多種多様なブランドを展開するウェッズにあって、F-ZEROというのは“切削鍛造”を持ち味とする。その新作であり輸入車へのマッチングをメインに据えたFZ-6を通して、その造形美と性能に迫る。
切削鍛造を追い求めるウェッズの新境地とは
多種多様な方向性を持つブランドを展開するウェッズのなかで、F-ZERO(エフ・ゼロ)ブランドが発足したのは2019年のこと。“F”はフォージド(鍛造製法)のことを示し、次ぐZEROというのはウェッズにとって「ゼロからのスタート」という意味を持たせたという。スーパーGTを筆頭とするレーシングホイールや、またウェッズスポーツなどで鍛造製法を駆使してきたウェッズが提案する新境地として、鍛造のなかでも“削り出し鍛造”で理想像を突き詰めようとした。
高品質な6061-T6アルミ合金を用いた鍛造ビレットを、コンピューター制御されたマシニングセンタで削って仕上げる一連のF-ZEROシリーズは、そのどれもが彫刻のような意匠と高い工作精度を持っていて、なおかつ軽量、高剛性ホイールとなった。
初陣として登場したFZ-1、FZ-2からはや5年あまり。年を追うごとにバリエーションが拡大して、新作はFZ-6となった。今作はボルト(ナット)ホールを起点にして二手にわかれていくような10本ツインスポークだ。その股部にはウェイトレスホールを設けて軽量化を促進する。また各スポークは極限まで細く取り、リムエンドに突き刺さるように着地していく。センターパート付近のコンケーブもまた特徴的で、この立体的な造形は見る角度によって様々な表情を浮かび上がらせる。と、随所に削り出し鍛造らしい設計手法が宿る。いかにもスポーツホイールらしい意匠であり、装着するクルマや光の当たりかたによってはドレッシーにも感じる。サイズごとにすべて重量が公開されており、いずれも軽量に仕上がっていることも特徴だ。
削り出し鍛造の質感を強調させるのならブラッシュドで、複雑な造形がもたらす陰影を強調させるのならハイパーブラック系塗装を使うダイヤモンドブラックがいい。車種やボディカラー、さらに好みに応じて選ぶことができる。
車種といえばFZ-6は、F-ZEROブランドとしては初めて輸入車を中心に据えたサイズラインナップを敷く。その範囲は18~21インチ。メルセデスやBMW、アウディといった主要ドイツメーカーに狙いを定めつつ、ボルボやMINI、テスラなど個性派も網羅する。長らく国産車のカスタムシーンを支え、輸入車へと羽ばたいたウェッズなだけに「輸入車を中心に据えた銘柄」という新しい挑戦を素直に応援したい。特にSUV勢に注力するあたり、近年の時流を的確に捉えていると思う。
かねてよりウェッズはクレンツェやマーベリックといったマルチピースブランドを持って、サイズオーダーを可能とする利便性を活かして国産車ばかりか多種多様な輸入車へと挑戦してきた。今ではそのマッチングノウハウは膨大だと聞く。矢継ぎ早に市場投入される新型車との“追いかけっこ”は絶え間なく続いているが、その努力を絶やすことなベストマッチングを導き出しそうとするのがウェッズという企業だ。単に装着を可能とするだけではなく、耐荷重性能を充分以上に満足させながら、ヴィジュアルの面でも突き詰めていく。製品そのものの性能や品質はおろか、肝心かなめのマッチングについてもトコトン追い求める。こうした努力が織りなす品質と、日本らしいサービス精神こそが、よりFZ-6をより魅力的に浮かびあがらせているのだと思う。
WEDS F-ZERO FZ-6
◎サイズ/価格(税込)
18inch×8.0〜8.5J)/78,650〜90,750円
19inch×8.0〜8.5J/88,000〜100,100円
20inch×8.5J/104,500〜115,500円
21inch×9.0J/121,000〜132,000円
◎カラー
ブラッシュド、ダイヤモンドブラック
◎対応車種
メルセデス・ベンツ/BMW/アウディ/ボルボ/テスラ/その他国産車等
問い合わせ先=ウェッズ TEL︎03-5753-8201 https://www.weds.co.jp/