる。

1972年にデビューしたC110系は4代目スカイラインとなるが、プリンスが日産に吸収されてからのスカイラインとしては3世代目にあたる。このC110系スカイラインが、「ケンとメリー」の巧みなコマーシャルによって歴代最大の販売成績を誇る人気モデルとなったことは、今さらあらためて語るまでもないだろう。次の5代目・C210型系へとチェンジするまでの5年間で、実に合計67万台を売り上げている。

むろん、いくら宣伝が良くても、クルマそのものが良くなくては売れる訳がない。2、3代目と徐々に強調されてきたスポーツイメージ、そして初代から継承されてきたゴージャスムード、そのハイレベルな融合こそケンメリ大成功の理由であった。豪華なムードは先代よりも若干大柄なボディと、よりアメリカンな印象を強めたボディスタイルからもたらされているが、機構的には先代C10系からほぼ変わりなく、L20型6気筒2Lエンジンに前ストラット/後セミトレのサスペンションという基本コンポーネンツ(GT系の場合)を受け継いでいる。

一方、4気筒モデルはプリンス直系のG型エンジン(1.6Lと1.8Lの2種)を搭載、サスペンションは前ストラット/後リーフリジッドとなるが、L型と違いクロスフローのG型は吹け上がりもよく、鼻先の短さによる軽快な走りから、GTよりむしろこちらを好むツウも少なくなかった。そんな4気筒エンジン搭載車の中でも、ひときわ異彩を放ったのが、前期型のみに存在していたワゴンである。2ドア・ハードトップと4ドア・セダンにはそれぞれ4気筒と6気筒モデルが用意されたが、バン/ワゴンは4気筒のみであった。

ワゴンは1800スポーティGLというグレードのみが設定されていたが、G18エンジン搭載モデルである点から、本格的スポーツワゴンを目指したモデルであることが窺える。ただし、排ガス規制の直撃を受けたこともあり、1975年のマイナーチェンジを機に4気筒モデルのエンジンはL型4気筒(L16/L18)へと変更され、同時にワゴンは消滅しバンのみとなってしまった。レジャー用にワゴンを購入したオーナーは、さぞ軽快な走りを楽しんだことであろう。もっとも、そのボディ形状から後方視界はあまり良くなかったようだが。

ここでご覧頂いているのは、このスカイライン・ワゴン1800スポーティGLを、1/24スケールで再現したプラモデルの完成品である。もっとも、いくらケンメリの人気が高くともワゴンのキット化など存在した訳はない。これはフジミ製ケンメリGT-Rをベースにワゴンへと改造した作品なのである。

貼って削っての加工にヒートプレスのルーフを組み合わせて
制作に当たっては、フジミのキットだけでなくカタログの図面を用意。スケールを合わせて拡大コピーし資料とする。まずはビニールテープで周りを保護した上でオーバーフェンダーをヤスリで削除。ボンネットを切り離し、ボディと一体のグリルも取り除いておく。そしてノーズを縮めるためフェンダーを切断、マスキングテープで位置を決めてピラニアソウで切り離す。実車の寸法差に合わせて短く削り、流し込みタイプの接着剤でガッチリと再接合。

4気筒と6気筒ではボンネット上面の形状が異なるので作り変える。まずバルジ状になった部分を切り抜き、抜いた部分に合うよう1.2mmプラ板を切り出してしなりをつける。裏面にプラ板で受けを付けつつ接着。ワイパーカウル部分も短縮、カットラインを描いて不要部分をナイフで切除する。ルーバーもレザーソウで切り込んで位置をずらした。この後1mmプラ板をワイパーカウル前面に接着。ボンネットは細長く切り出したプラ板を中央に貼って、盛り上がりの再現とする。

ホイールアーチが大きく空いたままなので修正する。いったんプラ板とプラ棒を接着して埋め、図面からアーチラインを書き込みナイフでカット、半丸ヤスリで整えた。ボディの断面形状に注意しながら削る。リアフェンダーもフロントと同じ要領で加工したら、リアエンドを切り離し、3mmプラ板を積層したブロックを接着。ボディを保護しつつ鉄ヤスリで削り、半丸ヤスリ等でボディの断面形状を崩さないよう注意しながら成形。さらにリアエンドに3mmプラ板を接着する。

いよいよボディ後半の造形に入る。カットラインを決めてテープを貼り、ルーフ後半とリアピラーを大まかに切断、ヤスリで切断面を整える。リアフェンダーが少し膨らんでいるのでプラ板で裏打ちしてから削り込んだ。後半部のルーフは木型を作り、1.5mmプラ板のヒートプレスで作って接着。さらに、ドアサッシ部を含んだサイドパネルを1mmプラ板から切り出して接着、余計な部分をヤスリがけして切除する。ピラー部分のドアラインを筋彫りし、クウォーターパネルの一段高い部分を1.5mmプラ板で作って接着。

リアウィンドウ下側の部分はプラ板を積層したブロックを接着、固着後にヤスリで削って成形、そこへさらに0.5mmプラ板を接着する。サイド部分も資料を見ながら仕上げ、各種プラ材でディテールを追加。リアガーニッシュ(ウッドパネル部分)は積層プラ材から削り出したが、これは塗装後に接着する。リアバンパー直前には膨らみがあるので、オーバーハング下部に0.75mmプラ板を三角形に切り出して接着し、ヤスリで整えて造形。ホイールアーチのリップもプラ板から切り出したものを接着し、削って形を作った。

ここまでの説明でボディの形が大体できたところだが、スペースの都合上、工程の説明はここまでとしておこう。ノーズ部分の説明を活かせば、バン/ワゴンだけでなく2ドアハードトップの4気筒グレードを作ることができるし、他社のキットの4ドアセダンを用いれば、4気筒のセダンを作ることもできるだろう。参考にして頂ければ幸いだ。

 

作例制作=周東光広/フォト=羽田 洋 modelcars vol.227より再構成のうえ転載
CARSMEET web編集部

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