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クルマづくりの技術を「昼寝」に注入。トヨタの『TOTONE』とネスレが示す、パフォーマンス向上の新常識

「ネスカフェ」特別仕様の「TOTONE」
「ネスカフェ」特別仕様の「TOTONE」
「ネスカフェ」特別仕様の「TOTONE」
「ネスカフェ」特別仕様の「TOTONE」
「ネスカフェ」特別仕様の「TOTONE」
「ネスカフェ」特別仕様の「TOTONE」
「ネスカフェ」特別仕様の「TOTONE」
「ネスカフェ」特別仕様の「TOTONE」
「ネスカフェ」特別仕様の「TOTONE」
トヨタの戦略的仮眠ツール「TOTONE」
トヨタの戦略的仮眠ツール「TOTONE」
トヨタの戦略的仮眠ツール「TOTONE」
トヨタの戦略的仮眠ツール「TOTONE」
ネスレ日本が提案する「コーヒーナップ」
「ネスカフェ」のコーヒー製品
「ネスカフェ」のコーヒー製品
きなこのブランマンジェとコーヒーゼリー
ネスレ日本株式会社 飲料事業本部 レギュラーソリュブルコーヒー&液体飲料 ビジネス部 岩渕聡氏(右)と、トヨタ自動車株式会社 先進モビリティシステム開発部 TOTONE-Zグループ 加藤彩綾氏(左)
「ネスカフェ」特別仕様の「TOTONE」

最強の昼寝? ネスレとトヨタの異色コラボが提案する新しい休息の形

ネスレ日本株式会社とトヨタ自動車株式会社がコラボレーションイベントを開催している。これは、コーヒーと仮眠を組み合わせた「コーヒーナップ」という新しい習慣を共同で提案するもので、2025年8月19日より「ネスカフェ 睡眠カフェ in 原宿」にて、トヨタ開発の戦略的仮眠ツール「TOTONE(トトネ)」を設置した専用コースが期間限定で提供される。食品メーカーと自動車メーカーという異色の組み合わせは、現代社会が抱える深刻な課題への新たなアプローチとして注目される。

【画像18枚】トヨタとネスレの異色コラボを写真で。仮眠ツール「TOTONE」と限定スイーツの詳細

日本の社会課題「睡眠不足」と「コーヒーナップ」という解決策

このコラボレーションの背景には、社会問題化している日本人の睡眠不足がある。経済協力開発機構(OECD)の2021年の調査によれば、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、比較対象33カ国中で最も短い。また、厚生労働省の調査では、約4割の人が6時間未満の睡眠しか取れていないという実態も明らかになっている。慢性的な睡眠不足は、日中の眠気や注意力、作業効率の低下を招き、知らず知らずのうちに生産性を損なう要因となる。

この課題に対しネスレ日本が提案するのが、カフェインを含むコーヒーを飲んだ後に15分から20分程度の短い仮眠をとる「コーヒーナップ」である。これは、仮眠をとることで脳の働きを回復させつつ、ちょうど目覚める頃に摂取したカフェインの効果が現れ始めることで、すっきりと午後の活動を再開できるというものだ。ネスレ日本は、このコーヒーナップを広めるため、2017年から「ネスカフェ 睡眠カフェ」を展開してきた。

トヨタの技術を結集した戦略的仮眠ツール「TOTONE」

今回のイベントの主役ともいえるのが、トヨタが開発した戦略的仮眠ツール「TOTONE」だ。そのネーミングは「整う」と「寝る」に由来する。この製品は、2017年に社内の新規事業提案制度をきっかけに有志による開発がスタートし、2024年2月から法人向けにリースが開始された。

TOTONEには、トヨタが長年の自動車開発で培ってきた技術が応用されている。快適な車内空間を設計する技術や、居眠り運転を防止するための研究開発で得た知見が活かされており、シートの心地よさはもちろん、エアクッション、シートヒーター、さらには光や音を組み合わせることで、快適な入眠から質の高い睡眠、そしてすっきりとした目覚めまでを総合的にサポートする機能が多数搭載されている。

