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ストックプラモ症候群とは何か? 積みプラこそ資本と考える不思議な心…(そんな話ではない)【アメリカンカープラモ・クロニクル】第57回

現代のドラッグレースで活躍する1965年型ダッジA990
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジA990スーパーストック」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「アウトロー」
レベル製1/25スケール・プラモデル「タスカ・フォード・サンダーボルト」
レベル製1/25スケール・プラモデル「’64フォード・サンダーボルトSS」
レベル製1/25スケール・プラモデル「’64フォード・サンダーボルトSS」
レベル製1/25スケール・プラモデル「’64フォード・サンダーボルトSS」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「ティム・フロックズ1952ハドソン・ストックカー」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「ティム・フロックズ1952ハドソン・ストックカー」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「ティム・フロックズ1952ハドソン・ストックカー」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「マーシャル・ティーグズ1952ファビュラス・ハドソン・ホーネット」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「マーシャル・ティーグズ1952ファビュラス・ハドソン・ホーネット」
リンドバーグ製1/25スケール・プラモデル「’61インパラSS 409」
リンドバーグ製1/25スケール・プラモデル「’61インパラSS 409」
リンドバーグ製1/25スケール・プラモデル「’61インパラSS 409」
リンドバーグ製1/25スケール・プラモデル「’61インパラSS 409」
リンドバーグ製1/25スケール・プラモデル「’61インパラSS 409」
リンドバーグ製1/25スケール・プラモデル「’61インパラSS 409」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「ティム・フロックズ・クライスラー300 1955チャンピオンシップ・ウィニング・ストックカー」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「ティム・フロックズ・クライスラー300 1955チャンピオンシップ・ウィニング・ストックカー」
メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「ティム・フロックズ・クライスラー300 1955チャンピオンシップ・ウィニング・ストックカー」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
レベル製1/25スケール・プラモデル「427イェンコSCクーペ」
現代のドラッグレースで活躍する1965年型ダッジA990

Roundup:7 ショールームを出たあとで

いまあなたがテレビをつけると、ストックカーはどこにもいない。NASCARの話である。チャンネルを変え、NHRAナショナルズを観ることにしても、スーパーストック、プロストック、ストックエリミネーターのどこにもストックカーはいない。

われわれがいま見せられているのは、ストックカー(市販車)・レーシングとは名ばかりの、方便の世界なのか――アメリカンカープラモ・クロニクル第57回は、そんな「ストック」の話をする。

【画像73枚】ストックとの距離が縮まったり広がったりのキットたちを見る!

家畜から蘊蓄、在庫から株式資本まで、異様に幅の広い言葉

「ストック」――在庫である。われわれ日本語圏の(少しばかり年長の)プラモデル愛好家にとって、この英単語との出会いはおそらく、タミヤのミリタリーミニチュアシリーズに加えられた「1/35動物セット」(旧版)ではなかったか。飼育される豚、ロバ、アヒルと鶏、その番をする犬。日本語では「家畜」「家禽」といったふうにどこか身内のような親しい響きを持つ動物に、ライブストック=生きている在庫の語が当てられていることに、当時年少だった筆者は少なからず戸惑いを覚えた。

一頭ごとに固有の名前さえ付いているだろう「彼ら」を、死んだウサギまで含めてライブストックというラベルの下に束ねるということは、あまりに事務的で冷たい断定だと感じられた。これはストックという語が、一定の条件を満たす個体たちを、ひとくくりの「資本」として扱う名前であることを軽いショックとともに顕わにしている。

ストックカーとは在庫、すなわち資本であり、それを売るためにデトロイトは自社の車を走らせるのである。

アメリカの自動車競技の出発点は、あたたかく素朴なものだった。連載がこれまで幾度となくくり返してきたように、第二次世界大戦はアメリカの国土、住民、そして生産設備にほとんど傷をもたらすことなく終結した。立ち直りは世界のどこよりも早く、武器を作らなくなったデトロイトは民生用自動車の「ストック」増産に全力を振り向けるようになった。

