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クルマ+自転車=6輪生活のススメ。「ブロンプトンの折りたたみ自転車」【Style in motion #187】

クルマよりも気軽に乗れて、万人に愛される乗り物……それが自転車だ。ここでご紹介するブロンプトンは、1975年イギリス発の知る人ぞ知る老舗折りたたみ自転車ブランド。新たに最軽量となるチタン製モデルをラインナップに追加し、これまで以上に持ち運びに便利となった。クルマに積んで目的地でサイクリングも楽しめる6輪生活もオススメだ。

風薫る季節、気分は自転車だ。調べてみれば昨年もこの時季、自転車を紹介していた。もはや風物詩にもなっている。前回はeバイクだったのに対し、いま気になるのが小径折り畳み自転車だ。
eバイクの楽チンな利便性に対し、こちらはより気軽にスポーティなライディングを楽しめる。モールトンを頂点に数多くモデルがあるが、なかでも人気の高いブランドがイギリスのブロンプトンだ。
元コンピューターソフトのエンジニアだったアンドリュー・リッチーがそれまでとは異なる造園設計の仕事に就き、自然の大切さを実感する中、環境にも優しい自転車に興味を抱いた。そこで一念発起し、1975年にオリジナルの小径折り畳み自転車を作り上げたのだった。こうしたくだりは、ミニクーパーのサスペンション開発にも参画したアレックス・モールトン博士が、1950年代のスエズ騒乱による石油危機から自転車に注目し、ミニにも車載できる小径自転車のモールトンを開発したのにも似ている。始まりは手作りのガレージメーカーであり、イギリスの伝統なのかも知れない。


ブロンプトンの特徴は、走行性能、コンパクト、耐久性の高いバランスにある。小径ながらふらつくことなく、長距離も快適に走ることができる。これを実現するのが低重心の三分割フレーム構造で、一定のホイールベースを確保しつつ、折り畳めばよりコンパクトになり、保管や携行性も優れる。さらに折り畳み機構やヒンジ位置を最適設定することで、乗車時の荷重や衝撃が一点に集中せず、耐久性も高い。これもリッチーがエンジニアであり、ハンドメイドを通して修正を重ねた経験則の設計だからだろう。その基本スタイルは、登場から約半世紀を経た今も変わらない。
熟成とともに技術革新を注ぎ、最新作はチタンとカーボン、アルミを採用し、最軽量の7.95kgを実現した。基本デザインはそのままに、太く強化したメインフレームや新設計のカーボンパーツなど内容は別物で、フラッグシップにふさわしい。
最近では海外からの旅行者が都内散策に自転車を利用することも珍しくないという。ブロンプトンなら水上交通も利用でき、疲れたら帰りは公共交通機関を使うことだってできる。車載に適するのはいうまでもない。駐車後の足にもなり、ドライブの目的もさらに広がるに違いない。実用的な移動手段としてだけでなく、日常をさらに楽しくする。そんなスマートな6輪生活をもたらしてくれるのだ。

【Items】BROMPTON BYCECLE

T Line ¥852,500(税込み)〜/創設者のアンドリュー・リッチーが1975年に開発した、3つ折りの折りたたみ自転車は、20秒以内にコンパクトなパッケージに折りたたむことが可能。オリジナルから、洗練を重ねて今なお最高のパフォーマンスを発揮する。最新モデルのT-Lineは、高い強度を誇るチタンを採用し、これまでで最軽量の重さ7.95kg(Urban 4速)を実現。サドルやシートポストなどの各部に精密にカーボン素材を多用し、細部に宿る美しさと、究極の乗り心地を実現。

P Line ¥441,100(税込み)〜/チタン製リアフレームとフォークを採用し、20%の軽量化とさらにスムーズな乗り心地を実現したミドルモデル。シートポストを半分までロックした状態で、押して移動することも可能。

C Line ¥260,150(税込み)〜/今も続くオリジナルデザインでオールスチール製のCライン。ブロンプトンの中で最も幅広いカラー展開やアクセサリーを揃える。重量は11.26kg~。

問い合わせ先:ブロンプトンジャパン support@brompton.co.uk https://jp.brompton.com/
※実際の商品は仕様が異なる場合があります。

 

ルボラン2024年8月号より転載

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