
実は交通違反になるかもしれない、飲み物や食べ物などの片手運転
スマートフォンを手で持っていたり(保持)、画面を注視(じっと見る行為)していたりすると、交通違反として取り締まられます。では、運転中にのどが渇いたために飲み物を飲んだり、小腹がすいたために一口で食べられる食べ物を手に取ったりするのは交通違反となるのでしょうか。運転中に、飲み物や食べ物を手に取ったり、通行券を片手で持ったりするなど、片手運転をした場合、交通違反になる可能性があります。
道路交通法 第70条「安全運転の義務」には、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と定めています。このことからも、運転中は、適切な運転操作にしなければならないことは明らかです。
もし、飲み物・食べ物を口に運ぶときや通行券を探しているときになど、フラついたり、対向車線にはみ出したりした場合、安全運転義務違反として取り締まられることがあります。
そのため、飲み物を飲みたくなったとき、食べ物を食べたくなったとき、通行券を探すときなどは、安全な場所にクルマを止めてから行いましょう。ただ、クルマをすぐに止められない状況で飲み物を飲みたくなるときもあるのではないでしょうか。このようなときは、同乗者にキャップを開けてもらって手渡ししてもらうなど、運転操作に影響しないよう工夫してください。
片手運転が絶対に違反になるとは言い切れない
飲み物や食べ物などを手に取ったときに運転操作に影響する場合は、安全運転義務違反になる可能性がありますが、運転操作において片手運転せざるを得ないときがあります。
それは、MT車のシフトチェンジや坂道発進でハンドブレーキを使うときなどです。このようなときは、片手運転せざるを得ません。MT車の運転など、やむを得ず片手運転しなければならない状況のときは、交通違反として取り締まられることはありません。そのため、「片手運転=交通違反」と言い切ることはできません。片手運転をして安全運転義務違反で取り締まられるかどうかは、その時の状況などによって異なります。
クルマを安全に運転するためにも片手運転は最小限に
クルマを運転する際に、片手運転をして、もう片方の手で飲み物や食べ物を持ったり、通行券などの書類を手に取ったりすることはよくあることです。このとき、片手運転をしたために、周囲の交通に迷惑となったり、交通事故が発生しそうになったりした場合は、交通違反として取り締まられる可能性が高いです。
そのため、運転中はなるべく片手運転はしない方がいいといえます。ただし、やむを得ず片手運転しなければならない場合は交通違反になりません。つまり、片手運転は原則として交通違反となりますが、例外的に交通違反として取り締まられない場合もあるということです。このような原則と例外があることを覚えておくと、いつか役立つときが来るかもしれません。