2026年以降には新型電動Cクラスにも対応予定
メルセデス・ベンツの完全子会社であるスター・アセンブリーは2025年10月13日、ルーマニアのセベシュ工場で、新型の完全電動SUV「メルセデス・ベンツGLC」向け電動ドライブユニットの組立を正式に開始したと発表した。この動きにより、同工場はメルセデス・ベンツの電動化戦略における重要な拠点として、その役割を強化する。
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グローバル生産ネットワークにおける新たな役割
セベシュ工場は、メルセデス・ベンツのグローバル生産ネットワークにおいて、車両工場へ電動ドライブユニットを供給する2番目の拠点となる。同工場は、駆動技術のコンピテンスセンターであるドイツのウンターテュルクハイム工場と緊密に連携している。
生産される電動ドライブユニットは、主に2つの車両工場に供給される予定である。すなわち、来年から量産開始のGLCの生産を担当する、ドイツのブレーメン工場と、来年以降に新型電動Cクラスを生産する、ハンガリーのケチケメート工場だ。
メルセデス・ベンツ・グループの生産・品質・サプライチェーンマネジメント担当取締役であるイェルク・ブルザー氏は、次のようにコメントしている。
「新型の完全電動メルセデス・ベンツGLC向け電動ドライブユニットの生産は、当工場の変革における重要な節目であり、メルセデス・ベンツのグローバル生産ネットワークにおけるセベシュの役割を明確に示すものです。新たな生産範囲への投資は柔軟性を高め、それによって将来への備えを強化します。この新しいハイテク製品でサクセスストーリーを継続していく、意欲的で熟練したチームを誇りに思います」
生産開始にあたり記念式典のために工場を訪れた、ルーマニアのイリエ・ボロヤン首相も次のように述べた。
「メルセデス・ベンツの投資は、技術移転、市場へのアクセス、雇用、そしてルーマニア産業の欧州バリューチェーンへの統合を意味し、将来の健全な発展を生み出す経済の基盤を築くものです。競争力のある国であるためには、有能な労働力を持つことが必要です。スター・アセンブリー・セベシュのチームの多大な貢献に感謝し、祝意を表します」
最新鋭の生産ラインと持続可能性への取り組み
メルセデス・ベンツは、このプロジェクトのために3万平方メートルを超える新施設へ投資している。この投資は現地(アルバ地域)の労働力や地域開発への貢献を示すものであり、ルーマニア政府から国家援助支援の承認も受けている。
組立ラインの詳細について述べれば、次の通りとなる。面積:約15,000平方メートル/全長:約1,000メートル/工程数:200以上の手動および自動工程。この新ラインの従業員は、すべてセベシュ拠点の他部署から再配置され、広範な再訓練プログラムを通じて新たな役割を担う。ここで生産される電動ドライブユニットはメルセデス・ベンツが自社開発したもので、電気モーター、パワーエレクトロニクス、ギアユニットの3つの主要サブシステムで構成される。
また、生産は持続可能性を重視しており、メルセデス・ベンツのデジタル生産エコシステム「MO360」に完全に統合されている。これにより、全部品の完全なトレーサビリティが確保される。工場は実質的にカーボンニュートラルで運営され、電力は再生可能エネルギー源から供給される。さらに、最大5MWの太陽光発電システムの設置も検討されている。
スター・アセンブリーのゲオルゲ・アキムCEOは、次のように語った。
「本日、私たちはモビリティの未来に向けた重要な一歩を踏み出しました。この達成は、広範な協力、チームの献身、柔軟性、そして専門知識の成果です。これらの努力が一体となり、セベシュをメルセデス・ベンツのグローバルな電動化戦略における重要な拠点として位置づけています」
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