機械いじりに心得のある帰還兵が安く手に入る車に工夫を加えはじめ、警察の追っ手を振り切ることに自信のある連中がステアリングを握ってレースがはじまった。スリルを求めるオーディエンスが増えるにしたがって、この素朴で野蛮なレースは、ただの散発的なストリートファイトであることを「卒業」しなくてはならなくなった。ルールを決めるのだ――安全に、きちんと囲われた場で、正々堂々戦う自動車競技へと成長するために、NASCARやNHRAといった競技団体が設立された。

この渦中において、ストックカーはひとつの固い「約束」として保持されることとなった。フォード・モデルT以来の「誰もが平等なスタートラインに立てる」伝統――みんなが容易に入手できる車で戦おう。工夫はあれこれあるが、それはルールで決めていこう。ストックから逸脱してしまう工夫があるなら、燃料やセッティングに飛び抜けて冴えたやり方があるのなら、それはひとまとめにしてクラスを別に分けよう。

逸脱を厳密に管理する――この姿勢の延長に、ストックカーの定義もまたあった。ストックカーとは揺るぎなく実在する車のことではなく、あくまでもルールが取り決めるストックカーの細かい定義にしたがうものだった。

「ストックからの距たり」の模型化

アメリカンカープラモは、デトロイトのショールームストックの小さく折りたたまれたパブリックリレーション(PR)としてはじまった。アメリカの自動車競技が「ストックカー由来であること」を約束として堅持したように、アメリカンカープラモにとってはショールームストックのコンフィギュレーションが何を措いても含まれることにまず重点が置かれた。

たとえそれがamtのトロフィーシリーズにおける典型的なカスタムホットロッドだろうが、鋼管フレーム組のレールドラッグスターであろうが、あるいは蕾のままの徒花のようなコンセプトカーであったとしても、それらはことごとく「ストックからの距たり」を模型化したものであって、ストックカーとの接続を一切断ったものは存在しようがなかったといっていい。

たとえばデトロイト・アイアンと製品化ライセンスを介した関係をもたなかったレベルの初期のドル箱、エド・ロスの車は――荒唐無稽な、その名のとおりの「アウトロー」はどうだろうか。かのキットが発売に到るやまたたく間に注目を集めたのは、そこに精密なキャデラックV8エンジンが含まれていたことが大きかった。だからこそ、そのエンジンだけを抜き出して69セントで販売されたパーツパックは、いまでも未組立のアウトロー本体を軽く上回る高値を付けている。

エド・ロスの爆発する創造性すら、ストック・キャデラックから借りてきた心臓に意味の重心がある。本気でストックカーとの接続を断とうとすれば――すなわち「ストックカーではないもの」と呼びうるカープラモを作ろうとすれば、それはおそらくベースとなる車をもたない純然たる架空車、未来都市の輸送ポッドのようなもの、ライセンスプレートもブランドの冠もない抽象的な乗り物となるはずで、仮にこれらがキット化されたとしても、それを「アメリカンカープラモ」と呼ぶ者はまずあらわれないだろう。

レベル製1/25スケール・プラモデル「アウトロー」

エド・ロスが両手をパテまみれにしながら生み出したこの荒唐無稽な「アウトロー」にとって、意味の中心がキャデラックV8にあると断言するのはファンの反発を買うかもしれない。しかしもしこれがシボレー・スモールブロックだったら? クライスラー・ヘミだったら? ……そのときわれわれはこの車にこれほどまでに魅せられただろうか。(写真は2001年復刻版・品番85-4173)

アメリカンカープラモと呼びうるものはことごとく、程度の差こそあれストックカー(市販車由来との約束)との関係性を前提にしている――そうでなければ、ビルダーはキットに「もっともらしさ」という価値を見出し、ときにそれを作品に付与する基盤を失ってしまう。

