46分間で17.503kmもの距離をドリフト! 前回を大幅に上回る記録で、「ポルシェ・タイカン」が氷上での新たな記録更新
ポルシェは、電気自動車による氷上連続ドリフト走行最長記録でギネス世界記録を樹立した。「タイカンGTS」のステアリングを握ったインストラクターのイェンス・リヒター氏は、コントロールされたオーバーステアで合計132周を走破。46分間で17.503kmを走破した。この新記録により、ポルシェの電動スポーツカーは4つめのギネス世界記録を達成した。
ポルシェのパフォーマンスと世界観の体験させてくれる「ポルシェ・エクスペリエンス」のインストラクターである、イェンス・リヒター氏がステアリングを握った記録挑戦は、2025年1月14日(火)の午後、困難な外的条件の下で開始された。「ドリフトするタイカンの極端な連続荷重の下で、氷のトラックは予想以上に早く悪化しました。そのため、最初の挑戦は約11kmの地点で中止せざるを得ませんでした」と、彼は語った。
前回の記録を大幅に上回る
2度目の挑戦では、チームは短いスパイクに履き替え、暗くなるにつれて氷の温度が再び下がったことを利用し、この試みは成功し。リヒター氏は、スロットルとステアリングの介入のみで、17.503km(132周)にわたり、標準のタイカンGTSを制御されたドリフトにとどめた。この距離で、リヒター氏は電気自動車による氷上ドリフト最長記録を達成し、従来の記録14.809kmを大幅に上回った。
「氷上でのギネス世界記録樹立により、タイカンはその横方向への走破性を再び証明しました。しかも今回は全輪駆動で。タイカンGTSが過酷な条件下でもこれほどうまくコントロールできるという事実は、その優れたシャシーとバランスの取れた性能を物語っています」と、彼は喜びを語った。
ギネスワールドレコーズの公式審査員の監修のもと、走行は北極圏の北約150kmに位置するフィンランド最大のスキーリゾート地「レヴィ」にある「ポルシェ・アークティックセンター」の氷上コースで行われた。記録に挑戦するため、ポルシェ・エクスペリエンスチームは直径59mのドリフトサークルを作った。タイカンGTSの両アクスルには、市販のミシュラン製1mmスパイク付きタイヤが装着され、記録への挑戦が成功したのだという。
車両には、ルートを正確に測定するためのプロ仕様のGPS測定装置が装備された。これは走行距離を記録するだけでなく、ステアリングホイールの動きやアクセル、ブレーキといったドライバーの動作、車両に作用したGフォースも記録するものだ。
【写真12枚】ポルシェの4つめのギネス記録は、氷上ドリフト!
ギネス・ワールド・レコーズの公式審査員としてカール・サヴィル氏が参加。その後、サヴィル氏がドライバーのリヒター氏と、ポルシェ北極センターのマネージングディレクターであり、ポルシェAGのポルシェ・エクスペリエンス&ニュープラットフォーム部門の責任者であるクリスチャン・レーヴァルト氏に、記録証を授与した。
「私たちのエクスペリエンス・マーケティングのアプローチでは、常に珍しいことに挑戦しています。ポルシェ・アークティックセンターには、氷上でのドリフト走行に最適な条件が揃っています。新型タイカンGTSは、市場で最もパワフルな電気自動車のひとつですから、この組み合わせなら世界記録を更新できると確信し、挑戦を引き受けました」、レーヴァルト氏はコメントした。
タイカンのギネス世界記録タイトル
新たな最高性能を達成した電気スポーツカーは、4つのギネス記録証を保持している。ひとつめは2023年、ポルシェは新疆ウイグル自治区とチベットを結ぶルートで「タイカン・クロスツーリスモ」を走らせ、新たなギネス記録を樹立した。標高5,573mで、電気自動車による最大の高度変化を達成した。
ふたつめは2021年、米ルイジアナ州ニューオーリンズの展示会場で、レーシングドライバーのレハ・キーンが「ポルシェ・タイカン」を時速165.1kmまで加速させた。これにより彼は、密閉された建物内で車両が走行した最速記録を樹立。
そして3つめが2020年、ポルシェ・エクスペリエンスのインストラクターであるデニス・リテラ氏が「ポルシェ・エクスペリエンスセンター (PEC)」のホッケンハイムリンクで210周をドリフト走行し、42.171kmを55分で走破したものだ。
ポルシェ・エクスペリエンスについて
ポルシェ・エクスペリエンスはトラベル(豪華で刺激的な旅)、トラック(レーストラックでのアドレナリンあふれるドライビング体験)、アイス(氷上や雪上での魅惑的なドライビングダイナミクス)の各分野でユニークなドライビング体験を提供するグローバルプログラム。
「ポルシェ・アイスエクスペリエンス」は1996年からフィンランドのラップランドで、2014年からはレヴィで開催されている。毎年1,500人以上の参加者が、雪上と氷上のゲレンデで車両コントロールのトレーニングを行い、多彩なサポートプログラムを楽しんでいるという。
ポルシェ・アークティックセンターの敷地面積は30万平方mで、4つのトレーニングレベル、ディスカバー、ラーニング、ブースト、レースで最適な練習ができる。2025年シーズンに向けて、数々の近代的なF1コースを設計したヘルマン・ティルケがコースを全面的に改修・拡張した。