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歴代最強542psの新開発NA V8か、721psの電動AWDか。新型コルベット「グランスポーツ」が広げた伝統のスイートスポット

シボレー・コルベット グランスポーツ
シボレー・コルベット グランスポーツ・ローンチ・エディション

伝説のレーシングネームがミッドシップで新生

ゼネラル・モーターズは2026年3月26日、シボレー・コルベットの2027年モデルとして「グランスポーツ」および電動AWDを採用した「グランスポーツX」を発表した。伝説的なレーシングネームの復活とともに注目されるのが、完全新設計となる第6世代の6.7L V8エンジン「LS6」の搭載だ。最高出力542psを誇り、日常の扱いやすさとサーキットでの圧倒的なパフォーマンスを高次元で両立させた注目の最新モデルの詳細に迫る。

【画像23枚】伝説のアドミラルブルーとサントリーニブルーの競演。車体後部へ移されたハッシュマークなど、新型「グランスポーツ」の機能美を見る

ゾーラ・ダントフの魂を受け継ぐ。現代に蘇った「グランスポーツ」の使命

コルベットにおける「グランスポーツ」の歴史は、1963年にさかのぼる。天才エンジニアであるゾーラ・アーカス・ダントフが主導し、世界の最高峰スポーツカーに対抗すべくわずか5台のみが製造された軽量レーシングカーが起源である。1964年のセブリング12時間レースでクラス優勝を果たしたロジャー・ペンスキー氏をグランドマーシャルに迎え、2026年のセブリングで発表された新型グランスポーツは、その輝かしい血統を受け継ぐ存在だ。

歴代のグランスポーツは、日常のドライバビリティとサーキットでのパフォーマンスの間に位置する「スイートスポット」として、コルベットのラインナップにおいて量販モデルとしての重要な役割を担ってきた。第8世代となる新型でもその哲学は不変であり、ワイドで路面に吸い付くようなスタンスと専用チューニングによって、純粋なドライビングの喜びを提供するモデルへと進化を遂げている。

歴代最強542ps。伝説の「409」を継承する新開発6.7L V8LS6

新型グランスポーツのハイライトは、完全新設計となる次世代6.7L V8エンジン「LS6」の採用である。第6世代のスモールブロックとなるこのエンジンは、最高出力542ps、最大トルク705Nmを発揮する。これはコルベットのベースエンジンとして史上最強であり、自然吸気V8エンジンとしての最大トルクは市販車史上最高値を記録している。排気量である409立方インチ(6.7L)は、かつてのマッスルカーの伝説と同じ数値であり、古き良きアメリカの象徴を取り戻すような広くて高いトルクバンドを実現している。排気量の拡大は、ボアは103.25mmのまま維持しつつ、ストロークを先代のLT2エンジンの92mmから100mmへ延長することで達成された。

さらに注目すべきは13.0:1という驚異的な圧縮比である。これは1960年代の伝説的なレース用エンジンであるL88の12.5:1を凌ぐ、コルベット史上最高の数値だ。高度なエンジン制御技術や新しい燃料システムと組み合わせることで、排気量を拡大しながらも熱効率を高め、排出ガスの改善にも成功している。鍛造ピストンや大口径95mmのスロットルボディを採用し、第8世代のプッシュロッドV8で初めて設定される中央4本出しのエキゾーストシステムが、五感を刺激する強烈なサウンドを奏でる。

純粋主義のFRか、システム721psの電動AWDX」か

ラインナップは、大きく2つのモデルで構成される。ひとつは純粋主義者に向けた後輪駆動の「グランスポーツ」。標準でマグネティック・ライド・コントロールを備え、オプションのZ52トラック・パフォーマンス・パッケージを選択すれば、カーボンセラミックブレーキやミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2Rタイヤなどが装備され、これまでで最もサーキット走行に特化した仕様となる。

シボレー・コルベット グランスポーツ

もうひとつは、全輪駆動を追加してパフォーマンスを極限まで高めた「グランスポーツX」である。リアのLS6エンジンに加え、フロントアクスルに189psを発揮する電動モーターとコンパクトなバッテリーパックを搭載した電動AWDモデルであり、システム総出力は730psに達する。バッテリーを車体の低く中央に配置することでミッドエンジンの俊敏性を維持しつつ、フロントモーターによる即座のトルク供給で強烈なトラクションを生み出す。長時間の連続周回を可能にするエンデュランスモード、究極のラップタイムを狙うクオリファイングモード、最大パワーを引き出すプッシュ・トゥ・パスといった機能のほか、低速時にモーターのみで無音走行できるステルスモードも備えている。

伝統のアドミラルブルーが復活。V8の聖地で組み上げられる新たな金字塔

エクステリアデザインには、歴代モデルへのオマージュが散りばめられている。C4世代で愛されたボディカラーであるアドミラルブルー・メタリックが復活し、フロントフェンダーに配置されていた伝統のハッシュマークは、現在のミッドエンジンレイアウトを強調するように車体後部へと移動した。足元にはグランスポーツ専用デザインとなる10スポークの鍛造アルミホイールや、軽量な5スポークのカーボンファイバー製ホイールが用意される。

また、導入記念モデルとなるローンチ・エディションでは、サントリーニブルーに染め上げられた特別なインテリアが設定され、ヘッドレストなどに独自のエンボス加工が施される。

シボレー・コルベット グランスポーツ・ローンチ・エディション

この新開発のLS6エンジンは2027年型のスティングレイにも標準搭載される予定だ。新型グランスポーツおよびスティングレイの生産は今年の夏からケンタッキー州のボウリンググリーン工場で開始され、心臓部であるLS6エンジンは、かつて最初のスモールブロックが誕生したミシガン州フリントの工場で組み立てられる。シボレーが培ってきたV8エンジンのレガシーと最先端の電動化技術が交差する新型グランスポーツは、スポーツカーの新たな金字塔となるだろう。

【ル・ボラン編集部より】

FRからミッドシップへ変貌を遂げた現行コルベットだが、今回の「グランスポーツ」は、革新の器にブランドの濃厚な歴史を注ぎ込んだ一台だ。409立方インチの排気量や往年の名機「L88」を凌ぐ圧縮比は、アメリカンマッスル黄金期への熱きオマージュに他ならない。また、伝統のハッシュマークをリアフェンダーへ移した意匠も、単なる懐古趣味ではなく、心臓部が後方へ移動した事実を視覚的に主張する粋な演出である。過去の魂を受け継ぎつつ、グローバルで戦えるスポーツカーへと昇華させた矜持が見て取れる。

【画像23枚】伝説のアドミラルブルーとサントリーニブルーの競演。車体後部へ移されたハッシュマークなど、新型「グランスポーツ」の機能美を見る

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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