大スケール・ミニカーのリイマジンド・バイ・シンガー
今年の3月に当サイトでご紹介した「シンガー DLS」のモデルカー(ミニチュアカー)をご記憶だろうか。日本を代表する精密モデルカー・マニュファクチャラーである、東京・青山の「メイクアップ」が擁する「アイドロン」ブランドの1/18スケール・モデルである。
前回は試作品(プロトタイプ)の撮影画像でお見せしたが、晩秋になってようやく本製品が入荷してきたので、新たに撮り下ろした最新画像で改めてご覧に入れる。なお今回の撮影は、モデルカー撮影の第一人者、写真家の服部佳洋氏にお願いした。
あらためて、シンガー について
シンガーの実車については当サイト読者の方ならよくご存知だろうと思う。釈迦に説法になるが、敢えて簡単に説明するなら、カリフォルニアを本拠地とする「シンガー・ビハイクル・デザイン」社が、「最後の空冷式ポルシェ」である「ポルシェ964」をベースに、個々の顧客の要望にビスポークで応え、最新の技術と素材を注ぎ込んで、贅を尽くしたレストレーションと改造を施して仕上げる超高級スポーツカーだ。
シンガー社が掲げるキーワードは「リ・イマジン(reimagine)」。クラシックな外観でありながら、実際には大幅な軽量化が実施され、高性能エンジンをはじめとする最新メカニズムが搭載されており、強烈なパフォーマンスを叩き出す。まさにクルマ好きの夢と理想を具現化するコンセプトなのである。
これまでに幾つかのシリーズが全て限定生産で展開されてきており、今回のモデルカーの題材である「DLS(Dynamics and Lightweighting Study)」もそのシリーズのひとつで、カーボンパーツによる更なる軽量化や、専用サスペンションの投入による高性能化が図られている。
アイドロン1/18のディテールを解説
さて試作品の撮影から約半年を経てようやく入荷してきたメイクアップ社「アイドロン」1/18スケール・モデルカー本製品のシンガーDLSに話を戻そう。試作品と比較して、モデルの基本設計や部品構成、仕上げ工程に変更はなく、塗装はプロフェッショナル・ペインターの当モデルに対する習熟度が上がったゆえであろうが、より深く艶やかな仕上がりを見せている。
フックス風ホイール、前後の灯火類、メッシュ類、ウィンドウ・パーツ、インテリアに至るまで、部品の加工や工作は極めて正確かつ清潔に行われており、一般的には粗が目立ちがちな1/18というラージ・スケールにもかかわらず、隙のない仕上がりだ。プライス・タグに相応しい優れたコレクターズ・アイテムと言って良いだろう。
なお、先行入荷分は残念ながら早くも完売しているが、2025年















