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【1000キロ弾丸試乗】シボレー「コルベット」の3つのパワートレインを乗り比べ! アナタにベストなモデルは?

シボレー・コルベット 3台試乗
シボレー・コルベット 3LT
シボレー・コルベット 3LT
シボレー・コルベット 3LT
シボレー・コルベット 3LT
シボレー・コルベット 3LT
シボレー・コルベット 3LT
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ
シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ
シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ
シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ
シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ
シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ
シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ
ベースモデルのコルベット(右)と比べると、E-Ray(左/Z06も同様)はフロントインテークやフェンダーのつくりなどがよりワイドなスタンスのボディスタイリングを纏っている。
シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ
シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベット 3LT
シボレー・コルベット 3LT
シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
シボレー・コルベット 3台試乗
シボレー・コルベット 3台試乗

ロングツーリングで3種のコルベットの魅力を検証

ミッドシップスポーツとして新たに生まれ変わった、シボレーの8代目「コルベット」。現在パワートレインとして3種、V8 OHVを搭載するベースモデルのほか、初のハイブリッドモデルとなる「E-Ray(イーレイ)」、サーキット走行を前提としたハイパフォーマンスモデルの「Z06(ズィーオーシックス)」を用意。今回、それぞれの魅力を解き明かすべく、ロングツーリングに連れ出してみた。

【画像35枚】唯一無二のカッコよさ! 三者三様の最新「シボレー・コルベット」を細部まで見比べる

70年・8世代にわたって愛されてきたコルベット

単一銘柄のスポーツカーとしては世界最長の歴史を誇るのがシボレー・コルベット。初代の登場は1953年ということで、一昨年は70年という節目でもあった。この間、8代にわたって襷(たすき)をつなげている。アメリカ人にとってのソウルマシンであろうことに疑いはない。昔のシボレーのキャッチフレーズを借りるなら、まさにハートビート・オブ・アメリカである。
そのコルベットが世界に向けて、積極的にその存在感をみせ始めたのは1990年代後半、第5世代にさかのぼる。競技を通してパフォーマンスを示すことで認知度を高めるという、スポーツカーの王道ともいえるプロセスを選び、FIA GTカテゴリーでのレース活動を活発化させたのがまさにこの頃だ。

シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ

コルベットは第5~6世代にかけて、ル・マンでのクラス優勝をはじめ、さまざまな栄冠を獲得する。歴史を遡ればそのようなモデルもあるにはあったが、開発にはイギリスなどのエンジニアリングも深く関与していた。純然たるアメリカンスポーツカーという出どころにこだわれば、コルベットの右に出るものはない。
第8世代となる現行コルベットが大胆な変容を遂げたのも、こういった背景によるところが大きい。増大し続けるパワーを受け止めるにはリアミッドシップ化は必須というレーシングフィールド側からの要望は、同時にコルベットの長い歴史の当初から幾度となく検討されてきた悲願でもあった。
一方で、コルベットを求めるカスタマーの全てがレースでの活躍を動機としているわけではないのも確かだ。スポーツカーとしてはポルシェ「911」やマツダ「ロードスター」に準ずるほどの年間販売台数を誇る、その多くはむしろブランドにまつわるヒストリーやストーリー、普段遣いからの快適性や柔軟性などに選択の重きを置いていることだろう。1000km超を走り切る今回の旅でも注目するのはやはりそちらの側だ。

シボレー・コルベット 3台試乗

左からシボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ、コルベット 3LT、コルベットZ06 クーペ3LZ

コルベット初の右ハンドル、コルベット初のハイブリッド

現在のコルベットのラインナップは、その歴史と歩を合わせるかのように進化し続けてきたスモールブロックのプッシュロッドV8のLT2を搭載するベースモデル、そのLT2にモーターを組み合わせた電動AWDハイブリッドの「E-Ray」、そしてGTE & GT3カテゴリーでの勝利のために開発されたDOHC・V8のLT6を搭載する「Z06」という3グレードで構成される。ちなみに本国ではLT6をツインターボ化し、最高出力1000ps/最大トルク1000Nmを楽に超える怒涛のアウトプットを誇る「ZR1」もスタンバイしているが、こちらの日本市場への導入は未定だ。
目指すワインディングに向けて、まずはE-Rayを走らせる。分類的にはハイブリッドとはいえ、E-Rayのモーターはひたすら燃費を伸ばすための役割が持たされているわけではない。むしろその逆で、AWD走行時のパワーサプライの役割を大きく担わされている。

シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ

シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ:LT2エンジンをベースに最高出力162psの電気モーターによる+αの魅力をプラス。

主に減速時の回生エネルギーを回収する役割となる電池はセンタートンネルに配され、その容量は1.9kWhと小さくはない。満充電時にはエンジン始動前にステルスモードを選択することで、最速72km/h、最長6.4kmのBEV走行が可能となる。早朝に出かける際など、エンジンを掛けたくない場面ではとても有用な、ハイブリッドならではの有り難い選択肢だ。
高速巡航時に感じるクルマの据わりの良さはハイブリッド化による重量増だけが理由ではない。前にモーターを積むことで重量配分が適正化されたこと、中央に頑強な電池を積むことによっての剛性変化なども影響しているはずだ。こういう、E-Rayならではのキャラクターはワインディングでも存分に感じることができる。
前輪の駆動力配分はドライブモードに応じて異なるが、オールマイティなツアーモードではコーナーで積極的に車体をインに引き寄せる方向に、スポーツやトラックモードでは旋回中は後輪側を重視し、立ち上がり時にモーターで一気に瞬発力を高めると、そういう方向で味付けされている。ともあれモーターの加勢が入った際の速さは今回の3グレード中では屈指、Z06をも置き去りにする勢いだ。

シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ

シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ:千里浜なぎさドライブウェイにて

ワインディングで堪能する珠玉のV8ユニット

そのZ06はレーシングユニットと設計を共有するフラットプレーンのV8がクルマのキャラクターを決定づけている。エンジンの回転感はいかにもムービングパーツの公差がしっかり管理され、クリアランスが詰められた高性能エンジンのそれで、軽やかながらも金物が隙なしで噛み合う精緻さを感じさせる硬質なものだ。
5.5Lのキャパシティにして8500rpmからレッドゾーンという超高回転型ゆえ、ごく低回転域のトルクはさすがに薄い。それでも1500rpm向こうから得られる実用的な駆動力のおかげで、タウンライドや高速巡航でもストレスが溜まることはない。そのまま高回転域に向かうに従って、爆発の粒感が綺麗にまとまりながらぐんぐんとパワーが沸き立ってくる。

シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ

シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ:志賀高原にて

この艶めかしい力感を、エキゾーストノートというよりはエンジンから発せられるメカニカルサウンドとともに味わうのがZ06ならではの愉しみといえるだろう。
ワインディングで珠玉のV8を唸らせる、その快感は唯一無二だ。シャシーはさすがに引き締められているが乗り心地自体はガチガチというわけではなく、突き上げのカドはきちんと丸められており、今回のツーリングでも音を上げるような場面はなかった。

ベースモデルの出来の良さがあってこそのコルベットシリーズだ

とはいえ、だ。E-RayとZ06、この2つの個性的かつ対極的なパワートレインがバランスよく収まっていること自体、やはりベースモデルの出来の良さがあってのことだと、今回のツーリングでは幾度も実感させられた。
まずベースモデルはクルマそのもののリファインが進んでいる。今回のモデルは2025年型で登場時からは5年近くを経ているが、その間、アナウンスされない熟成が端々に加わったのだろう。クルマの動きは明らかになめらかで、微小な入力域でもビビッドに反応してくれる。乗り心地も当然しなやかだが、挙動の情報がより繊細に伝わるようになったことでドライバーと車両とのエンゲージメントが高まったような気にさせてくれる。

