コラム

2年目の「フォーミュラE 日本ラウンド」はダブルヘッダー開催! レース1がマセラティ、レース2は日産が悲願の凱旋優勝を果たす!

日曜日のレース2では日産のローランドが好調なスタートを見せた。

2025年5月16~18日、東京ビッグサイト周辺に設けられた特設コースとなる東京ストリートサーキットで、ABB FIAフォーミュラE世界選手権 2024/2025年シーズン11第8戦&第9戦『東京E-Prix』が開催された。

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2年目の開催となるフォーミュラE東京E-Prixは、コースレイアウトが一部変更。また今シーズンからマシンが「Gen3 Evo」にアップデートされ、決勝レース中にピットインし、600kWの超高速充電を30秒間行うことで10%(3.85kWh)のエネルギー供給を得る「ピットブースト」が導入されていることが昨年との違いとなっている。これらがレース戦略をどのように変化させていくのかに注目が集まる。

フリー走行1回目は日産勢が好調をキープ

レースウィーク最初の走行セッションとなる1回目のフリー走行は、好調な日産勢のノルマン・ナトがトップタイムをマーク。さらにすでに今季3勝を挙げ、ドライバーランキング1位のオリバー・ローランドが3番手に入るなど、日本ラウンドでも順調な滑り出しを見せた。この割って2番手タイムを出したのはDSペンスキーのマキシミリアン・ギュンターだ。

フリー走行1回目では日産のN.ナトーが1’12.152のトップタイムをマーク。昨年日本ラウンドウィナーであるDSペンスキーのM.ギュンターが2番手、日産のO.ローランドが3番手となった。

レース1はマセラティのバンドーンが巧みな戦略で制す

翌土曜日は朝から降雨が続き、2回目のフリー走行はウェットコンディションのなか実施されたが、10:20~スタートの予選は雨と風も強くなったことで、順延を繰り返したのち、結局キャンセルに。その結果、2回目のフリー走行のタイム順が予選のグリッドなり、日産のオリバー・ローランドが昨年に続き2年連続のポールポジションを獲得、マヒンドラ・レーシングのエドアルド・モルタラが2番手、日産のノルマン・ナトが3番手を獲得することに。

雨は小ぶりとなったものの、ウェットコンディションの中スタートしたレース1は、日産のO.ローランドがホールショットを決めた。

迎えたレース1の決勝は、スタート予定時刻には雨が小降りになったことで若干のディレイはあったものの、セーフティカー先導のもと数周コースチェックが行われたのち、スタンディング形式にて待ちに待った決勝レースがスタートした。

フォーミュラEでは、レース中に最大総電力を300kwから350kwに引き上げることができる「アタックモード」をレース中に2度使用することが義務付けられているが、今回は序盤からこのアタックモードを使用する戦略を採ったチームも多く、各所でオーバーテイクができたことで、順位が目まぐるしく変わる展開となる。

アタックモード使用中はマシンのLEDライトがブルーからピンクへと変わる。

そんななか、日産O.ローランドは首位をキープするが、13周目にDSペンスキーのM.ギュンターがコース上でストップしたことで赤旗中断になってしまう。その後レースは2度目のスタンディングスタートで16周目から再開されたが、ピットブーストの規定となるバッテリー残量が60%を切ったマシンが続々とピットインし、急速充電を行なった。

今シーズンから導入された「ピットブースト」。日本ラウンドではレース1のみに適用されたが、各車レース中に1回のポットストップが義務づけられ、600kWの超高速充電を30秒間行うことで10%(3.85kWh)のエネルギーを得たのちレースを戦うことができる。

ここでトップに躍り出たのはマセラティのS.バンドーンだ。バンドーンは、ただひとり赤旗の前にピットブーストを行っており、これでで大きなアドバンテージを得ることになる。

レース1は赤旗前にピットブーストを消化したS.バンドーンがトップでチェッカーを受けた。

S.バンドーンはその後、バッテリーをマネジメントしつつ、38周となったレースを制すことに。これでマセラティチームは昨年から日本ラウンドでの連勝を獲得。2位には日産のO.ローランド、3位にはマクラーレンのT.バーナードが入った。

マセラティチームにとっては、昨年の日本ラウンドに続き2連勝を獲得した。

レース2は日産が悲願の母国優勝を飾る

迎えた日曜日、午前の3回目フリー走行に続いて行われた予選では、独自の“デュエル方式”によりグリッド順を決める。これはまずデュエルに進出する8名を決めるため、全22台がA/Bふたつのグループに分かれ走行が行われ、その後上位のグリッドを1対1の直接対決で決定するものだ。ここでは最終デュエルでクラッシュが起きる波乱もあったなか、日産のローランドが2戦連続のポールポジションを獲得。2番手にはクプラ・キロのダニエル・ティクトゥムがつけた。

日曜日のレース2では日産のローランドが好調なスタートを見せた。

注目の決勝レースは、32周の規定周回と中断等に基づいた追加周回を合計したラップ数で争われる。前日とは一転、晴れ空のもとでスタートした。1周目は日産のローランドがトップをキープ。2番手がクプラのティクトゥム、3番手にポルシェのパスカル・ヴェアラインが続く。

クプラのティクトムは序盤でアタックモードを使用し、トップに立つ。

序盤でアタックモードを使ったのが、クプラのティクトゥム、ポルシェのヴェアライン、マクラーレンのテイラー・バーナードらだ彼らは。追加パワーを利用し、トップのローランドを次々にパスしていった。

日本の公道レースらしく「止まれ」のペイントが。

ところがその後ポルシェのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが接触によりフロントウイングを破損しリタイア。このためにフルコースイエロー(FCY)が導入されることになる。終盤には日産のローランドがトップに立ったが、マクラーレンのバーナードがウォールに追突しコース上に停止。これにより、セーフティカーが導入された。

日産のローランドは嬉しい母国初優勝を上げた。

レースは残り1周で再開となり、エネルギー残量に余裕が出た各車はハイペースでラストラップを終え、日産のローランドが見事チームの母国で優勝を決めた。2位はポルシェのヴェアライン、3位にはクプラのティクトゥムが入って初表彰台を獲得した。

ファンゾーンでは様々なブースが出展

東京ビックサイトの東ホールには、無料で入場できるファンビレッジが設置。こちらは無料で様々な体験型コンテンツが楽しめるほか、フードコートで飲食もできるなど、フォーミュラEの世界観を感じることができる。

ファンビレッジにはフォーミュラEのオフィシャルグッズショップも出展。

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フォト=相澤隆之 T.Aizawa/藤田勝博 K.Fujita隆之/Formula E
相澤隆之

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