雪上試乗

PR

【試乗】雪道でAWDに迫る安心感! VW「ID.4 Pro」が示す後輪駆動の合理性〈PR〉

フォルクスワーゲン ID. 4 プロ

フォルクスワーゲンが導き出した、BEVにおける「RWD」という最適解

最高出力286ps、最大トルク545Nmへと大幅進化を遂げたフォルクスワーゲンの本格BEV「ID.4 Pro」。専用プラットフォーム「MEB」が基本とする後輪駆動(RWD)は、雪道でいかなる実力を発揮するのか。約50:50の重量配分と緻密なモーター制御が生み出すのは、AWDに迫るほどのトラクションと安心感だ。スタッドレスタイヤを履いた最新モデルの雪上試乗から、VWが導き出したRWDの合理性を紐解いていく。

【画像14枚】白銀の雪原をしなやかに駆ける。AWDに迫るトラクションを誇るVW「ID.4 Pro」の勇姿を見る

AWDに肉薄するトラクション。雪道で活きるRWDの重量配分と緻密なモーター制御

フォルクスワーゲンはBEVの本格普及に向けてBEV専用プラットフォームのMEB(モジュラー・エレクトリックドライブ・マトリクス)を開発し、2021年からBEVのサブブランドであるID.ファミリーに採用してきた。最初に日本に上陸したのは2022年のID.4。CセグメントのSUVタイプは世界中で人気となっていて、フォルクスワーゲンもID.4を世界戦略車としている。

MEBはRWD(後輪駆動)を基本としている。エンジン車ではFWD(前輪駆動)を基本としているが、なぜRWDを採用したのか。それは前後重量配分の違いを踏まえ、トラクション性能(駆動力)を重視したからだ。エンジン車はフロントにエンジン+トランスミッションが搭載され前後重量配分は60:40程度でFWDでもトラクションがかかりやすい。ところがBEVはバッテリーが中央に配置されるので前後重量配分は50:50に近い。以前に、ID.4のProローンチエディションの車検証を確認したところ47:53だった。これでFWDにしてしまうと滑りやすい路面や急な登り坂でトラクションがかからずスリップしやすくなるのだ。

さらに、BEV専用プラットフォームはエンジン車に対してロングホイールベース化が可能で室内が広々とする。ゴルフからID.4に乗り換えたユーザーから「後席に乗る家族が一番喜んでいます」という声が聞かれるほどメリットは大きいが、ホイールベースが長いと小回り性能では不利に働く。しかしながらRWDを採用すれば、前輪の切れ角を大きく取れるのでそれも解消。BEV専用プラットフォームにRWDを採用するのはそれだけ合理的なのである。

驚くべきフロントの「舵の利き」。ドライバーの意思に忠実なVW流のハンドリング

今回はスタッドレス・タイヤを装着した最新のID4. Proに雪道で試乗。滑りやすい路面でのRWDのメリットを確かめてきた。

滑りやすい路面での発進はスムーズでスリップはほとんどない。実際には微妙にスリップしてトラクションコントロールが介入する場面もあるのだが、エンジン車に比べるとモーターの制御は緻密なのでドライバーにそれと感じさせないほどスムーズなのだ。

ドライブモードは「エコ」「コンフォート」「パワー」「インディビジュアル」とあり、デフォルトの「コンフォート」でもトルクが大きく出過ぎて扱いにくいことはないが、「エコ」にすると穏やかになって雪道で走りやすい。登り坂ではエンジン車のFWDよりもトラクションが強くかかるため、後ろからグイグイと押されるようで頼もしい。AWDを除けば、リアモーター・リア駆動のID.4は最強だろう。

それ以上に安心感が高かったのが下り坂だった。滑りやすい路面の下りは、下手にブレーキをかけると姿勢が乱れそうで怖いが、ドライブモードセレクターで「D」から「B」に切り替えると回生ブレーキが強まり、アクセルの戻し具合で減速をコントロールできる。さらにESCと連携するため安定した姿勢で下っていける。ステアリング操作に集中できるので、安心感はさらに高まる。発進時と同じく、モーターだからESCの制御は緻密。BEVのメリットは滑りやすい路面でも発揮されるのである。

クローズドの特設コースのコーナーでアクセルを踏み込んでみると、リアが流れそうな気配を感じるが、ドライバーがカウンターステアをあてる前に適切にパワーを抑制して姿勢が安定する。ドライブモードを「パワー」に切り替えると制御が変わってアグレッシブなドライビングを受け付けるようになる。RWDのトラクション性能の高さでグイグイと立ち上がっていけるのが痛快だ。ESCの介入は少し遅くなり、多少はカウンターステアがあたる領域まで許容されるが、スピンなどに陥ることはなく安定性は保たれる。

電子制御が優れているのも確かだが、それ以上に驚きなのはフロントの基本的なグリップ力の高さだ。いわゆる舵の利きがいいというやつで、雪道でもステアリングを切り込んでいくと思い通りにノーズがインへ向いてくれる。全体的にフォルクスワーゲンの操縦性はライントレース性と安定性を重視した傾向にあり、ドライバーの意思に忠実。それがID.4でも実感できた。

286ps545Nmへと大幅進化。大容量バッテリー搭載で雪国の不安も払拭

今回の試乗車は2026年1月に一部仕様変更されたID.4 Proで、モーターは従来の最高出力204ps、最大トルク310Nmから、286ps/545Nmと大幅にパフォーマンスアップが図られている。雪道ではそこまで速さを体感していないが、オンロードでは頼もしい走りになっていることだろう。

BEVはヒーター使用時に電費が落ちやすく、寒冷地には向かないと言われている。しかしProならば82kWhと十分なバッテリー容量を持つため、それほど心配する必要はないだろう。一部改良によって急速充電時の受け入れ能力従来の403V/250Aから403V/300Aへ強化されているから、最近増えてきた150kW級の急速充電器を使用するときにはより短い時間での充電が可能になる。ステアリングヒーター、シートヒーターといった、朝イチで乗り込んだときにすぐ暖かさを体感できる装備もあるので、決して雪国を苦手としているわけではないのだ。

【Specification】VOLKSWAGEN ID.4 Pro
 フォルクスワーゲン ID. 4 プロ

■車両本体価格(税込)=6,618,000円
■全長×全幅×全高=4585×1850×1640mm
■ホイールベース=2770mm
■車両重量=2140kg
■駆動方式=後輪駆動
■モーター型式=EDF 交流同期電動機
■モーター最高出力=210kW(286ps)/3675-6500rpm
■モーター最大トルク=545Nm(55.6kg-m)/0-3675rpm
■総電力量=82.0kWh
■航続距離(WLTC)=587km
■トランスミッション形式=1段固定式
■サスペンション形式=前:ストラット、後:マルチリンク
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ドラム
■タイヤ=前:235/50R20、後:255/45R20
■公式ウェブサイト:https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/id4.html

【画像14枚】白銀の雪原をしなやかに駆ける。AWDに迫るトラクションを誇るVW「ID.4 Pro」の勇姿を見る

フォト=柳田由人/Y. Yanagida

注目の記事
注目の記事

RANKING