ローマの地で放った圧倒的存在感
ランボルギーニは、2026年4月16日から19日にかけてイタリア・ローマで開催された第1回「アナンタラ・コンコルソ・ローマ(La Dolce Vita delle automobili)」にて、最新のレストア車両である1972年型「ミウラSV」を披露した。
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3年の歳月を経て新車状態に蘇った1972年型「ミウラSV」
このイベントは、ローマの歴史的建築物を背景に、世界中のクラシックカー・コレクターや愛好家が集うものであるが、ランボルギーニは同会場にて、初のスーパーカー誕生から60周年という節目にあたる今年、同社のヘリテージ部門であるポロストリコがレストアと認定を行った1972年型ミウラSVを公開したのである。
このミウラSVは、ポロストリコによる3年間の綿密な作業と歴史的調査を経て、新車当時のオリジナル仕様へと復元された個体であるという。車両の真正性と歴史は同部門によって証明されており、カジーナ・ヴァラディエを舞台に一般向けに公式発表された。4月18日には、ジャーナリストや顧客、愛好家に向けて正式なお披露目も実施された。
歴史上初のスーパーカーの最終進化形とも言えるこのモデルは、あらゆる段階において厳密な歴史的・文書的調査を行うポロストリコのアプローチによって息を吹き返したのであると、ランボルギーニでは説明している。
細部のさらに先まで正確に
同車両は2023年末にサンタガタ・ボロネーゼに持ち込まれた際、オリジナルの仕様とはかけ離れた状態であったという。製造時の記録(シート)を出発点とする徹底した調査により本来の特徴が確認され、フロントのグリルからドアハンドル上部のフィンまで、エッジの丸み、さらには当時の法規に適合したリアルーバーに至るまで、細部が正しい仕様へと戻された。
機能面でも、八角形のセンターロック式ハブが修復され、伝説的なテストドライバーであるボブ・ウォレスにちなんだ「ボブ・タイプ」のエキゾーストチップが装着されている。
インテリアの再生も慎重に行われた。エアコン装着のための機能の復元から始まり、ハザードランプの再設置、より小径のステアリングホイールへの交換、そして延長されたハンドブレーキレバーの装着などが実施された。外装色は「ルチ・デル・ボスコ(ブラウン)」、内装は「セナペ」カラーの組み合わせである。
このブラウンの塗料は時代やモデルによって進化していたため、製造年に合致する正確な色調を特定するべく、さらなる歴史的調査が求められたという。
メーカーの歴史的遺産を守る取り組み
ランボルギーニのアフターセールス責任者であるジュリアーノ・カッサターロ氏は、同社の歴史的遺産を保存する取り組みについて次のようにコメントしている。
「アナンタラ・コンコルソ・ローマへの参加は、ブランドの歴史的遺産と、その真正性を保つために日々行っている取り組みを向上させる重要な機会となります。ブランドの遺産の公式な管理者であるランボルギーニ・ポロストリコだけが保証できる歴史的基準に従い、このミウラSVを、本来のアイデンティティと、時を経ても色褪せない価値へと回帰させるレストアを完了できたことを、誇りに思います」
『ミニミニ大作戦』に使用されたミウラもアワードを獲得
会場にはメーカーとしての参加に加え、別々のオーナーによってコンクール・デレガンスにエントリーされた3台の歴史的なランボルギーニも姿を見せた。1980年代と1990年代のスポーツカーを対象としたクラスXVには2台の1989年型「カウンタック25thアニバーサリー」が、クラスXIVには1968年型「ミウラP400」がエントリーしたのである。
中でも参加者の関心をさらったのは、1969年の映画『ミニミニ大作戦(原題“The Italian Job”)』の有名なオープニングシーンに登場したミウラP400だ。この車両は撮影で実際に破壊されたという説が広く知られていたが、実際には破壊されておらず、長年の謎を経て映画公開50周年にあたる2019年にポロストリコによるレストアと認定が行われ、素性が確認された個体である。
当時この車両は映画撮影に合わせて販売時とは異なる状態に改造され、オリジナルのシートを保護するための黒いシートの装着(固定式の白いヘッドレストはそのまま維持)などが行われていた。
今年で誕生60周年を迎えるミウラは、このコンクールでも改めてその価値を証明した。この車両は見事クラスXIV(※同クラスは1960年代〜70年代のスポーツ・グランドツアラーを対象)で1位を獲得し、世界初のスーパーカーとしての歴史的意義を再び強調する結果となった。また、映画界と強い結びつきを持つ車両に与えられる特別賞「ラ・ヴェットゥーラ・ディ・チネチッタ」も同時に受賞している。
【ル・ボラン編集部より】
最新のV12旗艦「レヴエルト」が隆盛を極める今、原点たるミウラの完璧な再生には深い意味がある。横置きV12という奇手で「スーパーカーの定義」を決定づけたこの名車は、もはや単なる過去のクラシックカーではない。ポロストリコが3年の歳月を費やし、幻の塗装や当時の排気管まで徹底的な時代考証で再現した執念。そこからは、自らの系譜を神話化し、ブランドの不可侵な価値として後世に焼き付けようとするランボルギーニの強烈な意志が透けて見える。これは単なるレストアを超えた、歴史と魂の継承である。
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