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仮想ホイールベースをもたらす新制御。フルEVとなる次期「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」の凄み

氷点下でも圧倒的なパワー!

メルセデスAMGは2026年4月2日、次期「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」の最終冬季テストを、スウェーデン北部で成功裏に完了したと発表した。数週間後に控えるワールドプレミアに向け、量産に近いプロトタイプを用いて雪上や氷上での走行性能が検証されたという。

【画像7枚】次期「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」ワールドプレミア直前最終テストの様子を見る!

新次元のパフォーマンスとドライビングの喜び

この冬季テストは、スウェーデン・ラップランド地方のアリエプログにある独自のテストセンターで行われたもの。氷点下の環境下で、勾配20%の登坂路や氷上の円旋回コースなど、500以上の個別テストを通じて、車両の駆動・制御システムの検証が実施された。

次期4ドアクーペについて同ブランドでは、AMG特有のパワーと、高い俊敏性および走行特性を融合させたものであるとしており、「新次元のパフォーマンスだけでなく、多大なドライビングの喜びをお約束します」とコメントしている。

細かな車両設定を可能にする「AMG RACE ENGINEER」

ドライビングダイナミクスの要となるのが、ハードウェアとソフトウェアを統合した制御システム「AMG RACE ENGINEER(AMGレースエンジニア)」である。センターコンソールに配置された3つのロータリースイッチを通じて、ドライバーは車両の挙動を個別に調整できる。この3つとは以下の通り:

①レスポンス・コントロール(Response Control)
アクセル操作に対する電気モーターの応答性を調整する。選択したドライブプログラムに応じて、快適な設定から鋭いレスポンスまで変化させることが可能。

②アジリティ・コントロール(Agility Control)
コーナリング挙動を変化させる機能で、駆動力配分を調整することで、疑似的にホイールベースの長さを変化させたような走行感覚を生み出すという。これにより、アンダーステアからオーバーステアまで車両挙動を制御(ESPオフのS/S+/Raceモードでのみ個別設定可)。

③トラクション・コントロール(Traction Control)
トラクション・コントロールの介入度合いを9段階で調整できる。カーブ内側の後輪の駆動力を制御してヨーモーメントを発生させ、正確なステアリング操作支援を図る(ESPオフのS/S+/Raceモードでのみ設定可能)。

3つのロータリースイッチは「ESPオフ」モードでのみその機能を完全に発揮。熟練したドライバーなら、閉鎖されたコースで新次元のドライビングダイナミクスを体験することができるという。なお、「レスポンス・コントロール」機能は「ESPオン」モードでも使用可能だ。

全輪駆動システム「AMG Performance 4MATIC+」

パワートレインには、フルエレクトリック・スポーツカーとして初めての3つのアキシャルフラックスモーターを採用した「AMG Performance 4MATIC+(AMGパフォーマンス4マチック・プラス)」を搭載している。

これは、独立した電気モーターにより、前後輪へのトルク配分や後輪間の駆動力配分(トルクベクタリング)をシームレスかつ連続的に制御。雪上や氷上においても、センサーが車輪の空転を検知し、状況に応じたトルク配分を行うことで、トラクションと走行安定性を確保するという。

ブレーキは、フロントにカーボンセラミック、リアにスチールを用いた油圧式複合ブレーキシステムを採用し、軽量化とペダルフィールの向上を図っている。

サスペンションと熱管理システム

サスペンションには、セミアクティブ・ロールスタビライゼーションを備えた「AMG ACTIVE RIDE CONTROL(AMGアクティブライド・コントロール)」が採用された。3段階に切り替え可能なエアスプリングとセミアクティブ・ロールスタビライゼーションにより、ロールを抑えつつ、快適性とスポーティな走行性能の両立を実現したとのこと。直進時にはシステムを開放して最大限の快適性を提供する仕組みとなっている。

バッテリーは直接冷却式のセルを採用、レーザー溶接されたモジュール内に組み込まれている。非導電性のオイルを用いた冷却材が各セルを循環し、氷点下の環境においても効率的な冷却と、最適な温度域への迅速な加熱を両立させたという。これにより、連続した高出力の発生や効率的な充電が可能となったと説明されている。

【ル・ボラン編集部より】

現行型デビュー直後の試乗記で「とことん武闘派」と評されたGT 4ドアクーペだが、次期型がフルEVへと舵を切ってもその美学は不変だ。内燃機関の咆哮こそ失われるが、3基のモーターと高度なソフトウェア制御は、かつての強引とも言える力技をデジタルで洗練・超越させようとしている。氷上の極限環境でさえ自在にヨーを操れる設定を残すあたりに、効率よりも圧倒的パフォーマンスを優先するAMGの業の深さが見て取れる。物理法則を電子制御でねじ伏せる、新たな時代のグランドツアラーである。

【画像7枚】次期「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」ワールドプレミア直前最終テストの様子を見る!

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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