シボレー・コルベット 3LT

シボレー・コルベット 3LT:志賀高原にて

操作系は「始め」の動きが一段と優しくなった。操舵初期のゲイン、そして制動初期のジャークの立ち上がりはじんわりと柔らかくコントロールしやすい。そこから操作量を増すほどにリニアにクルマが応答してくれるから、車両姿勢やGの管理がともあれ楽だ。これはコーナー進入の荷重移動みたいな話だけではなく、雨天時の旋回や制動しやすさ、あるいは同乗者に優しい発進停止といった日常的な場面でも長所として感じられるだろう。こういったクルマの素養の地道な底上げがあってこそ、幅広いパフォーマンスにも柔軟に対応できるわけだ。
もとよりベースモデルは、代々のコルベットが守り通してきたGTとしての性能を色濃く受け継いでもいる。高速道路を延々と走ることがまったく苦にならない特性が、前述のシャシーだけでなくエンジンの出力特性や音質もしっかり考えて味付けされている。
スポーティネスにまつわる可能性を最大化させることが第8世代のコルベットの主たる目的であることは間違いない。が、その中軸にいるベースモデルは、先入観とは裏腹に、やはりコルベットそのものであったというのがこのツーリングの偽らざる感想だ。

シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ

シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ

【Specification】シボレー・コルベットE-Ray クーペ3LZ
■車両本体価格(税込)=23,500,000円
■全長×全幅×全高=4685×2025×1225mm
■ホイールベース=2725mm
■トレッド=前:1675、後:1620mm
■車両重量=1810kg
■エンジン型式/種類=LT2/V型8気筒OHV 16V
■内径×行程=103.2×92.0mm
■総排気量=6156cc
■最高出力=502ps(369kW)/6450rpm
■最大トルク=637Nm(65.0kg-m)/5150rpm
■モーター形式/種類=HP1/交流同期電動機
■モーター最高出力=162kW(119ps)/9000rpm
■モーター最大トルク=165Nm(16.8kg-m)/0-4000rpm
■燃料タンク容量=70L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速DCT
■サスペンション形式=前後:Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ=前:275/30R20、後:345/25R21
■公式HP=https://www.chevroletjapan.com/corvette/e-ray

シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ

シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ

【Specification】シボレー・コルベットZ06 クーペ3LZ
■車両本体価格(税込)=25,800,000円
■全長×全幅×全高=4685×2025×1225mm
■ホイールベース=2725mm
■トレッド=前:1675、後:1620mm
■車両重量=1720kg
■エンジン型式/種類=LT6/V型8気筒DOHC 32V
■内径×行程=104.2×80.0mm
■総排気量=5454cc
■最高出力=646ps(475kW)/8550rpm
■最大トルク=623Nm(63.6kg-m)/6300rpm
■燃料タンク容量=70L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速DCT
■サスペンション形式=前後:Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ=前:275/30R20、後:345/25R21
■公式HP=https://www.chevroletjapan.com/corvette/z06

シボレー・コルベット 3LT

シボレー・コルベット 3LT

【Specification】シボレー・コルベット 3LT
■車両本体価格(税込)=16,950,000円
■全長×全幅×全高=4630×1940×1225mm
■ホイールベース=2725mm
■トレッド=前:1635、後:1570mm
■車両重量=1670kg
■エンジン型式/種類=LT2/V型8気筒OHV 16V
■内径×行程=103.2×92.0mm
■総排気量=6156cc
■最高出力=502ps(369kW)/6450rpm
■最大トルク=637Nm(65.0kg-m)/5150rpm
■燃料タンク容量=70L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速DCT
■サスペンション形式=前後:Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ=前:245/35R19、後:305/30R20
■公式HP=https://www.chevroletjapan.com/corvette

【問い合わせ先】
ゼネラルモーターズジャパン
TEL:0120-711-276

【画像35枚】唯一無二のカッコよさ! 三者三様の最新「シボレー・コルベット」を細部まで見比べる

フォト=郡 大二郎/D.Kori
渡辺敏史

AUTHOR

1967年福岡県生まれ。元出版社の二輪・四輪雑誌編集者から自動車ライターとして独立。専門誌・一般誌・ウェブで国内外の自動車や技術を紹介。年間多数の試乗を国内外で行ない、様々なメディアで活躍中。

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