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【試乗】ロータス・エミーラの最適解は「直4」か「V6」か。最後の純内燃機関、3モデル一気乗りで導く究極の選択《LE VOLANT LAB》

ロータス・エミーラ ターボSE:スポーツサスペンション
ロータス・エミーラ ファーストエディション(2.0 FE)
ロータス・エミーラ ターボSE:ツーリングサスペンション
ロータス・エミーラ ターボSE:スポーツサスペンション
ロータス・エミーラ V6ファーストエディション(MT)

ロータス最後の純内燃機関モデル「エミーラ」。注目の3グレードの個性を徹底検証

中国のジーリー傘下に入り、一時は電動化に突き進むと思えたロータスも、ここにきて方針転換が始まった。SUVの「エレトレ」にはしれっとPHEVモデルを追加したなんていう情報がつい最近入ってきたばかりだ。ロータス+エンジンという組み合わせはまだ続くことになるのか?

そんなロータスは一方で内燃機関オンリーで走るモデルを残し続けている。それが「エミーラ」という存在だ。パワーユニットはメルセデス・ベンツAMG M139をベースとした直列4気筒2.0Lターボモデルの「ターボSE」と「2.0 FE(ファーストエディション)」という8速デュアルクラッチの2台と、トヨタ製2GR-FEをベースとするV型6気筒3.5L+スーパーチャージャーの「V6 FE(ファーストエディション)」という6MT&6ATモデルをラインアップ。今回はこの3つのグレードを乗り比べてその魅力に迫ってみたいと思う。

【画像56枚】12WAYシートから151Lのトランクまで。実用性も手にした「毎日乗れるスーパーカー」の全貌を画像で確認する

【ターボSE】シリーズ最速の刺激と、大幅に向上した「GT性能」の融合

まず乗ったのはシリーズ最速の0-100km/h加速4.0秒と、最高速291km/hを記録する追加モデルの「ターボSE」だ。最高出力298kW(406ps)、最大トルク480Nmとなる。サスペンションはスポーツ仕様が与えられ、タイヤはミシュラン・パイロットスポーツCUP2が与えられている。

フル電動ハイパーカーとして登場したエヴァイヤの流れを汲む、彫刻のような造形と多数のエアベントを採用したそのスタイル。一方でエリーゼやエキシージ、そしてエボーラをミックスしたようにも感じるこれまでの流れも踏襲しているこのエミーラ。けれども使い勝手は大幅に向上し、エリーゼ&エキシージの頃よりは乗り降りが軽々と行える。電動で12WAYの調整が可能な高さが稼がれたセミバケットシートのおかげもあり、幅広く高いと思えていたサイドシルを跨ぐことがそれほど苦ではないのだ。

2シーターのエミーラではあるが、ベースとなるのは2+2のエボーラなので、シートの後ろにスペースがしっかりと存在し荷物も置けるようになっている。そのスペースは208Lにもなり、その気になればリクライニングだってかなりできる。助手席に座ればかなりのリラックスポジションで移動できてしまうのだから、これならパッセンジャーもかなりラクだ。さらにトランクルームも151Lも確保されているから、2人での旅行も十分にこなせるだろう。

ロータス・エミーラ ターボSE:ツーリングサスペンション

ロータス・エミーラ ターボSE:ツーリングサスペンション

このようにコンフォート方向に振られた感覚もあるエミーラ「ターボSE」だが、走り出せばこれまで通りの世界観が広がっている。シャシーは引き締められたスポーツサス仕様のため機敏な動きをしっかりと展開。コーナリングは4気筒モデルならではの軽快な旋回だってこなせてしまうのだ。ホイールベースはエリーゼ2300mm、エキシージ2370mmに対して2575mmと延長されているが、それが程よく高速安定性を生み出しており、ジワリと動くオトナな感覚を生み出している。パワーユニットは確かに下のトルクも上の伸び感もあり速く、8速DCTの素早い応答性もありスポーティな感覚は満載だ。無駄なくロスなく難しくもない。誰にでも乗れる、まとまりある本格スポーツモデルといった感覚だ。

