オールジャパンミニカーミーティング2025に約80台のマイクロカーが集結
埼玉県・アリオ上尾で2025年12月7日に開催された「オールジャパンミニカーミーティング2025」。原付カーやマイクロカーが集うこのユニークなイベント会場で、ひときわ異彩を放つ車両があった。それはアニメ『ガールズ&パンツァー』に登場する「BT-42突撃砲」の自作レプリカだ。フレームからの設計、アルミ複合板によるボディワークなど、バックヤード・ビルダー顔負けの情熱と技術が注ぎ込まれた、驚きの1台をご紹介しよう。
【画像25枚】中身は電動車椅子!? 履帯なしで公道を駆ける、1人乗り「クリスティー式突撃砲」の全貌を見る
アニメの影響力と「原付カー」の奥深い世界。全国から集まったユニークな車両たち
もう10年以上も昔の話になるが、20代女子(当時)からいきなり「九五式って何?」と聞かれて驚いたことがある。まさかと思いつつ戦車? と聞き返せばそうだというので、それは旧日本陸軍の軽戦車だと答え、逆になぜ君がそのようなこと知りたがるのか問うたところ曰く「最近ガルパンってアニメを見ているんで、どんなものかと……」
『ガールズ&パンツァー』の存在を知ったのはその時が最初。それにしてもアニメの影響力は大きいものだと、改めて感じた次第。
さる12月7日に開催された「オールジャパンミニカーミーティング2025」は、その名の通り一人乗り50cc級原付カーが主役の、他にほとんど例を見ないユニークなミーティングである。会場には約80台もの原付カー、輸入マイクロカー、トライクなどが全国各地から集合。原付カーといえばトヨタ車体のコムス、あるいはタケオカ自動車工芸やミツオカなどのクルマが知られるが、中にはフレームから自作して登録、ナンバーを取得して公道も走れるワンオフ・モデルまである。

こうなるとまるで英国のバックヤード・ビルダーさながらの世界であるが、そんなエントラントの中でひときわ異彩を放っていたのがこちらの1台。アニメ作品『ガールズ&パンツァー』に登場する劇中車、継続高校のBT-42突撃砲の縮小レプリカである。作品のファンが集うイベントなどにも参加するとのことなので、すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれない。
駆動系は「スズキ・セニアカー」! アルミ複合板と鉄パイプで構築されたリアルな機能美
「もともとミリタリー・マニアではなくて、アニメ好きなんですよ」と話を聞かせてくれたのは、このBT-42を製作した“こたちゃん”さん。ヒストリックカーも好きで、実際、スカイラインのS54Aも所有しているがそちらも痛車仕様となっており、そのアニメ愛は本物だ。
アニメ作品の概要や登場車両の詳細は専門サイトに詳しいので解説はそちらに譲るとして、このBT-42、一体どうやって作ったのか?
「シャシーは角パイプで製作しています。駆動系はスズキ・セニアカー(ハンドル型電動車椅子)からの移植。クリスティー戦車は実車でも履帯(いわゆるキャタピラ)なしの装輪走行も可能なので、これなら小さなレプリカを作れると思いまして」

車体はアルミ複合板、砲塔はFRP、砲身は鉄パイプとさまざまな素材が使われている。あのタミヤからは1/35MMシリーズのプラモデルも出ているし、写真集などの資料もあるとはいえ、ここまでリアルな“スケールモデル”に仕上げるとはプロモデラーもびっくりだろう。しかも内蔵スピーカーからエンジン音を出すギミックまで備えていて、ギャラリーの中には思わずマフラーに手をかざす人も。
このような趣味が楽しめるのも平和な世の中だからこそ、としみじみ思う冬晴れのイベント会場であった。
























