コラム

内燃機関の未来は「グリーンヘル」に。F1王者参戦の裏で進む、ニュル24時間を舞台にした代替燃料の静かな革命【中三川大地の車輪革命】第5回《LE VOLANT LAB》

2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース。911号車ポルシェ911 GT3 R。photo:PORSCHE AG
2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース。総合優勝を果たした3号車メルセデスAMG GT3(右)と、80号車メルセデスAMG GT3(左)。photo:Red Bull Content Pool
2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース。3号車メルセデスAMG GT3。photo:山本佳吾/K.Yamamoto
2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース。マックス・フェルスタッペン。photo:Red Bull Content Pool
2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース。マックス・フェルスタッペン(右)。photo:Red Bull Content Pool
2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース。911号車ポルシェ911 GT3 R(中央)。photo:PORSCHE AG
2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース。911号車ポルシェ911 GT3 R。photo:PORSCHE AG
2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース。992号車911 GT3カップMR。photo:MANTHEY RACING
ニュル24時間の前哨戦であるドイツ・ヒストリック耐久選手権(DHLM)にて、グリーゼマン兄弟がドライブする1974年式ポルシェ911RSR。photo:山本佳吾/K.Yamamoto
ニュル24時間の前哨戦であるドイツ・ヒストリック耐久選手権(DHLM)にて、グリーゼマン兄弟がドライブする1974年式ポルシェ911RSR。photo:山本佳吾/K.Yamamoto
ニュル24時間の前哨戦であるドイツ・ヒストリック耐久選手権(DHLM)にて、グリーゼマン兄弟がドライブする1974年式ポルシェ911RSR(中央)。photo:山本佳吾/K.Yamamoto
ニュル24時間の前哨戦であるドイツ・ヒストリック耐久選手権(DHLM)にて、1974年式ポルシェ911RSRで戦ったグリーゼマン兄弟。photo:山本佳吾/K.Yamamoto

栄光も挫折も呑み込むグリーンヘル

例年にも増して大盛況で幕を下ろした2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース(ニュル24時間)から、もう1カ月以上が経った。そこには数えきれないほどの挑戦があり、達成した者がいれば、不本意な結果で終えた者もいる。今年の象徴的存在だったマックス・フェルスタッペンの挑戦、そして強豪マンタイ・レーシングの葛藤を振り返りながら、速報レポートとは違う視点で、この世界一過酷な耐久レースを振り返る。

【画像11枚】栄光と挫折が交錯する24時間。ニュルを駆け抜けた挑戦者たちと名車ポルシェの姿を写真で振り返る
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F1絶対王者が知った勝負の世界と、ニュルの魔力

闘いが幕を開けるころ、チケットは完売し、過去最大の来場者が訪れることが確実視されていた。実際、昨年(2025年)よりも7万人以上も多い35万2000人が訪れたという。グランプリコースと合わせて25.378kmものコースサイドには、見渡す限り人とクルマと、そしてキャンピングカー、テントで埋め尽くされていた。

その要因は現役F1ドライバーにして、過去に4度のワールドチャンピオンに輝いたスタードライバー、マックス・フェルスタッペンが参戦を表明したからだと聞いた。

2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース。3号車メルセデスAMG GT3(右)と80号車メルセデスAMG GT3(左)。photo:Red Bull Content Pool

2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース。フェルスタッペン・レーシングの3号車メルセデスAMG GT3(右)と、総合優勝を果たした80号車メルセデスAMG GT3(左)。photo:Red Bull Content Pool

実際にフェルスタッペンはレースのほとんどを支配した。フェルスタッペン・レーシングの3号車メルセデスAMG GT3は、予選を難なく4位で通過し、決勝でも常に上位争いをしながら安定したラップを刻んだ。15時に始まったレースの陽が落ち、日付が変わるころ。彼にとっては初の夜間走行ながら、先頭を走っていた80号車メルセデスAMG GT3をオーバーテイクして、いよいよ1位へと躍り出た。フェルスタッペンは、F1ばかりかニュル24時間をも掌握してしまうのかと思われた。

しかし、たとえF1界のスーパースターであっても、グリーンヘルではそう簡単に勝たせてはくれないことを知った。レースが残り3時間半を迎えるころ、突然、AMG GTのドライブシャフトが破損してしまい、優勝戦線から脱落してしまう。

勝ちうるチームとマシンで、世界最高峰の技量を持っていたとしても、勝たせてもらえなければ、勝てない。運命の女神が微笑むとは、そういうことなのだろう。それが勝負の世界であり、ニュル24時間ではそのことをあらためて教えてくれた。

2026年のニュルブルクリンク24時間耐久レース。マックス・フェルスタッペン(右)。photo:Red Bull Content Pool

マックス・フェルスタッペン(右)。photo:Red Bull Content Pool

フェルスタッペンは「来年はもちろん、できれば毎年、ニュル24時間に挑戦したい」とレースを終えたあとに語っている。ニュル24時間はそれだけクルマ好きの心を惹きつけて離さないロマンティックなレースであり、それはF1界のトップドライバーであっても同様だった。2026年のNLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)は、スケジュールの関係により参戦を断念したと発表された。しかし、それでも2027年にはふたたびグリーンヘルに戻ってきて欲しいと強く願う。

名門マンタイが示す、内燃機関への「静かな革命」

フェルスタッペンと同じく優勝候補の筆頭だったのがマンタイ・レーシングだ。なにしろ歴代最多にして7回もの総合優勝経験を持つ強豪だ。しかし、今回は悔しい結果に終わった。エースマシンである911号車ポルシェ911 GT3 Rは、悔しくもコース上のオイルに乗ってクラッシュし、わずか26ラップで終えることになった。

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フォト=山本佳吾/K. Yamamoto、Red Bull、PORSCHE AG、MANTHEY RACING

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