LE VOLANT モデルカー俱楽部

実車の“佇まい”を引き出すサス調整と見えないトランクの造作術。フジミ製「ヨタハチ」プラモをイマドキ流の作り方で仕上げてみよう! 第5回【LE VOLANT モデルカー俱楽部】

仮組みしない仮組みとは…?

フジミ(旧ニットー)のヨタハチを現在ならではの作り方で組み上げてみよう、という当連載。ボディ周りの細かな加工を行った前回に続き、5回目となる今回はトランクルームの作り込みと、シャシーの塗装・調整・組立である。

【画像23枚】ニットーからのリリース当時とても意欲的だった内容をさらに輝かせる工作の詳細!
■フジミ製「ヨタハチ」プラモをイマドキ流の作り方で仕上げてみよう! 連載記事一覧はこちら

トランク内再現をさらにリアルに!

このキット、1/24スケールのカープラモとしては珍しく、トランクリッドが開閉式になっている。シャシーにトランクのフロアはあるが、ボディ後端の裏側までは届いておらず、またトランク左右と後方の壁もない。そのため完成後は、ボディ裏面が剥き出しのままになってしまう。

そこで、0.5mm厚のプラ板を現物合わせで切り出してフロアを延長し、左右と後方の壁を自作した。それでも後端にはボディ裏の一部がわずかに露出するが、黒く塗れば目立たないので、隔壁の一部を切り欠いて逃している。

この加工のせいで、ボディとシャシーの合体に不都合が生じた。本来はシャシー前側を先に入れて、後側をあとから入れるのだが、延長したトランクフロアがボディ後端の裾に干渉し、入らなくなってしまったのだ。もともとトランクフロアが短くできていたのは、これが理由だった。

トランクフロア後端を延長したせいで、シャシーがボディに入らなくなってしまった。この状態で干渉しているシャシー前端のホイールハウスとボディのバランスパネル後端を0.5mmずつカットして、後ろを先に入れても干渉しないようにした。

これを解消するために、シャシー前端のホイールハウス隔壁を0.5mmほど削って詰め、ボディ側のバランスパネルの裾も0.5mmほど削って余裕を作り、先に後ろを入れて後から前を入れることができるように改めた。

ドライブトレインの組み立てには独特のコツが

シャシー本体の工作が終わったら、次はサスペンションだ。通常は仮組みで車高やトレッド、車体姿勢などを確認・調整するのだが、このキットのサスペンション部品は非常に繊細なモールドのわりに合わせ精度があまり高くないため、仮組みには不向きである。

そこで、部分ごとにある程度、部品を接着してユニット化し、塗装してから車高などの確認・調整をしつつ取り付けることにした。これは旧い金型のキットを組む時にしばしばおこなうやり方だ。

結果的に、前サスペンションはそのままで大丈夫だったが、後サスペンションはリーフスプリングとダンパーの上側にプラ板で自作したスペーサーを噛ませて、0.5mmほど車高を上げた。またリーフスプリング前側のモールドを少し削って、車軸の位置を約1mm前に寄せた。

これでシャシー下側の組み立てはほぼ終わった。こうして飾ると、レストア途上の実車のようで、ちょっと楽しい。

なお、排気系は前後サスペンションよりも先にシャシーに取り付けておく必要がある。排気系はエンジンと一体モールドだが、前サスペンションの取り付けの際にエンジンが邪魔になるので、切り離して別体にした。エンジンの取り付けもこの方が楽にできそうだ。

ところで、シャシーの部品の塗装はおおむねキットの説明書に従ったのだが、出来上がってみると少々違和感がある。現存車両の多くはこんなにシルバーの部分は多くないのだ。そこで、次回以降に下回りに塗装を追加してエイジング的な表現を加えてみようと考えている。

次回はエンジンの作り込み、インテリアとトランクルーム内部の部品の取付をおこない、シャシー側を完成させる予定だ。どうぞお楽しみに!

【画像23枚】ニットーからのリリース当時とても意欲的だった内容をさらに輝かせる工作の詳細!

北澤志朗

AUTHOR

カーモデルを中心に模型専門誌で活躍するプロモデラー。実車に対する深い造詣に裏打ちされた作品・解説で幅広く支持を得ている、この道30年以上のベテラン。過去には模型店を経営していたことも。

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