例えば、入眠時にはシートヒーターで体を温め、エアクッションがゆりかごのような揺れを再現。睡眠中は3層構造のクッションが体を支え、覚醒時には朝日をイメージした光とストレッチ機能で穏やかな目覚めを促す。普段は法人向け提供が基本のため、一般の人がこのTOTONEを体験できるのは極めて貴重な機会といえるだろう。

「ネスカフェ 睡眠カフェ×TOTONE」体験コース概要

この特別な「コーヒーナップ」体験は、「ネスカフェ 睡眠カフェ in 原宿」で提供される。

■コース名:ネスカフェ 睡眠カフェ×TOTONE でコーヒーナップ
■期間:
・ネスカフェ原宿 2階カフェスペース(1席):2025年8月19日(火)~9月23日(火)
・ネスカフェ 睡眠カフェ in 原宿 3階(2席):2025年8月19日(火)~12月18日(木)
■場所:ネスカフェ 原宿(東京都渋谷区神宮前1丁目22-8)
■体験時間:30分
■料金:825円(税込)
 料金にはカフェインを含む「ネスカフェ」のコーヒー1杯と席の利用料が含まれる。
■予約方法:「ネスカフェ 睡眠カフェ in 原宿」の専用サイトにて予約。
 『【期間限定】TOTONE コーヒーナップ体験席』を選択して予約手続きを行う。

さらに、この体験コースの利用者限定で、特別なスイーツ「きなこのブランマンジェとコーヒーゼリー」(税込650円)も提供される。このスイーツには、必須アミノ酸の一種である「トリプトファン」が約78mg含まれており、休息体験をより豊かなものにしてくれるだろう。

自動車メーカーが「睡眠」に取り組む意味

今回のコラボレーションについて、ネスレ日本の岩渕 聡氏は、TOTONEの存在を知り、「コーヒーナップ」との親和性の高さからネスレ側から声をかけたと明かしている。一方、トヨタの加藤彩綾氏は、TOTONEを起点として「『疲れたら休む=サボり』というマイナスイメージを払拭し、『戦略的』なものだという文化を醸成したい」と今後の展望を語る。

では、なぜ自動車メーカーであるトヨタが「睡眠」という領域に踏み出したのか。その根底には、自動車メーカーとしての根源的な使命がある。トヨタの資料によれば、居眠り運転が原因の交通事故は、他の要因による事故と比較して、死亡・重傷事故に至る割合が非常に高いことが示されている。交通事故死傷者ゼロという目標を達成するためには、車両の安全技術向上だけでなく、ドライバーのコンディションという、より根源的な問題にもアプローチする必要があるのだ。

ネスレ日本株式会社 飲料事業本部 レギュラーソリュブルコーヒー&液体飲料 ビジネス部 岩渕聡氏(右)と、トヨタ自動車株式会社 先進モビリティシステム開発部 TOTONE-Zグループ 加藤彩綾氏(左)

ネスレ日本株式会社 飲料事業本部 レギュラーソリュブルコーヒー&液体飲料 ビジネス部 岩渕聡氏(左)と、トヨタ自動車株式会社 先進モビリティシステム開発部 TOTONE-Zグループ 加藤彩綾氏(右)。

慢性的な睡眠不足が注意力や判断力を低下させることは科学的にも明らかであり、それは運転時に極めて重要な能力である。TOTONEの開発は、この課題に対するトヨタの一つの答えだ。それは、「幸せを量産する」というトヨタフィロソフィーを、自動車という製品の枠を超えて実現しようとする試みでもある。

今回のネスレとの異業種コラボは、単なる話題づくりのあるイベントではない。それは、日本社会が抱える「睡眠」という課題に対し、それぞれの分野で培った知見と技術を持ち寄って解決を目指す先進的な取り組みである。自動車技術が人々のウェルネスや働き方改革にまで貢献する未来を予感させる、象徴的な出来事といえるだろう。

【画像18枚】トヨタとネスレの異色コラボを写真で。仮眠ツール「TOTONE」と限定スイーツの詳細

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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