【2.0 FE】肩肘張らず優雅に駆け抜ける。しなやかさが際立つツーリング仕様

「2.0 FE」はそこまで尖ってはいないスポーティモデルくらいの感覚だ。0-100km/h加速は4.4秒、最高速275km/hで、最高出力はやや抑えめの268kW(365ps)、最大トルクは430Nm。足周りはツーリングサスペンション仕様となり、タイヤはグッドイヤー・イーグルF1スーパースポーツが装着されている。

ロータス・エミーラ ファーストエディション(2.0 FE)

ロータス・エミーラ ファーストエディション(2.0 FE)

走ってみると乗り心地はしなやかさが際立つ感覚で、エミーラのキャラクターとしてはしっくりくる。それはパワートレインも同様であり、たとえスポーツモードを選択したとしても出力は穏やかな反応をみせ、ミッションの反応も「ターボSE」よりクラッチが繋がった時のショックは少なくスムーズに走る。肩肘張らずどんなシーンも優雅に走りたい、そんな方々にマッチするモデルではないだろうか?

【V6 FE】官能のエキゾーストと余裕のトルク。6速MTで味わうマルチシリンダーの旨味

最後は「V6 FE」の6速MTモデルに乗った。0-100km/h加速は4.3秒、最高速は290km/hと若干「ターボSE」に一歩及ばないが、シフトアップの度にクラッチを踏んで駆動が途切れていることを考えるとその数値はさすがである。最高出力は298kW(406ps)と「ターボSE」と同等。最大トルクは420Nmとなる。足周りは不明とのことだったが、タイヤがグッドイヤー・イーグルF1スーパースポーツだったので、おそらくツーリング仕様なのだろう。

ドライバーズシートに収まるとルームミラーからスーパーチャージャーが突き出している様子が窺えるこのクルマ。エンジンをスタートさせればいかにもマルチシリンダーと思えるきめ細かいエキゾーストノートが感じられるところがあり官能的だ。発進させればわずか2700回転から最大トルクを発生させることもあり、MTとはいえスタートから難しさはない。アクセルを深く踏み込めばかなりの蹴り出し感があり、そこから高回転へ向けた伸び感も爽快。スーパーチャージャーやエキゾーストノートがそれを後押しする。

ロータス・エミーラ V6ファーストエディション(MT)

シャシーはこちらもしなやかな仕立てであり、ゆったりとした乗り味が得られる。市街地だろうが首都高速の路面が荒れたところだろうが、路面に見事に追従しながらフラットに駆け抜けるところは程よいダルさがあり大人な仕上がり。旋回時間が長いような状況だとエンジンの重心が高いせいか、リアがアウトへと持っていかれるような感覚もあるが、そこを出さないように腹八分目で走れば十分なコーナリングを行ってくれる。ロードゴーイングカーとしてのまとまりはなかなか。ロングドライブでも余裕の走りをみせてくれそうだ。

直4は「エリーゼ」、V6は「エキシージ」。元参戦ドライバーが語る、ヒエラルキーを超えた究極の選び方

かつて私はロータスカップでエリーゼクラス、そしてエキシージクラス共に参戦したことがある。エリーゼは直4、エキシージはV6で、まさに今回のエミーラのグレード違いを比較したことがある。そこでは直4モデルはコーナリング重視の仕立て、V6はコーナーに対してV字を描くようなラインで走る時が最も速かったし、無駄な動きを出さない最善の方法だった。エミーラのグレード違いにはまさにその頃のテイストが見事に踏襲されているように思えるところがある。単なるヒエラルキーではなく、走りの好みがどちらなのか? そんな選択をしてみると面白いのかもしれない。

ロータス・エミーラ V6ファーストエディション(MT)

ロータス・エミーラ V6ファーストエディション(MT)

このようにこれまでのロータスと同様の世界観がありながら、前述したようなオールラウンダー的な普段使いもできるスーパーカー的な仕立てもあるところがエミーラらしさといっていい。

