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Vクラスの源流ここにあり。生産わずか35台、伝説の青を纏うメルセデス・ベンツ「170V」が示す歴史的価値

1952年製「170V」パネルバンが語る戦後復興の歴史

メルセデス・ベンツ博物館で開催中の特別展「商用車の130年」にて、1952年製の希少なパネルバン「170V」が公開されている。当時スイスでカスタマーサービス車両として活躍したこのモデルは、同社のサービスの象徴であった鮮やかな「メルセデスブルー」のボディカラーが特徴だ。戦後の困難な時代における量産再開の口火を切ったこの重要なモデルの背景と、わずか35台しか生産されなかったガソリンエンジン仕様の魅力に迫る。

【画像15枚】これが1950年代のサービスカー。美しい青に彩られた170Vパネルバンのレトロな内外装をチェックする

1950年代のサービスを象徴する「メルセデスブルー」

この美しいフォルムを持つ「170V」パネルバンで最も人目を引くのが、色鮮やかな青いボディカラーである。1950年代において、この「メルセデスブルー」はメルセデス・ベンツのカスタマーサービスを象徴する色として人々に広く認知されていた。有名な1955年製のレーシングカー・トランスポーター「ブルー・ワンダー」など、歴史的なアイコン車両にも同じ色合いが採用されている。

展示されている車両は、1952年からスイスにおいてカスタマーサービス車両として実際に使用されていたものだ。顧客のもとへ急行するメカニックたちにとって、この青い車両はブランドの誇りと高いサービス品質を体現する頼もしい相棒であった。

機能性と伝統の「ジンデルフィンゲン・ボディ」

当時のサービス車両は、出張修理のために多くの工具や予備部品を積載して走行する必要があった。左開きのリアドアを備えた箱型の架装部分は、そうしたニーズに応える十分なスペースを確保している。内部の構造を見ると、目に見える木製の基礎が優雅な板金ボディを支えており、カーペットが敷かれた荷室の床下にはさらなる収納スペースやスペアタイヤが収められている。

運転席ドアの前のフェンダー部には、「ジンデルフィンゲン・ボディ。ダイムラー・ベンツ株式会社」と記され、中央にスリーポインテッドスターが輝くシルバーのプレートが誇らしげに装着されている。これは1930年代から続く、同ブランドの高品質な純正ボディの伝統を示す証である。室内もメカニックの快適性が考慮され、ライトグレーの人工皮革シートや、足元にぴったりと合わせて作られた丈夫な布製マットなどが設えられている。

戦後復興を支えた歴史的意義と希少性

第二次世界大戦後の厳しい状況下にあって、メルセデス・ベンツの量産再開の始まりを担ったのが、この170V(W136シリーズ)をベースとした車両であった。1946年5月、当時は緊急に必要とされていた平ボディのトラックやパネルバン、救急車といった実用車から生産が再開され、乗用車であるセダンが復活したのは翌1947年のことだった。戦前からの基本設計を持ちながらも、経済的かつ実用的な170Vは、復興に向けた社会の要望に最も適したモデルであったのだ。

その後、西ドイツの「経済の奇跡」と呼ばれる時代が到来すると、より経済的なディーゼルエンジンを搭載した170Dが追加され、商用車の主力となっていった。1952年に製造されたジンデルフィンゲン製ボディのパネルバンにおいても、ディーゼル仕様は500台以上が作られた。一方で、今回展示されている最高出力45ps、最高速度116km/hを発揮するガソリンエンジン仕様は、わずか35台のみが生産されたに過ぎない。つまり、この展示車両は当時の様子を伝える生き証人であると同時に、極めて希少な存在なのである。

特別展「商用車の130年」で見られる貴重な姿

メルセデス・ベンツ博物館では、展示車両にまつわる隠れたエピソードや背景を紹介する「クローズアップ」シリーズを展開しており、今回の170Vパネルバンもその一環として光が当てられた。アイボリーカラーのノブが並び、時計や各種メーターが整然と配置されたダッシュボードや、ドア前方に備えられたクラシックな腕木式方向指示器など、当時の技術の粋を集めたディテールを細部まで観察することができる。

この貴重な170Vパネルバンは、シュトゥットガルトのメルセデス・ベンツ博物館で開催されている特別展「商用車の130年」にて、2027年4月4日まで展示されている。1896年の最初の商用車から始まる長い歴史の中で、戦後の復興と経済成長を支え、顧客のニーズに寄り添い続けたメルセデス・ベンツの歩みを感じ取れるはずだ。

【ル・ボラン編集部より】

現代のメルセデス・ベンツといえば高級セダンやSUVの印象が強いが、戦後復興の礎を築いたのは実直な商用車であった。170Vパネルバンの荷室を支える木の骨組みや専用のジンデルフィンゲン製ボディには、単なる「バン」を超えたクラフトマンシップが宿る。顧客の元へ駆けつけるサービスカーに自社の誇りであるメルセデスブルーを託した姿勢は、広大な空間と上質な移動体験を高い次元で両立させる現代のVクラスの根底にも通じている。真のプレミアムとは、決して華美な装飾ではなく、こうした実直な設計思想と歴史の蓄積から生まれるものだ。

【画像15枚】これが1950年代のサービスカー。美しい青に彩られた170Vパネルバンのレトロな内外装をチェックする

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
Photo: Mercedes-Benz

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