コラム

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【F1日本GP】王者を封じた25周の死闘。新PUで覚醒したアルピーヌF1、ガスリーが鈴鹿を沸かせた日〈PR〉

ガスリーが王者を封じ込めた「25周の死闘」

2026年、F1はパワーユニット(PU)の新レギュレーション導入という歴史的転換点を迎えた。長年続いたルノー製PUの開発に終止符を打ち、新たに強力なメルセデス製PUを搭載して「覚醒」の時を待っていたBWTアルピーヌF1。その真価が問われる第3戦・春の鈴鹿サーキットで、ピエール・ガスリーは絶対王者を25周にわたって封じ込めるという離れ業を演じてみせた。新生アルピーヌが証明した確かな「進化」と、スタンドを熱狂させた激闘の舞台裏に迫る。

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特別ヘルメットに込めた想いと、新星の「鈴鹿の洗礼」

週末のパドックでひときわ注目を集めたのは、ガスリーが持ち込んだ日本GP特別仕様のヘルメットだった。ベースカラーのホワイトにゴールドのラインがあしらわれたデザインのモチーフは、日本の伝統技法である「金継ぎ」だ。ガスリーは「壊れたものを、金継ぎによってより価値を上げる、そしてユニークなものにできる素晴らしい芸術。日本GPのために特別なものにしたんだ」と語る。低迷に苦しんだ過去を修復し、新たな輝きを放とうとする今のアルピーヌの姿にも重なるような、ドラマチックなデザインで鈴鹿の週末は幕を開けた。

金曜日に行われたフリー走行1回目(FP1)と2回目(FP2)は、新規定マシンの鈴鹿における最適解を探る手探りのセッションとなった。特に今年からフル参戦を果たしているアルゼンチンの新星、フランコ・コラピントにとっては厳しいスタートとなる。難攻不落のテクニカルコース、その中でも鬼門とされるデグナーカーブで姿勢を乱しコースオフ。マシンに大きなダメージはなかったものの、鈴鹿の洗礼を浴びる形となった。

見事な修正力を見せた予選アタック

迎えた土曜日のフリー走行3回目(FP3)と予選。ここでアルピーヌのエンジニアリングチームとドライバーの底力が発揮される。金曜日に苦戦したコラピントは、予選Q1では見事な修正能力を見せた。Q2進出には僅かに届かず16番手となったものの、セクター1の「S字」での旋回スピードはガスリーと遜色ないタイムをマーク。「フランコの適応能力は予想以上だ」とチーム代表を唸らせた。

そしてQ3へと駒を進めたガスリーは、見事なアタックを披露。中団グループのライバルたちをコンマ数秒差で退け、決勝に向けて7番手グリッドをもぎ取った。

中団グループの混戦を抜け出しガスリーが7位を獲得

予選で7番手グリッドを獲得したガスリーのニューマシン「A526」は、決勝でも素晴らしいペースを刻む。序盤はミディアムタイヤで快調に走行し、ライバルとの差を広げることに成功していた。

しかし、レース中盤のセーフティカー(SC)導入によって築き上げたギャップはリセットされる。リスタート後、ガスリーの背後にピタリと貼り付いたのは、鈴鹿で過去4連覇を誇るレッドブルの絶対王者、マックス・フェルスタッペンだった。

そんな状況の中「今のマシンではオーバーテイクは容易ではない」と王者に言わしめたほど、ガスリーのディフェンスは完璧だった。フェルスタッペンの反撃を封じ込め、見事に7位でチェッカー。チームへ貴重なポイントをもたらすとともに、ベスト・オブ・ザ・レストも獲得している。

「この7位は表彰台に匹敵する価値がある」

レース後、ガスリーは「レースは最初から最後まで、本当に激しい展開だった。そして7位という結果にとても満足している。セーフティカーによって差が縮まり、マックスのプレッシャーに25周も耐えなければいけなかった。ディフェンスにはかなり苦労した……。4度ワールドチャンピオンになった男を抑え切るのは、決して簡単ではなかったんだ。それでもポジションを守り、貴重なポイントを獲得できたことを嬉しく思う。今週末はチームにとって良い結果になったし、最速チームとの差もそれほど大きいわけじゃない」とコメント。これで開幕から3戦連続でポイントを獲得したことで、チームもコンストラクターズで5位に浮上するなど、シーズン序盤から好調さをキープしている。

2026年型PUと『A526』の最適解

ガスリーの言葉にもある通り、2026年のF1は内燃機関(ICE)とモーターの出力比率がほぼ「50対50」となった。アルピーヌは今年、シャシー部門と新たなPUサプライヤーとの連携をかつてないレベルで深めている。

鈴鹿の高速レイアウトにおいて、アルピーヌはあえてストレートエンドの最高速をわずかに削り、S字からダンロップカーブ、そしてスプーンといった横Gが連続する区間でのトラクションに電力を振り分ける戦略を採った。バッテリーの残量を緻密にコントロールし、後続のマシンがアクティブエアロを使っても届かない絶妙なマージンを稼ぎ出す。これがガスリーの「守りきる」走りを技術面から支えた最大の要因だ。

スタンドを染める「アルピーヌ・ブルー」と熱狂のファン

そんなチームの力走を後押ししたのが、鈴鹿を埋め尽くした日本のファンたちだ。スーパーフォーミュラ参戦時代から日本で絶大な人気を誇るガスリー。グランドスタンドには、フランス国旗や手作りの「Allez Pierre!(行け、ピエール!)」の横断幕が風に揺れていた。

ガスリーがフェルスタッペンを抑え込むたびに、スタンドからは地鳴りのような歓声が沸き起こる。レース後、コースを一周するインラップでガスリーが手を振ると、アルピーヌ・ブルーのキャップを被ったファンたちが総立ちで応える光景は、今年の日本GPにおけるハイライトの一つとなった。

伝統のブルーに身を包んだ戦士たちは、かつての「ルノー・マジック」の再来を予感させた。次戦マイアミ。この勢いが本物かどうか、フランスの意地に期待がかかる。
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フォト=相澤隆之 T.Aizawa、Alpine Cars

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