正確さを極めたい心と深く知ろうという意思は同じではない

アメリカンカープラモにとって、ショールームストックとは「揺るぎない外在性」である。ビルダーにとって「外にある正しさ」であると言い換えてもよい。それはデトロイトが隅々まで決めた仕様の束であり、ブローシャーや広告というかたちで流通した姿そのものであって、車検証やスペックシートに堂々と書くことができる正しい状態である、とも解釈できる。

日本語圏のビルダーにはとくにその判断の傾向が顕著であり、われわれは「それを再現しようとしているだけだ、私はなにも勝手なことはしていない」と自らを位置づけることができる。作品が正しいかどうかの最終的な責任を、自身ではなく外部に預けたままにしておけるわけだ。

この態度は二重の安心をもたらす。以下の厄介なふたつの問いから免責されるからである。

ひとつは、審美的責任からの免責である。「この仕様ってかっこいいか?」と問われたとき、「だって実車がこうなんだから」と答えることができる。

もうひとつは、作品を語る責任からの解放である。自作のカスタムやフィクションを作品に盛り込めば、「なぜその仕様にした?」「何を表現したかった?」を問われる可能性が生じてしまう。

ショールームストックであれば、作品はただ「実車」を再現しただけであり、特別な意図はない、というポジションを取り続けることができる。ひいては「あなたの作品と私の作品、どちらのセンスが優れているか」のむずかしい対立を避け、「どちらがより外在する正解に近づくことができたか」の対立に変換することができる。

カスタムにつきまとう内在的な責任と判断を保留でき、その前景化を予防できる――文字どおり「黙っていても作品が語ってくれる」を比較的たやすく実現することができるわけだ。

かくして「いいできですね」「素晴らしい」という讃辞は「きれいになぞれている」ことに矮小化はするものの、重い判断のコストと天秤にかければ、悪くないリターンとなる。それをビルダー自身が「やりたかったこと」にしてしまえば、趣味の生活は葛藤から解放されて、予後はしごく安泰なものとなる。アメリカンカープラモはことごとく「ストックからの距たり」なのだから、そのど真ん中を往くストックビルダーこそ王道を歩む者である、という主張にも説得力が出るだろう。

しかし、知ることの歓びはその後、大きく縮退する。

ストック状態の再現を極めたやつ=スーパーストック(ウソ)

2025年現在、ここに3つの贅沢なキットがある。

すべて1965年式のダッジを精密にキット化したものであるが、パッケージごとのコンフィギュレーションは大きく異なっている。ショールームストックから近い順に挙げていくと、2ドアポストセダン、ファクトリーレーサー(仕様A990)、アルタードホイールベースである。後者へ行くにしたがって、仕様は特定個体の再現という色合いを濃くし、アルタードホイールベースは有名なドラッグレーサー、デイブ・ストリックラーの名が明記してある。

この三つのキットを一斉展開したメビウスは、それぞれの仕様について非常に念入りな観察とレンダリングをおこなっており、模型店(ショールーム)から買ってきてそのままドライブ(制作)することで、作品を目にしたスポッターから「いいできですね」「素晴らしい」の讃辞を誰でも回収することができる。

ここに奇妙なねじれが発生する。3タイトルの売れ行きに勾配があらわれるのである。

地味な2ドアポストセダンがまずよく売れる。日本市場では他を圧倒するといっていい。次いでA990、どうしても売れ残りがちなのはデイブ・ストリックラーズAWBであるとアメリカンカープラモに強い模型店主はいう。3つのパッケージそれぞれが、きわめて入念なリサーチの結果であり、揺るぎなく詳細をきわめた外在性――正確な特別仕様A990、デイブ・ストリックラーの乗車に忠実であることをみごと果たしているにもかかわらず。

メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「1965ダッジ・コロネット・セダン」

‘65ダッジ・A990の実質生産台数は101台といわれるが、模型ビルダーはこのとき、「102台目を作ろうとする」「1/101を作ろうとする」に分かれるのではないか。これは車の名指し、もしくは生産の母数を入れ替えても同じである。拡張か再現か。この2ドアポストセダンの箱絵のそっけなさは、かなり強力に拡張への意志を促してくる(品番2461)。

2ドアポストセダンというテーマは、いうなればふっくらと焼き上がった極上のスポンジケーキである。デトロイトのショールームにおいてはいちばん値段が安く、そのぶん華美な装飾がほとんどなく軽量、車体構造が頑丈で、「手の加え甲斐がある素体」でしかない。すでに「ほとんど仕上がっている」A990を入手するコネクションをもたず、デイブ・ストリックラーのような「特別あつらえ」など望むべくもないサンデーレーサーたちが相応の野望を胸にこぞって買い求めたモデル――つまり、ここから大きく手を入れることが前提の車なのだ。

それがいちばん売れるということは、それだけ血気にはやる旺盛なチャレンジがプラモデル市場にあふれていることを意味しない。むしろ「それが正解だから」「安心だから」という理由で求められ、わずかな工夫すら盛り込まれないままに組み立てられてしまう。質素な焼き色違いのスポンジケーキにむけられる「いいですね」は、おそらく最低限の社交辞令である可能性が高い。「せめてカステラを焼くんだった」ともっと早くに気づいてもよさそうなものである。

ただのスポンジをみごとなケーキに仕上げるにはコストがかかる。生クリームひとつとってもノウハウがあり、繊細である。あしらうフルーツには旬があり、軽く含ませるリキュールとの相性もある。チョコレートなどは歴史が練り上げた叡智そのものである。

すべてはまず知ろうとしなければならない。知とはコストそのもの、取り組むには覚悟がいる。しかしそこに真っ向取り組んだなら、そこには歓びがあふれ、仕上がりに寄せられる讃辞もまた「本物」になる。そのときビルダーは、もはや観客と同じではありえない。

かくしてビルダーは、ただストックであることを保証するだけの2ドアポストセダンをしばし離れ、A990やデイブ・ストリックラーズAWBから「ストックとの距たり」を学ぶべく行動を起こすだろう。インターネットや専門文献にあたる者も出てくるはずだ。

その多くは外国語だが、OCR、ニューラル翻訳、やる気を奮い起こした者を助けてくれるソリューションはいまや花盛りである。コミュニケーションに四苦八苦する友人がひとりくらいいてもいいか、と思える胆力が、ウェブフォーラムやメールに率直な疑問を綴る勇気につながることだってありそうだ。

’65ダッジ・2ドアポストセダンが「今度こそみごとなケーキを仕上げるため」にもうひとつ余計に売れているのだとしたら、筆者の見立てはやや穿ち過ぎ、ということになるだろう。

メビウスモデルズ製1/25スケール・プラモデル「デーブ・ストリックラーズ’65ダッジ」

メビウスのおそろしさは、ビルダーの多くがこのデイブ・ストリックラーズAWBキットをベースに「ストリック以外の」騎士、ないし思い思いの’65AWBクローンを作ろうとするはずであるとあらかじめ見抜いている点にある。いちばん仕様の狭まっている固有名付きAWBパッケージと別にショールームストックを用意することで、彼らはそんな反骨精神を黙って支援してしまうのである。

※今回、レベル製1/25「427イェンコSCクーペ」の画像は、アメリカ車模型専門店FLEETWOOD(Tel.0774-32-1953)のご協力をいただき撮影しました。
※また、メビウスモデルズ製1/25「デイブ・ストリックラーズ’65ダッジ」の画像は、読者の雅風さんのご協力により撮影しました。
ありがとうございました。

【画像73枚】ストックとの距離が縮まったり広がったりのキットたちを見る!

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写真:羽田 洋、秦 正史、畔蒜幸雄

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