第3回 操作安全性:簡単で分かりやすい操作と独自の安全対策
メルセデス・ベンツの安全性に関する揺るぎない設計思想と技術の系譜を紹介する本連載。第3回となる今回は、ドライバーとクルマのインターフェイスである「操作系」に宿る安全哲学を紐解く。
メルセデス・ベンツをはじめとする輸入車のステアリングを握ったとき、多くの日本人が最初に戸惑うのが「左側のウインカーレバー」だろう。なぜ、日本車とは逆の位置にあるのか。そこには単なる慣習の違いではなく、ISO規格(国際標準化機構)に基づいた明確な「論理」が存在する。
メルセデス・ベンツのコックピットは、どのモデルに乗り換えても操作類の配置が統一され、違和感なく扱えるのが特徴だ。すべてのスイッチは人間工学に基づき、運転姿勢を変えずにブラインドタッチができる位置に集約されている。なぜウインカーは左なのか。なぜライトスイッチはダッシュボードにあるのか。それらすべてには、誤操作を防ぎ、0.1秒の判断遅れを排除するための「操作安全」の思想が貫かれているのである。
【画像22枚】指先ひとつで操る「論理」。歴代SクラスやCクラスに見る、人間工学を極めたスイッチ類の変遷
なぜ「大径」で「楕円」なのか。疲れないハンドルの正解
メルセデス・ベンツのハンドルは普通よりも少し径が大きく楕円形である。それは平均的な人間の肩幅に合わせ、左右の腕を自然に前に伸ばしたところでピタリと決まり、操作感覚を高める設計にしているからである。しかも、グリップは適度に太い方が良いことも長年にわたる経験の結果、この結論に達している。つまり、大径で、ある程度太いグリップは握る力も少なくて済み、同時に長距離運転でも疲労が少なくて済む。筆者から言えば、「小鳥をつかんでいるように握る」のがコツである。

写真はCクラス/W205。
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