
自動車専門誌「ル・ボラン」が、東京・二子玉川にあるライズ(rise)にて、3/15日(土)- 16日(日)に開催する入場無料のオープンイベント「EV:LIFE FUTAKO TAMAGAWA 2025」では、以前の記事でお伝えした通り今回新たな試みとして「EVアワード」を実施します。
これは、現在日本国内で購入可能なEV(BEV=完全な電気自動車。ハイブリッド車は含まない)の中から、編集部が独自の基準で選んだベストな1台を決めようというもの。今回は現在日本国内で購入可能なEVから、ル・ボラン編集部内で8台のノミネート車を選出させていただきました。
その中でル・ボランweb編集長の相澤が選んだのが「フォルクスワーゲンID.4」です。その選考理由と、モータージャーナリストの石井昌道さんによる「ID.4」のおススメポイントについても紹介します。
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SUVながら車高が低く抑えられており、全体的にスタイリッシュにまとめられているエクステリア。フロントのシャープな印象のヘッドライトや、リアコンビネーションランプの造形もデザイン的なポイントになっている。
ID.4はフォルクスワーゲンが国内に投入した初のEVということで注目されていました。デザイン的にはドイツ本国で販売されている他のIDシリーズと同様にスタイリッシュに仕上げられているのが好感が持てるポイントです。

シンプルなデザインのコクピット。ステアリング奥のコンパクトなメータ右側にシフトレバーを配置しているのも特徴のひとつ。
室内はシンプルなデザインで、ステアリング奥のメーターも必要最低限の情報を表示してくれるコンパクトなもの。またシフトレバーの配置と操作方法も独特です。一方で、ID.4で私が感心したのは、テストコースで試乗した際に、後輪駆動であるにもかかわらず登坂度でのトラクション性能が良かったことです。これは制御が細かくできるEVならではの特性ですが、比較したFF車が登っていけないような坂道をID.4がいともたやすく発進していけたのは驚きでした。

一充電での航続距離は「Pro」グレードで618km、「Lite」グレードは435km(いずれも WLTCモード)を実現している。
他にも電費を良くするためにアンダーボディの後続を工夫して空力性能を向上させていたり、ウェット路の定常円旋回で走行した時の安定性の高さなど、ドイツメーカーらしい、真面目なクルマ作りが体感できるモデルだと思います。

ラゲッジスペースは標準状態で543L、後席を全て畳めば1575Lまで拡大することが可能。
石井昌道氏の「フォルクスワーゲンID.4」おススメポイント
BEVに積極的な姿勢をみせるフォルクスワーゲンは、BEV専用プラットフォームのMEBを開発してIDシリーズの展開を始めた。1938年のタイプ1(ビートル)、1974年のゴルフにつぐ第3の革命的なモデルになりうる。日本で販売されるのはSUVタイプのID.4。全長4585mmとボディはそれほど大きくないが、ホイールベースが長いので後席はパサート並に広々としている。BEVらしい力強さや静粛性の高さを持ちながら、癖のないドライビングフィールが持ち味。エンジン車などから乗り換えても違和感がなく自然となじめるよう配慮されている。最新モデルはモーターの制御を改良することで初期に比べて1割ほど航続距離が伸びた。
石井昌道氏のインプレッション動画はコチラから
Specification
【フォルクスワーゲンID.4プロ】
■車両本体価格(税込)=¥6,488,000
■全長/全幅/全高=4585/1850/1640mm
■ホイールベース=2770mm
■トレッド(前/後)=1585/1570mm
■車両重量=2140kg
■モーター形式/種類=EBJ/交流同期電動機
■モーター最高出力=204ps(150kW)/4621-8000rpm
■モーター最大トルク=310Nm(31.6kg-m)/0-4621rpm
■バッテリー種類=リチウムイオン電池
■バッテリー容量=77kWh
■一充電航続可能距離(WLTC)=518km
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル 後:マルチリンク/コイル
■ブレーキ 前/後:Vディスク/ドラム
■タイヤ(ホイール)前/後:235/50R20/255/45/R20