「失敗は許されない」アウディの屋台骨。3代目は新プラットフォーム「PPC」でどう変わったか
アウディの世界販売を支える中核モデル「Q5」が、3代目へとフルモデルチェンジを果たした。新型は新プラットフォーム「PPC」を採用し、EV走行も可能な新マイルドHV「MHEV plus」を全車に搭載する。外観こそ先代のイメージを色濃く残すが、その中身は大きく刷新されている。今回は主力の2.0Lディーゼルに試乗。激戦区において新型が示した「普遍の洗練」とその実力をリポートする。
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EV走行も可能にする「MHEV plus」。新プラットフォームPPCがもたらす恩恵
2025年7月に日本でも発表となったアウディの新型Q5はこれで3代目となる。2008年に誕生した初代は約160万台の販売実績を記録、2代目も110万台に達し、アウディを支えるモデルのひとつとなっている。つまり失敗は許されないモデルとも言える。
新型Q5はPPC(プレミアムプラットフォームコンバッション)と呼ばれるVWグループ内でシェアするプラットフォームを使う。ちなみにアウディで最初にPPCを採用したのは現行のA5である。
PPCの最大の特徴は、“MHEV plus”というマイルドハイブリッド機構のパワートレインが搭載できる点にある。トランスミッション側に組み込まれたモーターはPTG(パワートレインジェネレーター)と名付けられ、最大24ps/230Nmのパワーをエンジンに上乗せする。回生ブレーキによって電力を貯める1.7kWhの駆動用バッテリーも装備されているので、条件が揃えばEV走行も可能となる。

また、このマイルドハイブリッド仕様は48Vで、エアコンのコンプレッサーは電動式。その他の補機類は従来通りのベルト駆動だが、ここにいわゆるBSG(ベルトスタータージェネレーター)も装着されている。日本仕様のQ5にはガソリンが1種類、ディーゼルが1種類、そしてスポーツモデルのSQ5があって、すべてのパワートレインがMHEV plusのユニットとなった。なお、Q5シリーズはすべてクワトロのAWDのみで、トランスミッションは7速のSトロニックが組み合わされる。
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