この流れはかつてロータス・ヨーロッパからロータス・エスプリへと時代が移り変わった頃とどこかダブる。エミーラはある意味、現代に蘇ったエスプリなのではないかと。ボリューム感を一気に増して、最終的にはV8を搭載するまでに至ったあの世界が、実はきちんと受け継がれているように思えてならない。そう考えるとエミーラはかなり貴重な存在だ。

いま電動化が行き過ぎ、ややハイブリッド路線へと回帰しているロータス。けれども、完全に内燃機関に戻るという未来はおそらく来ないだろう。そう考えればエミーラは最後の純内燃機関のロータスとなることはおそらく間違いない。そんなクルマがまだ新車で購入するチャンスがあるという事実を、改めて見直してみてほしいものだ。

【画像56枚】12WAYシートから151Lのトランクまで。実用性も手にした「毎日乗れるスーパーカー」の全貌を画像で確認する

ロータス・エミーラ ファーストエディション(2.0 FE)

【SPECIFICATION】LOTUS EMIRA TURBO SE
 ロータス・エミーラ ターボSE

■車両本体価格(税込)=18,231,400円
■全長×全幅×全高=4412×1895×1226mm
■ホイールベース=2575mm
■トレッド=前:1626mm、後:1608mm
■車両重量=1457kg
■エンジン型式/種類=M139/直列4気筒DOHC 16バルブ ターボ
■総排気量=1991cc
■最高出力=406ps(298kW)/6800rpm
■最大トルク=480Nm(48.9kg-m)/4500-5500rpm
■燃料タンク容量=60L(ハイオク)
■トランスミッション形式=8速DCT
■サスペンション形式=前:ダブルウィッシュボーン、後:ダブルウィッシュボーン
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前:245/35R20、後:295/30R20
■0-100km/h加速=4.0秒
■最高速度=291km/h

ロータス・エミーラ ターボSE:ツーリングサスペンション

【SPECIFICATION】LOTUS EMIRA FIRST EDITION(2.0 FE)
 ロータス・エミーラ ファーストエディション(2.0 FE)

■車両本体価格(税込)=16,610,000円
■全長×全幅×全高=4413×1895×1226mm
■ホイールベース=2575mm
■トレッド=前:1626mm、後:1608mm
■車両重量=1405kg
■エンジン型式/種類=M139/直列4気筒DOHC 16バルブ ターボ
■総排気量=1991cc
■最高出力=365ps(269kW)/6800rpm
■最大トルク=430Nm(43.8kg-m)/3000-5500rpm
■燃料タンク容量=60L(ハイオク)
■トランスミッション形式=8速DCT
■サスペンション形式=前:ダブルウィッシュボーン、後:ダブルウィッシュボーン
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前:245/35R20、後:295/30R20
■0-100km/h加速=4.4秒
■最高速度=275km/h

ロータス・エミーラ V6ファーストエディション(MT)

【SPECIFICATION】LOTUS EMIRA V6 FIRST EDITION(MT)
 ロータス・エミーラ V6ファーストエディション(MT)

■車両本体価格(税込)=15,730,000円
■全長×全幅×全高=4413×1895×1226mm
■ホイールベース=2575mm
■トレッド=前:1626mm、後:1608mm
■車両重量=1458kg
■エンジン型式/種類=2GR-FE/V型6気筒DOHC 24バルブ スーパーチャージャー
■総排気量=3456cc
■最高出力=405ps(298kW)/6800rpm
■最大トルク=420Nm(42.8kg-m)/2700-6700rpm
■燃料タンク容量=60L(ハイオク)
■トランスミッション形式=6速MT
■サスペンション形式=前:ダブルウィッシュボーン、後:ダブルウィッシュボーン
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前:245/35R20、後:295/30R20
■0-100km/h加速=4.3秒
■最高速度=290km/h

【画像56枚】12WAYシートから151Lのトランクまで。実用性も手にした「毎日乗れるスーパーカー」の全貌を画像で確認する

フォト=佐藤亮太/R. Sato(本文)、Lotus Cars Japan(画像ギャラリー)

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